こんにちは。UXデザインセンターの小林です。

 

iPhone 11 Pro を使っています。
発売日の翌日に機種変更しました。

サクサク動いて気持ちいい、バッテリーの持ちがいい、ディスプレイが美しい、カメラは明るく撮れてズームもきれい、つや消しボディの手触りがお気に入り… 

と、この流れだと「iPhone 11 Pro を2ヶ月使ってみて」という記事を書いてしまいそうな雰囲気ですが、今回は機種変更の際に感じたことを書きたいと思います。

感動の共有

今回の機種変更で端末の受け取りを、初めて「自宅」にしました。

これまでは当たり前のように店頭で手続きしていたのですが、自宅受け取り、かなりいいですね。

データのバックアップや移行は自分のタイミングでできるし、初めて端末に触れるのが「自分」という優越感があったり、何よりショップで数時間拘束されて… というの無い。

でも、端末の初期設定を終えて、ふと「何か足りない」と感じたんです。

何だろうとしばらく考えて、ふと思い当たったのが、他者との「感動の共有」でした。

店頭で手続きをする中にある、ショップスタッフとのちょっとしたやりとり、そのときの表情、お店の雰囲気や流れていた音楽など、そういった要素や背景を含めて「機種変更」というイベントを楽しんでいたのかもしれません。

程度の差はあれど、産婦人科で看護師さんに抱かれた生まれたての我が子と対面する瞬間にも通じる、感動の共有があるように思いました。

以前、象徴的な体験をしたことがあります。

2017年3月に iPhone 7 (PRODUCT) RED™ が発売され、新しいモデルの発売を待っていた私はその鮮やかな赤に魅かれ、即日機種変更しました。

自宅に近いショップで手続きしたのですが、私が最初の契約だったらしくショップスタッフも現物を見るのが初めてで、かなり興奮気味に接客してくれました。

また、他のスタッフも「見せてもらっていいですか?」と4、5人集まってきて、赤いボディのiPhoneをまるで生まれたての赤ん坊のようにもてはやしたのでした。

そういったエピソードも手伝い、端末に一層の愛着と思い入れが生まれたのでした。

どこでUXを選んでいたのか

自宅受け取りの機種変更で、完全に自己完結な作業をおこなったことで、意識していなかった「自分にとっての嬉しいUX」に気づかされる結果となったのですが、では仮にそれを事前に認識していたら、UXの選択を比較検討することができたのでしょうか?

実際にオンライン申込の際に操作したWebページにあった「受け取り方法」を選択するUIのイメージです。

申込フローの最初のほうに設けられているのですが、ここで選ぶのは単なる「受け取り場所」ではありません。

結果的に「機種変更」自体のUXを選ぶことになるんですね。

「嬉しい」UXを選ぶために

ユーザーそれぞれが「嬉しい」UXを選ぶにはどうしたらよいのか。

「受け取り方法」の選択肢の場合、併せてそれぞれのメリットを示すことで、ユーザーの「予期的UX」をサポートできると考えます。

選択のための検討材料を事前に提示することです。

しかし、先に挙げた「他者との感動の共有」の部類は、ユーザーによって感じ方が異なるでしょうし、メリットとして確約できるものではないでしょう。

そういった定性的な価値をいかに上手くユーザーに伝えるか、がUI (文言やフロー) のテクニックとして期待される部分であり、それらが最終的にサービスやソリューションの価値を適切に伝える事に繋がる、と考えています。