技術研究所の (あ) です。
写真を撮ったけど
「暗い」「赤っぽくなってしまった」「余計な部分が写ってる」
などの困った点があって、シェアしたいけど躊躇してしまうことはないでしょうか。
「でも、自分のパソコンに PhotoShop とか入ってないし、
フリーのアプリとかもよく解らないし…」
「…大丈夫、PowerPoint があればなんとかなります!!」
ということで、
前に「PowerPoint の使い方はさほど詳しくなくて」と書いたわりに
またパワポネタです。
PowerPoint の意外と多彩な画像加工の機能は
「スライド作成のための便利な機能」として広く紹介されています。
しかし、応用範囲はスライド作成に限りません。
加工した画像は「画像として保存」のメニューで JPEG や PNG 形式のファイルとして
保存可能です。
つまり、「写真・画像の加工のため」だけに PowerPoint が使えるのです。
以下、PowerPoint 2010 での加工例を紹介します。
たとえばちょっと赤っぽく暗めなデザートの写真を PowerPoint の
空白スライドに放り込みます。
デジカメで撮った写真をそのまま放り込むと、
たいていはスライドからはみ出る感じのサイズになると思います
(写真によってはいい感じのサイズに勝手になります (*1))。
元のサイズから変更したくなければそのまま加工する必要がありますが、
特に必要がなければスライドのサイズくらいに縮小したほうが扱いやすいでしょう
(「画像として保存」したときの大きさ (ピクセル数) はスライド上の大きさに比例するようです)。
*1: 正確な条件が判らないのですが、Exif 情報のどこかを見ている???
![](/blog/entry/1081/main/00/teaserItems1/02/binaryNodeName/fig1.jpg)
この写真が選択された状態だと、メニューに「図ツール – 書式」というのが現れます。
現れた状態で、一見、選択されているようにも見えがちですが
(そのせいで存在に気が付かれていないことが多いのではなかろうか… ^^;)、
選択するとリボンが図の編集などのメニューに変わります。
左のほうにある「色」を選びます。
![](/blog/entry/1081/main/00/teaserItems1/04/binaryNodeName/fig2.jpg)
色の変更例がたくさん例示されていますが、
ここでは「図の色のオプション」を選びます。
![](/blog/entry/1081/main/00/teaserItems1/06/binaryNodeName/fig3.jpg)
するとダイアログが出てきます。ちなみにこのダイアログ、
写真を右クリックして「図の書式設定」を選んでも出てきます。
「図の色」の「温度」のところがデフォルトでは
6500 になっていると思いますが、この数字を小さくすると写真が青っぽく、
大きくすると赤っぽくなります。
今は赤みを抑えたいので、4000 に。
写真などの色味の調整には「色温度」という概念があるのですが、
これはその簡易的な調整、と思っておいて下さい。
さて次は明るさを調整します。先ほどのダイアログを閉じて、
図ツールの「書式」から「修正」を選びます。
すると明るさとコントラストをさまざまに変えたパターンが表示されるので、
ちょうどよいものを選んで下さい。
![](/blog/entry/1081/main/00/teaserItems1/010/binaryNodeName/fig4.jpg)
そして最後に「図のスタイル」で「四角形、ぼかし」を選んで
「画像として保存」したのがこちらです。
![](/blog/entry/1081/main/00/teaserItems1/012/binaryNodeName/fig5.png)
↓こんなアート調の加工もできます。
![](/blog/entry/1081/main/00/teaserItems1/014/binaryNodeName/fig6.png)
PowerPoint の図形エディタで描いた絵や、テキスト部分もまとめて
「画像として保存」することができるので、↓こんな画像も作れます。
PNG形式で保存すると、背景や半透過部分もきっちり反映されます。
ちなみに回転させて斜めの状態で保存すれば、斜めの画像を作ることができます。
![](/blog/entry/1081/main/00/teaserItems1/016/binaryNodeName/fig7.png)
写真に余計なものが写っているとか、背景から切り出したい、
ということもあるでしょう。
これも PowerPoint でできます。
たとえば↓こんな写真。
![](/blog/entry/1081/main/01/teaserItems1/01/binaryNodeName/fig8.jpg)
「図ツール」の「書式」メニューの左端に「背景の削除」を選びます。
すると…
![](/blog/entry/1081/main/01/teaserItems1/03/binaryNodeName/fig9.jpg)
かもめ以外のところ (尾羽根がちょっと含まれちゃってますが) に
紫のマスクが掛かりました。
マスク部分が、「背景」とみなされているところです。
街灯の部分も残したい、というときは「保持する領域としてマーク」を選んで、
残したい部分に線を引くようにマークしていきます。
逆に余分なところが残っていたら、「削除する領域としてマーク」で同じようにマークします。
切り抜きたい範囲の枠を調節することもできます。
![](/blog/entry/1081/main/01/teaserItems1/06/binaryNodeName/fig10.jpg)
![](/blog/entry/1081/main/01/teaserItems1/07/binaryNodeName/fig11.jpg)
良い感じになったら「変更の保持」をクリックして終了します。
あとは「トリミング」で余白部分を調整したりします。
![](/blog/entry/1081/main/01/teaserItems1/09/binaryNodeName/fig12.jpg)
ここまでの作業画面も、ほとんど PowerPoint でキャプチャしています。
「挿入」のメニューの中にさりげなく「スクリーンショット」があるので、
それを使います。
クリックすると、開いている (最小化されていない)
ウィンドウの一覧がアイコンで出てくるので、それをを選ぶだけキャプチャできます
(自分自身のキャプチャはできませんが、PowerPoint を複数立ち上げれば…)。
任意の領域の選択もできます。
![](/blog/entry/1081/main/02/teaserItems1/01/binaryNodeName/fig13.jpg)
さすがに融通が効かない部分も多いので、
PhotoShop などの画像加工アプリがあればそっちを使ったほうがよい場合がほとんどです。
しかし、意外な高機能もあるし、他にそれ用のアプリが入っていない環境では
なかなか役に立つ選択肢とも言えます。
覚えておいて損はないかと思います。
いやいや使っている人たちも多いかもしれないオフィススイートですが、
使えるところはきっちり使い倒してしまいましょうw。