過去の全てをなかった事にしてどんどん前に進んで行きたい、道に迷っても歩いてきた道を戻るのが嫌いなので前に進む事だけしたい、という「山で遭難する可能性が非常に高い」であろうタイプ、UXデザインセンター所属のカツメです。あけましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

今年は「変わる」をテーマに、やっていきたい。ていうか去年からやってきた。だからいつもと違って、前に進まず後ろを見てみよう。ということで、新年早々に旧年のことを振り返ってみたいと思います。(「去年のうちに振り返っておけよ」というツッコミをお待ちしています。)

UXデザインセンターの定例会で「レゴ®シリアスプレイ®」を活用した振り返りを行なったのですが、これが、よかった。なので「振り返りレゴ®シリアスプレイ®」のファシリテーションをしたことを振り返ることで、自分の振り返りをしつつ「レゴ®シリアスプレイ®」の魅力も伝えてしまおう!という一石二鳥な投稿にしたいと思います。

「レゴ®シリアスプレイ®」とはレゴ®ブロックを使用したワークショップ型研修のメソッドです。テーマに沿ってブロックを組み立て作品を作り、それについて語り他の参加者に共有することで、内観、意識共有、ビジョン作成など様々な目的に適用できます。そして「振り返り」にも使えちゃうわけですね。
(詳しくはこれを読んでね:レゴ®シリアスプレイ®ファシリテータ養成トレーニングをうけてきた

さて、定例会では以下のテーマで行いました。

  • 今月を振り返ってみて良かったこと
  • 今月を振り返ってみて悪かったこと(課題など)
  • どうすればよかったのか?(課題の解決方法など)

私は特に意識していなかったのですが、メンバーの”sgi-chang” が自分の作品について「KPT(ケプト)」形式でストーリーを語ってくれました。これによって「これ、形で見えるKPTだわ」と、おかげさまで気づくことができました。

「形で見える・・・?・・・3D?・・・そうだ3D-KPT、だ!」

ちょうど”sgi-chang”がエンジニアブログで「3D」、そうホットな3DCGの記事を書いていました。「3D」という命名ヒントまでいただけるとは。
WebGL、Three.jsでワクワクしてみた2019、ひとりハッカソン編

「KPT」とは
以下の頭文字からとった造語で、アジャイル開発においてイテレーションの終わりにチームで振り返りを行うフレームワークです。
・Keep(良かったので続けること)
・Problem(悪かった点・問題点)
・Try(次にトライしたいこと)

そんな「3D-KPT」のファシリテーションについて、「2D-KPT」を行なってみたいと思います。
そしてこの「2D-KPT」で「レゴ®シリアスプレイ®」がどんなものか?魅力が伝われば幸いです。

Keep:良かった点

だらだら報告にならない

言葉で説明しようとすると、あれもこれも・・・と内容が整理されていないまま話してしまい、だらだらとした報告になりやすいのですが(私だけ?)

テーマに沿って決められた時間(5分程度)でブロックを組み立てるため、自分にとって本当に「良かったこと」「悪かったこと」に焦点があたると感じました。
(人間、追い詰められると本性が出るような・・・。)

本当に「良かったこと」「悪かったこと」に焦点があたると重要なポイントに絞った作品になりやすいこととや、「作品についてのみ語る」というレゴ®シリアスプレイ®のルールがあるため、本質からずれた無駄な説明が入りませんでした。

他のメンバーの活躍状況がわかる

UXデザインセンターのメンバーはそれぞれ違うプロジェクトで活躍中のため、他のメンバーの状況が見えにくいところがあります。それでも、作品について「このブロックは何を意味していますか?」のように質問をするので、プロジェクトの状況を知らなくても質問することができます。
そのうえ、情報が絞られていることによって他のメンバーが抱えている本質的な問題にも気付きやすいと感じました。

他のメンバーからアドバイスをもらいやすい

アドバイスをもらうにも、もらいたい側が的確に情報を伝えないと核心をついた具体的なアドバイスをもらうことは難しいですよね。ですが、他のメンバーが本質的な問題に気付きやすいという点から、悪かったことに対してもアドバイスをもらいやすいと感じました。

語る内容は「作品についてのみ」というルールですが、他者の作品に対しての質問も同様のルールです。「悪かったこと」作品への質問をしても、本人を責めているような状況を避けることができました。責められたり、叱られたりしていると感じたりすることもありませんでした。

Problem:悪かった点・問題点

時間がかかる

今回は少人数での開催となりましたが、人数が多い場合は非常に時間がかかってしまいます。UXデザインセンターがもっと大きくなってメンバーが100人になったら・・・?実施するのは難しそうです。100人では時間の問題だけではなく、

レゴ®ブロックを用意するはどうするの?(予算はいったいどこから・・・)
場所はどこでやるの?(東京ドームとか?え、広すぎ?)
1人でファシリテーションをするの?(新しい仲間が増えて2人になったけど、一人頭50人のファシリですか)

といった諸々の問題点が。

ファシリと組み立てを両方やるので忙しい

ファシリテーターと振り返りの作品組み立ても交互に行うので、ばたばたしてしまいました。時間を気にすることと自分自身を振り返ることが一緒くたになってしまい、作品作りに集中できなかった部分もありました。

また、ファシリテーションも止まってしまう時間が出てきたり、リズムよく進められなかったのではと思います。

課題の解決方法が具体的にならない

悪かった点について「どうすればよかったのか?」と課題の解決方法をを考え組み立ててみたら、なんだか抽象的な作品・・・といったことがありました。組み立て後、作品について語る中で明確になる場合があるので、できた作品は間違いではないのですが、具体的な行動まで落とすファシリテーションができませんでした。

せっかく振り返って解決方法まで考えているのに、行動できなかったら解決にならないではないか・・・。

Try:どうすればよかったか?解決策・トライしたいこと

100人になったら他の方法を考える

100人になったら大丈夫ではありません。レゴ®シリアスプレイ®ではファシリテーションは非常に重要です。全員がファシリテーターの目の届く範囲で行うことが、効果を最大限に発揮できると考えます。
ですので、人数が多くなってしまう場合はレゴ®シリアスプレイ®固執せず、他の良い方法を検討するのが良いでしょう。

しっかり準備し、ファシリと組み立ての切り替えをはっきりする

ファシリテーションの部分と、作品を組み立てる部分の設計がきちんとできていませんでした。準備不足が原因だと思うので、次回は時間割や準備をしっかり行います。

自分は振り返りを行わずファシリに徹する、またはファシリを仲間に依頼するなどの解決法もありますが、いったんは準備をしっかりすることで対策していき、そしてまた振り返りを行いひとつひとつTryしていきたいと思います。

解決方法を具体的にする

具体的なアクションができるようなファシリテーションにトライしたい。そういえば「KPT」にアクション(A)を加えた「KPTA」というのがありました。

TryをActionに落とし込む。
実施を決定したTryを、行動できるレベルまで具体化したActionに落とし込みます。
すぐに実行できるActionは行動に移し、必要であれば、Actionを計画に組み入れます。

(出展:KPTA.club   http://www.kpta.club/

形の見えるKPT「3D-KPT」に進化しましたが、具体的な行動につながる「3D-KPTA」としてさらなる進化を遂げたいです。

Action:具体化した行動

ということで、私のアクションは
次回の定例では「アクション」について考える時間と宣言する時間を設けた3D-KPTAを実施する
です。

以上、レゴ®シリアスプレイ®で振り返ってみたことを振り返ってみました。
読んでいる方に「レゴ®シリアスプレイ®」の良さが伝わって「ちょっと取り入れてみたいな」と思う方が増えたら幸いです。
業務やプロジェクトの「3D-KPTA」を行いたい方は株式会社クレスコ、UXデザインセンターまで、どうぞ!