AI&ロボティクスセンター あきやまです。

 

この記事は 『CRESCO Advent Calendar 2019』 20日目の記事です。

前回記事の冒頭

暑いのは苦手なので、早く涼しくなって欲しいものです。
冬は好きなのですが、寒いなら寒いで文句は言うと思います。

寒いです。
たまに暖かい日があるのが逆に困りますね。

過去2回、RPAの記事を記載させて頂きました。
今回は同じロボットでもコミュニケーションロボットのお話です。

RPAチームに入る前は、コミュニケーションロボットのアプリ開発をしており、
イベントの展示や、地方での実証試験など出張の機会も多く、楽しみながらやっていました。
また出張行きたい。

ただ、最近はコミュニケーションロボットのアプリ開発に絡む機会が無く、
市場の動向に疎くなっている為、この機会に調べてみようかなと思い立った次第です。

少し前ですが、「ペッパー君さようなら 8割超が“もう要らない”」という記事を御覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事を見たときに、寂しさよりも納得したのが正直な所です。

私が担当していたお客様でも、イベントでたまに使用する事があるが、それ以外は眠ったままという会社が多かった様に思います。
また、記事にもありますが、今では街中で当たり前のようにペッパーがいますが、話かけたり、興味を示すのは子供だけになってしまいましたね。

これはペッパーに限った事では無く、大人がロボットと会話をしていると、周りの目が非常に気になりますね。
家族やグループならまだしも、一人でロボットと会話をするのは半ば罰ゲームに近いと思います。

目新しさが無くなった事に加え、「Pepperである必要が無い」「他のサービスで補填出来る」事も要因と記事にあります。

納得ですね、最近はスマートフォンやタブレットでなんでも出来ますしね。。。

さて、コミュニケーションロボット界を引っ張る(と勝手に思ってます)ペッパーに対してこんな事を言われている状況です。

記事の掲載から1年以上たった今、どの様な状況なのでしょう、そして未来は!?
*以下の記事を参考にさせて頂きました。
https://tech-camp.in/note/technology/70267/
https://robot.mirai-media.net/award_top10/
https://bae.dentsutec.co.jp/articles/robot-2019/

コミュニケーションロボットの今

まず、そもそもコミュニケーションロボットとはどんなものかは、いまだ明確な定義は無い様です。

 

会話や動作を用いて「人とコミュニケーションを取れるロボット」とざっくりしていますね。
モニターを装備し、表情の変化を用いてコミュニケーションを取るロボットもいますね。

そういえば、「ロボット」自体に形の定義は(恐らく)無いと思いますので、
Tabletで、音声でコミュニケーションを取れればコミュニケーションロボットと呼べる事になりますね。

とは言え、参考記事によると「人型」が60%を締めている(2018年5月時点)との事ですので、
やはり「人型」のイメージが強いようです。

さらに、「人型」以外の形状のコミュニケーションロボットも、人や動物に近い(見える)作りになっている事が多いと感じています。
一方通行では無く、コミュニケーションを取る事を目的とすると、「人型」やそれに近しい形である事が重要なのですね。

次に用途ですが、参考記事では以下が挙げられています。
1. 介護予防
2. 生活支援
3. 接客や受付役
4. 心の癒やし

私が携わったプロジェクトでは、全て実証試験やイベントといった段階ではありましたが、「介護予防」、「接客や受付役」が多かったです。

皆さんも「接客や受付役」のイメージが強いのでは無いでしょうか。
お店やイベント会場に設置されたコミュニケーションロボットの用途もそうですね。

「介護予防」もなんとなく活用イメージが沸くかと思います。
最近では「動物型」、更には外装がぬいぐるみのロボットも出てきており、「心の癒やし」に活用される事も増えて来ている様です。

「生活支援」はまだ実験段階なのでしょうか、(あくまで個人的には)あまり見た記憶がありません。

ただ、「生活支援」のロボットとなると、「人型」というよりは車の様な形にどうしてもなってしまようで、コミュニケーションロボットのイメージからは離れてしまうなぁ、と思っていたり。。。
(超個人的な感想です、ご了承下さい)

こう見るとロボットの数も、用途も拡大してきているようですね。
なのになぜ、コミュニケーションロボットのブームは終わったように思われているのでしょうか?

参考記事にある通り、以下の要因が大きいかと思います。
・価格が高いため、企業の導入が多く、個人での購入が少ない。
・スムーズな会話が難しいため、コミュニケーションを取れないイメージがついてしまった。

最近では数万円程度のロボットも増えてきており、価格の面では改善されてきているようですが、やはりまだ気軽に変える値段では無いですよね。

言葉は正しくないかもしれませんが、費用対効果を考えるとまだ割高に感じます。

会話については、今後の技術革新を待つしか無いと考えています。

今ではスマートフォンや、テレビのリモコンでも気軽に音声認識を利用できますね。
認識精度も驚くほど高い事は皆さんもご存知と思いますが、認識・応答まで時間がかかり、
どうしても間が空いてしまうので、「コミュニケーション」という点ではまだまだ難しいと考えています。

聞き取りだけでなく、「色々出来ない」と思われてしまったことも要因の一つかもしれません。

出た当初は、イメージが先行して「人間よりも優秀」と皆、思っていましたね。
私も思ってましたし、同じようにがっかりもしました。

特に、みんながイメージする高性能ロボットを彷彿とさせるコミュニケーションロボットに対しては、現実とのギャップが大きかったようですね。

例えば今、「コミュニケーションロボットを置いて受付や接客に使いたい」とお客様よりご要望頂いたら、
音声聞き取りは(状況によっては動きすら)入れないように提案します。

雑音による誤認識や、会話にかかる時間(による利用者の拘束時間)の問題があるため、
聞き取りを除いた(ロボットからの)発話や、動作、接続した情報端末でコミュニケーションを実現します。

そうなると(人型)ロボットの必要あるのか?と思われるでしょう。
その通り、と私は思っております。

あくまで個人的な見解ですが、工業ロボットや、車の様なタイプのロボットでは無く、
「人型」のコミュニケーションロボットは、これでなければ出来ない事は正直無いと思っています。

それでも「人型」、又は人に見える(思える)ロボットである事は重要だと考えています。
コミュニケーションロボットは、何かを代替するのでは無く、見た目も含めて「ロボットである」事を付加する存在だと思います。

コミュニケーションロボットの未来

さて、コミュニケーションロボットの今後ですが、
参考記事によると、現在は国内で30万台程度なのが、2030年には国内で900万台まで広がると予測されているそうです。

 

10年かかるとはいえ、現在とは比べ物にならない程の数ですね。
技術革新だけでなく、ロボットを利用する必要に迫られる、といった要因があるのかもしれません。

2030年の日本人口がどれくらいか分かりませんが、一家に一台はあるのでは無いでしょうか。
未来の子供達にとっては、ロボットが家族の一員として存在している事が当たり前の世界になると面白いですね。

夢のある話で、とても楽しみです。
10年後の自分はあんまり考えたくないですけど。

目新しさだけのブームが終わって、ロボットの存在が当たり前という社会になった事で、
具体的な活用方法が見えてきたのかなと感じます。

記事にもありますが、AIを活用した音声認識技術の向上や、5Gによる通信速度の超高速化により、会話によるコミュニケーションも実用レベルになるのでは。

会話がスムーズに出来るようになれば、ロボットとの距離感がぐっと縮まり、愛着が強まりますね。

まだまだコミュニケーションロボットの未来は明るいようです。

未来を想い

久しぶりにコミュニケーションロボットについて調べてみました。
世の中はどんどん変化しているようです。

 

よく言われる事ですが、スマートフォンだって昔は想像すらされていなかった物がここまで普及しているわけですから、ロボットだって数年後には当たり前に横にいる時代が来ても不思議ではありません。

個人的には、コミュニケーションロボットの普及は、必要に迫られてでは無く、
皆さんが興味を持って好きになってくれたから、となると良いなと思っています。

これからのコミュニケーションロボットを楽しみにしましょう。