こんにちは。
ビジネスイノベーションセンター川崎です。
「ゴールは何?」
そう言われたこと、ありませんか。もちろん私はたくさんあります。
私は、クレスコも会員になっているスマートエスイーコンソーシアムが主催する「DX時代のビジネス戦略・要求調査研究WG」に参加しています。そこで学んだ手法の一つが「GQM+Strategies」です。
本日は、「GQM+Strategies」の概要を説明した上で、身近な例(実話)を題材にちょっと変わった使い方を紹介します。詳しく知りたくなった方はぜひ、後述する参考サイトをご覧ください。
「GQM(Goal , Question, Metric)+Strategies」は、経営方針・事業方針に合ったシステムを開発するための手法です。
ドイツのフラウンホーファー研究機構のIESEにて開発され、日本では情報処理推進機構(IPA)がIESEと共同で国内企業数社に試験導入を行いました。現在は、早稲田大学ゴール指向研究会が中心となり普及・活用を推進しています。私が参加している前述のWGは、このゴール指向研究会の皆さんを中心に活動しています。
以下3項目の整合性を確保することができます。
- 目標(企業・組織の経営レベル)
- 戦略(目標達成の戦略)
- 個別施策(実務レベル)
「GQM+Strategiesグリッド」は、各組織をつなぐ組織目標(Goal)と戦略(Strategies)を木構造で表現したものです。

このように、経営レベルの目標と下位戦略、個別施策が上から下まで全て繋がり、整合性が確保されていることを一目で確認できます。
これにより、経営戦略に合わない残念なシステムは生まれない、というのが基本的な考え方です。
さて、このようにGQM+Strategiesは、企業・組織の活動をより円滑に遂行する事に役立ちます。
枠組みが大きすぎてあまり自分には関係ないと感じた方も多いかと思います。
しかしながら、身近な小さな組織にあてはめることもできるのではないでしょうか。
あるとき私は、トラブルの再発防止策として「設計書の見直し作業」をしていました。(実話です。)
実機の設定値と設計書を突合していく途方もない作業…
「なぜこんなことを毎日しているんだろう…」モチベーションが上がりません。
そんなときチームの上位目標と全ての下位戦略・個別施策がつながっていることがわかったとしたら、どうでしょうか。
「設計書の見直し作業」にフォーカスしたGQM+Strategiesグリッドを簡易的にですが作ってみました。あくまでイメージなので、全体的に強引ですし対象部分以外は空欄です。ご容赦ください。

ポイントは、以下2点です。
- 目標(ゴール)はできる限り定量的であること
- 上から下まで整合性が確保されていること(下位目標を達成すれば上位目標は必ず達成できるように書く必要がある。)
さて、私の作業「設計書の見直し」が一番下に登場しています!
個別施策から上位目標までが木構造で表現されていることによって、私の作業がチーム全体のためになっていたことが一目瞭然です。
当時を振り返ると、私は一つ上のゴール「G8:設計書誤りが原因のトラブル件数削減」くらいまでしか見えていなかったように思います。
なぜ、設計書の見直し作業をするのか?
「設計書に間違いが多いから仕方なく…」ではなくて、
「チームの目標達成のために。」
そう心から思えたら、作業の精度もモチベーションも少しは上がる、かもしれません。
身近な例(システム開発チーム)にGQM+Strategiesの考え方をあてはめた場合には、以下のメリットがあると感じました。
- チーム力の強化
- モチベーション向上
- 目的意識が芽生え、自発的な行動につながる
「目的意識を持ちましょう」とはよく言われてきたものですが(いまでもですが)、それは「上司の指示だけを見るのではなく、上位目標・上位戦略まで意識しましょう」と言い換えられるかもしれません。
一方、メンバーレベルには上位目標(利益向上のKPIなど)を見せる事はタブーという雰囲気もあるように思います。どんどんメンバーにも見せていった方が良いんじゃないかと思いました。
「ゴールはなにか?」「目的意識を持つ」そんな言葉にお悩みの方は、一度身近な組織・チームのGQM+Strategiesグリッドを作ってみてはいかがでしょうか。