技術研究所の (あ) です。
今時のプレゼンで、デモビデオって重要ですよね。
実機でのデモが見せられなかったとしても、たとえば
「スマホを使ってこういうことができます!」
という様子を映像で見せられれば、解りやすくなり説得力も増します。

 

素材はスマホやデジカメで撮れるとして、
必要な部分を切り出したりつなげたり、とか、
タイトルや簡単な説明を入れたり、くらいのことはしたくなりますし、
それだけで見栄えもだいぶ増します。

「でも、自分のパソコンに動画編集アプリとか入ってないし…」
(あれ、前回と同じような展開が…^^;)
「…大丈夫、PowerPoint があればなんとかなります!!
(やっぱりこうなる^^;;;)

ということで、今回はパワポで動画を編集してみます。
今回も PowerPoint 2010 での編集例です。

基本的な機能

PowerPoint のスライドに動画を貼り込めるのはみなさんご存知ですよね ([挿入]→「メディア」のあたり)。
貼り込んだ動画は、大きさを変えたり回転させたり、編集がいろいろとできます。
下図のように斜めにしても ok ですし、スライドからはみ出させて配置すると、
当然、スライドのサイズに収まった部分だけが再生されます。
再生時の音量は[音量]や動画オブジェクトに付随したメディアバーのスピーカーの
アイコンのところから設定できます。ミュートもできます。

そして、[ファイル]のメニューの[保存と送信]
(PowerPoint 2013 などでは「エクスポート」) を選ぶと、「ビデオの作成」という項目があります。
これは、スライドを (アニメーションなども含め) 自動的に送っていった様子を動画にしてくれる、という便利機能です。
出力できる形式や大きさは限られますが、ちょっとした説明動画などを作るのに役立ちます。
この組み合わせで簡単な動画編集が可能となります。
意外と高度なことも可能で、デジカメで縦位置で撮ったのに横長の動画になってしまったものを
回転させて縦長に、なんてこともできます。

カット編集

貼り込んだ動画を選択すると、上のメニューに「ビデオツール」の項目が現れます。
[書式] と [再生] がありますが、[再生] を選びリボンから[ビデオのトリミング] をクリックすると、

こんなウィンドウが現れ、どこからどこまでを再生するのかを変えることができます。
開始時刻と終了時刻しか設定できませんが、複数のスライドに同じ動画を貼り込んで、
別々の時刻を設定し自動連続再生させることで、カット編集ができます。
[画面切り替え]からエフェクトを設定することでカット切替時にエフェクトも掛けられます。
動画ファイルとして出力するとき以外に通常のプレゼンテーション中でも「画面切り替え」の設定で
自動的に次のスライドに移り、ビデオツールの[再生]の開始タイミングの設定と
組み合わせて自動連続再生させることが可能です。

.pptx ファイルを展開して確認したところ、同じ動画ファイルを複数のスライドに貼り込んだ場合、再生区間などがばらばらでも、内部的にはその動画は一つのファイルとして持っています。
安心して大量のスライドに分割して細かなカット編集ができます:-)。

展開してみてもう一つ気がつくのは、再生開始前の表示用と思しき画像ファイルが作られている、ということです。
あ、これを使うとたくさんの動画ファイルのサムネイル画像をお手軽に作る、
という応用もできますね (需要があるかどうかはさておき…)。
なお、いろいろ試しているときに一度、この画像が実際の再生区間とずれてしまって直らず、
再生時に一瞬その画像が見えてしまう、というトラブルが発生しました。
その後は再現していないので、どういう状況で起こるのかは判っていません。

文字などを入れる

貼り込んだ動画の上には文字などを重ねることができるので、
説明の文言や矢印などを入れたりすることも簡単です。
もちろん、アニメーションと組み合わせることもできます。
画面外にオブジェクトを置いて、反対側からのスライドインのアニメーションを付けることで、
スタッフロールのようなものも簡単にできます。
複雑なアニメーションをしたいときはうまくスライドを分けましょう。

ちなみに動画も、アニメーションウィンドウにリストアップされます。
再生開始を「クリック時」にしておくと
「開始のタイミング」というセクション(?)ができてそこに動画のファイル名などが出てきます。
で、ここのあたりの挙動がちょっと謎なのですが、
再生開始を「自動」に設定しておくと、それに加えて通常のリストのところにも表示されます。
[アニメーション]のメニューから操作すると「開始のタイミング」のセクションが消えます。
うーん、よく判らない…。

いろいろ試してみたところでは、動画編集目的のときは、
「開始のタイミング」のほうを削除しておいたほうが面倒がないっぽいです。

ビデオの作成、の前に

動画ファイルを貼り込んである場合、そのファイルが wmv 以外の形式だと、ビデオの作成の前に形式を変換してやる必要があります。
変換が必要なものがある場合は、[ファイル]メニューの情報を選ぶと「メディアの互換性の最適化」の項目が現れているので、これを選択します。

編集が完成した後は、同じ画面の「メディアの圧縮」を選ぶと、内部の動画ファイルを再生される部分だけに縮める、分割されるなどの変換が行われます。ファイルサイズを小さくしたい場合などに使えます。

ビデオの作成

ビデオの作成時には、解像度 (三段階、PowerPoint のバージョンによってサイズが違うようです (レジストリで書き換えられるらしいです))
と各スライドの所要時間 (表示時間) が選べます
(「タイミングとナレーション」を記録してそれを使うこともできるのですが、まだ試したことがないのでそれに関してはまたの機会に…)。
表示時間は、各スライドの動画の時間より短くしておかないと、停止後間が空いてしまいます。
個別のスライドについては[画面切り替え]の設定でも調整できます。

出力ファイルの形式は wmv のみ、です。
出力には時間が掛かりますが、気長に待ちましょう。

ということで最後に↓今回の作例です。
ここに載せるにあたって別のアプリで形式を変換した、というオチがつきますw。

tornado1mini (←ブラウザ上でうまく再生できない場合はダウンロードしてご覧ください…)

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