国際学会に論文を投稿しました

こんにちは、技術研究所の山﨑です。

先日、国際学会(ICPR2020)に論文を投稿しましたので、その経験を書きたいと思います。論文の内容は、機械学習を用いた医用画像の解析です。
遥か昔(20年位前)に、学生の頃1度だけ学会の国際セッションに投稿したことがありますが、その時どう作成したかほぼ記憶にありません。。。表題さえ、なんだったかな?。。。(本当に投稿していたかも怪しくなり、ネットで調べてみたら出てきました。)といった具合でしたので、ほぼ初めて書くような感じです。

今回は、大まかに以下の順序で作成していきました。

  1. まず日本語で作成
  2. 日本語のものをとりあえず英語に変換
  3. 日本語・英語共に論文の査読経験豊富な先輩に、英文をチェックしてもらう
  4. 学術論文の英文校正サービスにチェックを依頼

それぞれのステップについて、もう少々詳しく書いてみます。

まず日本語で作成

いきなり英語で書けるわけもなく、とりあえず日本語で論文を出すつもりで書き始めました。締め切りまでそれほど時間がなかったのですが、書きたいことに対する検証実験は行っており、結果もあったので、とにかく以下のような構成にしてそれぞれのセクションに文章を埋めていきました。

  1. アブストラクト
  2. 序章
  3. 関連研究・先行事例
  4. 今回の提案手法
  5. 検証実験
  6. 考察
  7. まとめ

先輩にチェックしてもらいつつ、構成を直したり、必要に応じて追加で検証し結果画像の挿入など行いました。
また、自分の提案を差別化して利点をより明確化するため、同じような研究をしている論文を探して、関連研究として載せるということもしました。

日本語のものを英語に変換

日本語で論文を作成したのち、翻訳のWebサービス「Google翻訳」や「DeepL翻訳」なども利用しながら、英語化し始めました。その作業で気になった点を挙げてみます。

ペンのアイコン 1つ1つの文章が長い

一文一文英訳して行ったのですが、どうも私のそもそもの日本語の一文が長すぎて、翻訳ツールは英訳してくれるのですが、それが読みにくく、「あの動詞はどれに掛かっているの?」と混乱することがしばしばありました。さらに、その英訳をさらに翻訳ツールで日本語にしたら、エライことになっているということもありました。
そこで、長い文章を意味を変えないように短い文章に分けて翻訳するように進めました。
文章は短く、だれが読んでも同じ意味にとれるように書くことが重要です。

ペンのアイコン 受動態が多い

英訳を行っている際、やたらと受動態の文章になっていることに気づきました。これでいいのかなと思いながらも、まずは英語にせねばということで進めていきました。(後に指摘される。)
どうやら、一般的に日本語は主語を省略する傾向にあり、その結果、日本語的な思考で英語にしようとすると、目的語が先頭になり受動態の文章になってしまうということのようです。
また英語では、無生物主語+動詞という形の文章でも違和感がない場合も多く(たしかに、電車のアナウンスで ”The doors on the right side will open.” は、”~ will be opened.” とはなってないですね。)、能動態のままですっきり伝わるようですが、日本語的に考えると無生物主語の場合、受動態にしがちなようで、まさに私がそれでした。。

ペンのアイコン 同じ単語が多い

日本語で作成した文章において、例えば「したがって」とか「それゆえ」と書いた部分がありますが、それらの多くを「Therefore」と英訳し、そこら中に「Therefore」がある文章となってしまいました。
そこで、Webサービス「Grammarly」という英文添削ツールの無料版を使ってみました。無料版は基本的な文法チェックとスペルチェックなど機能が限られていますが、無料版でも単語をダブルクリックするとその単語の類義語を提示してくれる機能があり、それを利用してあまり同じ単語を連続して使わないように修正していきました。

とりあえず、なんとか英語にして、先輩に見てもらいました。

査読経験豊富な先輩に、英文をチェックしてもらう

はっきり言って、全体的にかなり修正していただきました。

不要な形容詞というか、無くても言いたいことが伝わる文章の場合、その無くてもよい部分を削除したり、全体的に言いたいことがすっきり伝わる文章に修正くださいました。
また、英語・日本語に限らず、私の論文はどうも作業報告的な内容になってしまうところがあり、言いたいことがボヤっとなってしまいます。特に英語だと言いたいことがはっきりするような書き方が求められます。ネット上にも「英語での論文の書き方」的なページがありますが、読んでなるほどと思いながら、「こうすれば良い」と書かれていてもすぐにできるというものでもなく・・・。英語論文をたくさん読んだり書いたりする経験が必要だと痛感し、今回は先輩におんぶに抱っこの勢いで甘えました。

学術論文の英文校正サービスにチェックを依頼

英文校正サービスは検索するといくつも出てきますが、どこが良いか全く知らなかったので先輩から紹介してもらったサービスを利用しました。そこのサービスは、論文全体の単語数や完成までの時間によって費用が異なり、今回の私の論文の場合3300単語弱で、3日(72時間)で完成するコースを選択したところ、21,000円ちょいでした。最速9時間で完成するコースもありましたが、その場合60,000円弱かかるようでした。

3日で完成するコースでしたが、実際は2日半ほどで校正したものが送られてきました。
先輩にがっつり直してもらったおかげで、校正サービス担当者からのコメントに「全体的に専門的に書かれていて、様々な側面をうまく表現している。」と書かれていました😊
また、私が気にしていた「受動態の文章ばかりになっている」という点についても指摘があり、「文法的には、どちらが正しいということはありませんが、一般的には能動態の方がより明確に理解され、受動態を使いすぎると意味が不明瞭になります。また、能動態は通常、1~2語だけ短くなり、これは長さ制限の助けにもなりますし、一般的にはジャーナルで好まれます。そのため、適切と思われるところでは、文章を能動態に変更しています。」とのことでした。
さらに表面的な英語表現だけでなく内容にも踏み込んで、「この部分は分からないので、説明できるようであれば文章を追記ください。」など細かく見てくれていました。おかげで、言いたいことが第三者にも伝わっていると分かり、安心しました。


指摘いただいたところを加筆・修正し、最終的に図のレイアウトなど今回提出する学会のルールに合うように整えて、論文を提出しました。結局、締め切り日当日の提出となりました。。(実際の締め切り日時はヨーロッパ時間だったので、前日提出でした。)
結果は2か月後くらいかと思われますが、Acceptされるといいな。。

 

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