2020年3月、経産省から下記の様な調査研究結果が公開されました。皆さんご覧になったでしょうか?
我がEXDCでも、サービスデザインは注力事業の一つです。ただ、やはりお客様や社内案件への適用において、
・サービスデザインってそもそも何?
・どうしてそれが必要なの?
・それってどんな効果あるの?
この3点セットは必ずご説明しなくてはいけない重要ポイントとなります。
この資料においても、内容は調査結果報告という形を取っていますが、やはりこの3点セットについては、きちんと押さえられています。
そういう意味では、日本にはもっと「サービスデザイン」の導入が必要だ!という経済産業省からのメッセージ、とも受け取れます。我々事業者にとっても心強い後ろ盾となり、非常に有難いことですね。
でもこの調査報告、詳細版に至っては126ページの大作です。
ただでさえ解釈によって様々な意味のある「デザイン」という言葉。
これまでも私たちは、デザイン思考、デザイン経営、ユーザーエクスペリエンスデザインなど、「デザインにまつわる言葉の意味」を追いかけて、結構な時間を費やしてきました。
でも、そんな時間はもったいない!
サービスデザインの意味を時間をかけて知るより、いかにビジネスに活かすか、そちらの話にフォーカスすべき時が来ています。
・・ということで、このブログでは、この資料の内容を皆さんにご紹介する事で、サービスデザインへの理解を深めるとともに、その導入・活用方法、ひいてはクレスコとしてもどう活用出来るのか、という所まで掘り下げられれば、と思います。
まずは手始めに第1回にとして、この資料に書かれている大前提を、ざっと解説したいと思います。
この調査は以下の様な目的で行われています。
- 国内外におけるサービスデザイン事例の調査・分析
- サービスデザインの効果的な導⼊及び実践の在り⽅の検討
- 上記2の⽅向性提⽰による、サービスイノベーションの促進
つまりこの調査報告資料は、すでに実践されているサービスデザイン事例を、テーマを決めて調べまくり、上手くいった点や反省点などを踏まえ、「どうやったらいいの?」まで落とし込んでくれた資料、という事ができます!
そして、どんなテーマで調査したか、というのが、以下の3つになります。
- 地域・ローカルビジネスの振興
- プロダクトとサービスの融合
- サービス産業の⽣産性向上
この3点は、以下の様な観点で選出されたもの。
⽇本の産業が抱える様々な課題や経済産業省の政策分野を踏まえ、サービスデザインの導⼊・実践による効果が特に期待されるテーマとして、 以下の3つを設定した。
サービスデザインといっても所詮は方法論なので、すべてのテーマで効果を発揮する万能選手というわけではありません。もちろん向き不向きがあるはず。
その上で、もっとも効果が出そうなのが、前述の3テーマ、という事になりますが、経産省によるこの判断、個人的にはかなり気になります。なぜこのテーマなんでしょう?理由が解る方、ぜひ教えてください。
本資料においては、「新規事業の創出」と「既存事業の改善」で、サービスデザインが効果を発揮した事例がたくさん掲載されています。
つまりサービスデザインとは、思い付きの新規アイデアや、独りよがりの改善案ではなく、「体験価値や持続性をきちんと考えられた新しいサービス作りや既存の事業改善のやり方」、ということを言いたいのだと思います。
でも、新規事業の創出に、「やり方」があるの?
そういうのって、頭のいい人じゃないと思いつかないものじゃない?
自分たちにも出来る、「やり方」があるなら知りたい!
そんな風に思いませんか?
もしそうなら、「サービスデザイン」を、ぜひ習得しませんか?
ビジネスでサービスデザインが求められる背景として、資料では「3つのトレンド」で説明されています。まさに今、日本企業に求められている知識だ、ということを身をもって感じられるのではないでしょうか。
経済のトレンド 『付加価値としてのサービス』
経済や産業の成熟によって、モノによる付加価値では差別化が難しくなっている
社会のトレンド 『顧客の期待の⾼まり』
社会や市場にあふれるモノ・情報によって、消費者の期待⽔準が⾼まっている
技術のトレンド『デジタル技術の発展とサービスの変化』
デジタル技術によってさまざまな連携や効率化が可能となり、これまでの市場の⼒学が崩れている
なんだかすごいぞ、「サービスデザイン」!
これを踏まえて次回から、
サービスデザインって何がいいの?
サービスデザインってどうやってやるの?
自社で活用するには?
などについて、引き続き考えていきたいと思います。