この記事は『CRESCO Advent Calendar 2020』10日目の記事です。
こんにちは。EXDCのabです。久しぶりの投稿となりました。
今回は、業務ではあまり触れる機会がないユーザー調査について調べてみました。
ほぼ初心者の私が調べたものなので、基本的な事が知りたい方に向けた記事になります。
(間違いなどありましたらご指摘いただけると助かります…!)
ユーザー調査とは、ユーザーを理解するためのアプローチになります。
UXデザインにおいては、単にユーザーの「声」だけを聞くのではなく、そこからユーザーの「体験」も分析することで、ユーザー自身が気づいていない本質的なニーズについても把握することが必要になってきます。
その手法はたくさんあるのですが、何をどうやって選べばよいのでしょう・・?
例えば、「現在、提供している製品やサービスに関する満足度を知りたい」場合には、アンケートを使った満足度調査やアクセスログを解析することでユーザーにとって顕在的な満足度を理解することが可能です。
しかし、「新しい製品やサービスを開発するためのヒントを得たい」場合には、上記と同じ調査をどれだけ行っても、得たい情報は得られないですよね。。
まずはユーザー調査にはどのような種類があるのか調べてみました。
収集するデータの性質で定量的調査と定性的調査の2つに分類することができます。
人数や割合、傾向値などの明確な「数値や量」で集計・分析する調査方法です。
代表的な手法にアンケート調査があります。例えば公的機関が実施する「世論調査」がこれにあたります。二千人ほどのデータから、国民全体の傾向を統計的に推定します。
個人による発言や行動など、数や割合では表現できないデータを扱う調査方法です。代表的な手法にインタビューや観察法などがあります。こちらは、定量的調査とは違って統計的な精度は求めないので、多数の人の情報が必ずしも必要ではなく、たとえ1つしか事例がなくても、そこから深い洞察が得られるのであれば価値があります。
さらには目的によっても、2つに分類することができます。
すでにある仮説や実施済みの施策について評価・検証することを目的とした調査です。ユーザーは、原則として事前に定義した質問と選択肢により回答します。
新たに需要や要望を発見することを目的とした調査で、ユーザーのやニーズを探るために行なう調査です。
まとめると、、こんな感じでしょうか。
何の目的で、ユーザーの何を理解するのか?を考えれば適切な手法を選ぶことができそうですね!
冒頭でも述べましたが、UXデザインにおける調査では新しい気づきやユーザーの体験価値、本質的なニーズの仮説を得るために行うことが目的なので、主に定性的調査法が用いられます。しかし、定量的調査を使ってはいけないという訳ではもちろんありません。
実際にはこれらを組み合わせて調査することで、より深くユーザーを理解していくことがで、うまく使い分けるのがポイントとなります。
そして調査した後は、ユーザーを正しく理解するための分析が必要です。
(分析については長くなりそうなので、また機会がありましたら別記事にて紹介したいと思います。)
さいごに、代表的な手法について簡単な説明付きで紹介して、この記事を終わりにしたいと思います。
「師匠と弟子」という人間関係モデルに基づいた手法で、対象者であるユーザーを「師匠」、インタビュアーは「弟子」にみたてて、ユーザー(師匠)が普段通りに製品を使いながらそれを説明し、インタビュアー(弟子)がその様子を観察して分からないことを質問していきます。
実際の現場で製品がどう使われているのか、対象者の普段の生活の中で一緒にそれを経験します。対象者の属するコミュニティに参与観察し、インタビューや文献調査を行います。
一般ユーザーの日常生活を「スナップ写真」を通して垣間見る方法で、ユーザーにテーマを与え、それに対して写真を添えた日記として記録をしてもらいます。より本質的な欲求を把握するために、可能であれば後日合わせてインタビューを実施できるとよいとされます。
ユーザーに実際の製品やサービスを利用してもらい、実行する過程のユーザーの行動を観察し課題や問題点を発見する手法です。もっと具体的に知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
ユーザビリティの専門家などが、その経験則(ヒューリスティックス)に基づいてユーザビリティを評価し、 UI 上の問題を発見する手法です。
共通した属性を有する対象者グループに対してテーマ出し(質問)し、自由に発言をしてもらう座談会形式のインタビュー法です。これに対して、被験者と1対1でインタビューを行うことをデプスインタビューとよび、大人数で話しにくい(考え方やその背景が個々に異なる)案件や個人属性を深掘りしたい案件に利用されます。
大量の文章(テキスト)データから知りたい情報や有益な情報を抽出する手法。対象となるデータは、ユーザーとの直接の会話はもちろん、インターネット上の口コミやSNSなどの書き込みなど多岐に渡ります。
ユーザーの視線の動きを追跡・分析する手法です。実際にどこを見ているのか正確に把握できるので、例えばWebサイトのデザイン上の評価要素の把握や、UIの設計、レイアウトの検証によく用いられます。
定量的調査の代表的な手法のひとつで、特定の属性をもつユーザーに対して、設問・選択肢に回答してもらいます。飲食店にあるアンケートハガキだったり、国勢調査などがそれにあたり、目にする機会はよくあると思います。
2パターン用意して、どちらがより効果の高い成果を出せるのかを検証する手法です。例えば、Webの広告バナーを作成する際、キャッチコピーだけを変更して、どちらか評判の良いものを採用する、などといった使われ方があります。