皆さんこんにちは!
ビジネスプラットフォームテクノロジーセンター(BPTC)のもっちーです。

 

半年ぶりのブログ投稿となりますが、今回UiPathの便利な機能を1つ皆さんに紹介します。

ピクチャインピクチャとは

今回紹介するのはUiPathのピクチャインピクチャ機能です。

RPAで自動化したロボットを動かすときは、普通はPCを専有して、その間は人間がPCを操作することができません。

ピクチャインピクチャの機能を使うと、ロボットが動いている間も、人間がPCを操作することが可能になります。

人間の操作とロボットの操作はそれぞれに独立した環境で動くため、お互いの操作に干渉せずに処理することができるようになります。

一般的にピクチャインピクチャとは、画面の隅などに小さい別の表示領域(小窓)を設け、メインの画面とは別の内容を表示させる表示方法です。

UiPathでは、ロボット実行領域用の小窓を設け、そこでロボットを実行することで、人の操作に影響させずにロボットを動作させます。

ピクチャインピクチャを使うためにはいくつか条件がありますので、そちらを確認していきます。

  • UiPathのバージョンがv2020.10以上であること
  • Windows10のエディションがHome以外(ProやEnterprise)であること
  • ピクチャインピクチャ機能の有効化にPCの管理者権限が必要(初回の1度のみ)

これらの条件が問題なければピクチャインピクチャを利用することができます。

それでは早速機能を試してみましょう。

ピクチャインピクチャを試してみる

まずは、ピクチャインピクチャで動かしたいロボットを作成します。

今回はブラウザでクレスコエンジニアブログにアクセスして、私が前回投稿した記事を開く処理を自動化してみます。

UiPath Studioで実装すると以下のようになります。

ロボットが完成したので、ピクチャインピクチャで動かしてみましょう。

Studio上部のタブからデバッグを選びます。

すると画面にピクチャインピクチャが表示されるので、そちらを選択した状態で実行をクリックします。

実行するとこのようなダイアログが表示されますので、「はい」を選択します。

ピクチャインピクチャ機能の有効化を行うためはPCの管理者権限が必要になりますので、注意してください。

ピクチャインピクチャ機能の有効化は初回の1度だけ行う手順となります。

機能を有効化すると、ピクチャインピクチャの小窓が立ち上がり、ロボットが実行されます。

続いては人間のPC操作に干渉しないかを確認してみます。

ブラウザでエンジニアブログを開いた状態でロボットを実行してみます。

すると、人間が操作するブラウザに干渉せずに、ロボットを実行することができました。

今度はUiPath Assistantからピクチャインピクチャでのロボット実行を確認してみます。

UiPath Assistantからピクチャインピクチャでのロボット実行する際の推奨される設定を、先ほど開発していたStudioに行っていきます。

プロジェクトパネルから歯車アイコンの「プロジェクト設定」をクリックします。

プロジェクト設定画面が表示されるので、全般を選び、「PiP対応確認済」と「PiPで開始」を「はい」に変更します。

「PiP対応確認済」はピクチャインピクチャでロボットをテストしている場合にチェックし、「PiPで開始」は作成したロボットについてUiPath Assistant上でピクチャインピクチャをデフォルト実行とする場合にチェックします。

設定が完了したらロボットをパブリッシュします。

パブリッシュしたらUiPath Assistantを起動し、該当のロボットを選択します。

すると「PiPで実行」の選択肢があるので、こちらをチェックされていることを確認して実行します。

そうすることで、ピクチャインピクチャでロボットが実行できます。

特定の処理だけピクチャインピクチャで実行

これまでロボットの全ての処理をピクチャインピクチャで実行しましたが、一部の処理だけピクチャインピクチャで実行する方法もありますので紹介します。

やり方は「ワークフローファイルを呼び出し」アクティビティで、ターゲットセッションをピクチャインピクチャに指定します。

先ほどのロボットを一部処理だけピクチャインピクチャで実行するように、修正してみましょう。

まずは、「エンジニアブログにアクセスして私の記事を開く」処理を、Main.xamlでなく別のxamlファイルに実装します。

ブラウザを開く処理を右クリックして、「ワークフローとして抽出」を選び、xamlファイル名を入力し、「作成」をクリックします。

そうすると、「エンジニアブログにアクセスして私の記事を開く」処理が別xamlファイルとして作成されます。

また、Main.xamlに先ほど作成したxamlファイルを呼び出す処理が追加されます。

ワークフローファイルを呼び出しアクティビティのプロパティを確認し、「ターゲットセッション」を「ピクチャインピクチャ」に、「分離」にチェックを付けます。

最後にメッセージボックスを追加して、実装完了です。

デバッグタブからピクチャインピクチャの選択を解除して、実行します。

実行するとエンジニアブログのアクセス処理がピクチャインピクチャで実行され、メッセージボックスがデスクトップ(メインのセッション)に表示されました。

この様に設定することで、特定の処理だけピクチャインピクチャで実行することができました。

まとめ

今回はUiPathのピクチャインピクチャの機能を使った自動化ロボットを作成してみました。

人間とロボットでお互いに干渉せずにPC操作ができるので、様々な活用ができそうな機能だと感じました。

ピクチャインピクチャを使うことで、ロボット専用にPCを準備しなくてもロボットを実行する環境を構築でき、自分のPCで動かしたいタイミングにロボットを動かして結果を得ることができますね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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