伝わる文章を書きたい! 注意すべき5つの視点

この記事は『CRESCO Advent Calendar 2021』 21日目の記事です。

みなさま、こんにちは!EXDC金井です。
私たちの部門では、HCD(人間中心設計)という考え方をベースに、デザイン業務を行っております。

UIデザインを通して、ボタンやメニューの文言を考えたり、仕様書や提案書でチームの合意を形成したり。自分の考えを端的にまとめ、人に伝えるための文章を書く機会が、本当に多い職種だと実感しています。

HCDは、「使う人の視点」でモノを作る、という思想ですが、これは「文章」にももちろん当てはまります。
そんな中、最近ではUXライティングという言葉をよく見かけるようになりました。

ただ、何冊かUXライティングの関連書も読んではみたものの、「読む人にとって分かりやすい文章を書く」というシンプルな目標が、いかに難しいことか。
ましてやこのコロナ禍において対面でのやりとりが減り、伝わる文章を書けるというスキルは、どんどん重要になってくるのでは。

そこで今回は、伝わる文章の書き方について、自分なりにまとめてみたいと思います!

正しいだけではダメ!? 文章力の奥深さ

一見、伝わらない文章とは、自分視点で何も考えずに作られたもの、と捉えがちですが、いやいや、そんな単純な話ではないのです。
奥が深い、深すぎる。それが「言葉」の世界です。

私が文章を奧深いと思う理由は、「正しく書く = 伝わる」ではないところ!
特にお客様に機能を伝えるなんていう時は、誤解を招かないよう慎重になりますよね。

ですが、文章が解りづらくなってしまう原因の一つに「事実に違わぬように書く」事を意識しすぎて詰め込み過ぎてしまう、という事があるそうです。
どんなに正しくても、伝わらなくては意味がない。であれば、何に注意すればよいのでしょう?

まずは基本の1,2,3

今回、このブログを書くにあたり、4冊ほど本を参考にしました。
結果、どの本にも共通で書かれていたことが、この二つ。

  1. 一文一義
  2. 一文50文字以内

やはり、長い文章は伝わりづらいんですよね。そして、ついつい長くなってしまいがちなんですよね。
特に今はモバイル時代。小さな画面で伝わる表現を考えなければいけません。
なのでまずは、一文には一つだけ、言いたい事を入れる。そして出来るだけ短く書く!そこにこそ頭を使う、と心得ましょう。

次に多かったのが、

  1. 重要な内容から書く

そう、順番、重要ですよね。

「で?結論は?」と言われた事、ありませんか?私はあります!笑
普段の生活の中でも、メールや手紙なんかで最後まで読まないと何を言いたいのか解らない文章ってありますよね。

例えば
「袋から取り出す時、熱くなっていることがあるので注意してください。」

・・という事を伝えたいとき、
「袋から取り出してください。」の後に、「熱くなっていることがあります」と書いてあったら・・!

資料を読む側は、結局何がいいの?結果どうなるの?どうしたらいいの?と、結論が知りたい事が多いですよね。
細かい説明に入る前に、全体→部分、重要→仔細という順で記載するのがよさそうです。

4.翻訳しやすく書く

大原則を3つ押さえたところで、自分の書いた文章のチェック方法にもなる観点を一つ紹介します。
それが、英語に翻訳しやすく書く、という事。

このご時世、多言語化が必要だからという事でも使えそうですが、ここではチェック観点としての紹介です。
つまり、上手く翻訳できない日本語は「複雑さ」や「曖昧さ」を含んでいる、という意味です。

翻訳しづらい、とはどういう事でしょうか。
例えば、「はが」構文というものがあります。

「私は」や「あなたが」など、「は」や「が」は主語を表しますが、一つの文中に「は」と「が」が混じると、翻訳マシンは、どちらが主語??と混乱するようです。

例)犬は人が好きな動物です

あれ?犬が人を好きなのか、人が犬を好きなのか。。確かにどちらとも取れますね!

これに限らず、色々な意味に取れる書き方は、人も機械も混乱させます。
例えば以下の文章はどんな意味でしょう?

例)山田さんの本は解りやすい

山田さんの持っている本、山田さんが書いた本、山田さんについて書かれた本・・おお、日本語って難しい。。

「主語や目的語の省略」も、想像をかきたててしまいます。
日本語では、みんなが解り切っていることはあえて書かず、冗長にならないために省略します。
ですが、実は書いている本人しか意味が理解できていなかった、なんてこと、ありませんか?

例)
×動き始めたら、ビデオを回してください。

〇あの人が動き始めたら、ビデオを回してください。

また、文章を分かりやすくするため、「パラレリズム」を意識する、というテクニックがあります。
パラレリズムとは、同じ階層にある文節に、同じ用語や文法表現を使うことを意味します。

例)
×人間は、赤い部屋では実際の室温より高く、青はより低く感じられる
〇人間は、赤い部屋では実際の室温より高く感じ、青い部屋では、実際の温度より低く感じる

ほう、確かに同じ意味の文章ですが、パラレリズムを意識すると、文章の前半と後半で同じことを言っている感じは出ますね。
文章のリズムもあるので絶対ではありませんが、違う表現を使うとそこに意図があるのか?と考えなければならなくなります。
そう考えると、機械や外国の方には優しいですね。ルールがシンプルです。

5.事実に基づいて書く

文章を分かりやすくする観点を、もう一点。
よく説明文などを書く際の注意として、直示(ダイクシス)を使わない、というものがあるそうです。
直示とは、会話の文脈で決定される用語や表現のこと。
例えば上下や左右は、それが誰の視点で見るか、で変わってしまいます。

例)
×機器の右側にボタンがあります。
〇機器の電源側にボタンがあります。

視点によって変わってしまうものより、事実に基づいて説明するとよい、ということですね。
この表現はアクセシビリティ的にも有効です。
目が見えないなど、画面の構造が解らないユーザーに対しても優しい表現にしたいですよね。

また、文章が伝わらない原因に、専門用語や難解な単語を使っている、という観点もあります。
専門用語が解りやすいと感じる方がいる一方、そもそも「目では認知しているのに、その存在に気づけない」というケースは、その単語が理解できない、という事が考えられます。B2BかB2Cでも、ユーザーに適した単語の難易度は違いそうです。

普段、ユーザーテストを行っている企業であれば、自分たちの意図がユーザーに伝わるか、きちんとテストしているかと思います。
ですが、もっともっと前のプロセス、そう、ユーザー調査の段階から、この「言語の理解度」を意識しているでしょうか?

「脳のしくみとユーザー体験」では、人間の認知のプロセスは6つに分けられ(シックス・マインド)、言語もその一つとして紹介されています。この本には、ユーザー調査を使って、ユーザーが普段使っている言葉や理解度を図る必要がある、と書かれています。

「ユーザーに伝わりやすい言葉」の選定が難しいのは、事実に基づいた文言検討になっていないからかもしれません。それであれば、作る前からきちんと調査する、という姿勢はとても重要です。

最後に

最後に、解りやすい文章を書くための鍛錬方法、について考えます。

まずは、だんだんよい文章にしていく、という考えを持つことが前提。
何でもそうですが、1回目から100点である必要はありませんよね。

ロジカルな文章構成が思いつかなくても、めちゃくちゃでも長くてもいいから、まずは書くと良いそうです。手を動かしていれば、解ることもある。なんてデザイン思考的。

文書を書くときに、テクニックとして短く書いたり、使う単語に気を付けたり、という事は重要です。
ですが、やはり最後は、どこまでユーザー視点に立って言葉を選べるか、という所に行きつきますよね。そして、その結果が正しいかは、ユーザーに聞いてみないと解りません。

なので、私たちが恐れずに出来ることは、色々な人に見てもらい、指摘をもらって、たくさん直して、アジャイル的によくしていくことなのでは、と考えます。

文章の達人の道は、一日にしてならず!
「正しく書く」という所から卒業して、今ユーザーにとって必要な情報は何なのか、そこを始点に、表現の引き出しを増やしていければと思います。

おまけ:今回参考にした本たち

日本語スタイルガイド(第3版)
技術者のためのテクニカルライティング入門講座
ビジネスマンのための新教養 UXライティング
UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方

 

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