こんにちは、クレスコの吉田です。

 

2021年10月に、UiPath Japan MVP2021に認定いただきました。2020年から2年連続の認定となります。最近は複数の企業でRPA推進事務局支援やDX人材育成支援に携わっております。一緒に働いてくれる仲間も随時募集中です。お気軽にお声がけください!

さて、2021年11月にUiPathプラットフォーム「UiPath 2021.10」が提供開始されました。

2021.10では、Linux環境でのUiPathロボットの実行が(一部)可能になったり、SaaSとして提供されていたUiPathプラットフォームをオンプレミスやプライベートクラウドで利用できるようにコンテナ化したAutomation Suiteなど、100を超える新機能・機能拡張が提供されました。

本記事では、まだ日本語情報がほとんどないUiPath Integration Serviceについてご紹介したいと思います。

UiPath Integration ServiceはiPaaSの1種であるため、まずはiPaaSについて説明します。

iPaaS(Integration Platform as a Service)とは

iPaaSとは、複数のシステムやアプリケーション間でのデータ連携を行うクラウドサービスです。RPAが主に画面操作によりデータの抽出や入力を行うのに対して、iPaaSは主にAPIを通じてデータの入出力を行います。

iPaaSの例として、Outlookで届いたメールをSlackに転送する、Salesforceに登録したデータをSAPに連携する、ユーザーからの問い合わせがあればServiceNowに起票する、などが挙げられます。

通常これらを自前で作ろうとすると、各システムが公開しているAPI仕様を読み込んで、その通りにプログラミングして処理を実装する必要がありますが、iPaaS製品によって事前に用意された連携部品を組み合わせることでノーコード、ローコードで一連の処理を自動化することができます。

iPaaS製品としてよく耳にするのは、IFTTTZapierWorkatoAnyflowDataSpider、そしてPower Automateです。

主題から外れるので各製品の紹介は割愛しますが、どれも楽しいので興味があれば触ってみてください。

さて、UiPath Integration Serviceに戻りましょう。

UiPath Integration Serviceとは

UI自動化を得意とするUiPathプラットフォームに、API自動化機能(iPaaS)が追加されました。
それがUiPath Integration Serviceです。

iPaaSにおける基本的な課題としては、APIが提供されておらず画面からしか取得や登録ができないデータがあった場合です。この場合はiPaaSでは対応できないことが多いです。RPAであれば画面操作ができるため、この点RPAが有利であると言われています。

一方で、RPAにて画面操作の自動化を行っている場合、UI変更によりロボットがエラーで止まってしまうことがあります。(特にSaaS製品はUI変更が頻繁に発生します)

APIは画面を介しないデータ入出力インターフェースのため、「APIが提供されていて利用可能なら、画面操作の代わりにAPIを利用するほうが安定する」という見方があります。

ここでUiPath社のUiPath Integration Serviceに関するプレスリリースをご紹介します。

新システムを旧来のシステムと共存させることは簡単ではなく、共存ができないことによる断片化は、生産性の向上ではなく、低下の要因を招きます。UiPath社は、新旧のシステムをシームレスに活用するための業界最高でエンタープライズレベルのUIおよびAPIの自動化機能を、RPAベンダーとして初めて単一のプラットフォームで提供します。(中略) 新旧両方のシステムの活用が必要な業務プロセスが多く存在しますが、開発者は、APIおよびUIオートメーションを使い分けることにより、迅速かつシームレスに自動化の開発が可能です。

通常iPaaSによるAPI自動化と画面操作を含むRPAを組み合わせる場合は、複数の製品またはソリューションの組み合わせが必要です。UiPath Integration Serviceでは、UiPath StudioからAPI自動化機能を呼び出すことができ、APIと画面操作の自動化を使い慣れたインターフェースでシンプルに使い分けることができます。つまり、

iPaaSの課題を画面操作自動化で補完し、同時にAPI自動化による安定的な自動化を単一のRPAプラットフォームで提供する」のがUiPath Integration Serviceの狙いだと思っています。

これにより、オンプレミスであったとしても、API提供されていなくても、クラウドサービスと基幹系システムといったシステム間の連携が強化されます。

合わせて、認証周りをIntegration Serviceが担うことで、個人・小規模業務におけるメールやコミュニケーションツール、クラウドファイル共有サービスをトリガーにした処理の自動化も扱いやすくなると考えています。

次回の記事ではUiPath Integration Serviceの活用方法を、画面を交えて説明していきたいと思います。