チームをより良くしようと日々活動されているみなさん、こんにちは。
ビジネスソリューション部のKJです。
突然ですが、みなさんは隣で働くチームメンバーのこと、どのくらい知っていますか?
隣で働く・・・と書きましたが、在宅ワークが主流となってきた昨今、物理的な距離は離れ、メンバー同士のコミュニケーションを難しく感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、プロジェクトの立ち上げ時や、要員交代により自分が新しいチームに参入することになった時、チームメンバーにどのような人がいて、誰にどんなスキルがあり、どんな経験をしてきたのかを直感的に共有することができたら便利だと思いませんか?
そんな魔法のようなツール・・・あるんです。
私のチームでは、「星取表」を導入したことでメンバーのスキルを可視化し、結果としてコミュニケーションを活発化させモチベーション向上にも繋がった事例がありますので、本記事にて紹介したいと思います。
チームメンバーのスキルを可視化した資料を「星取表」と呼んでいます。(「スキルマップ」、「スキルマトリックス」などと同義です。)
下表のように、縦軸に業務で必要なスキル、横軸にチームメンバーの名前を記載した表を作成し、
各々のスキルレベル(〇:できる、△:サポートがあればできる、×:できない、等)を記入していきます。
スキル項目 | 氏名 | |||
一条 | 二宮 | 三浦 | 四谷 | |
Java | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
JavaScript | 〇 | △ | △ | × |
HTML | 〇 | × | 〇 | 〇 |
CSS | 〇 | × | × | × |
表1.システム開発スキルを軸としたサンプル |
できあがった星取表は、メンバーの今後の目標や習得して欲しいスキル、チームとして補強すべき点などについての話し合いに利用します。
星取表作成にあたり、記入に関して簡単なルールを決めました。
・みんなで作成する表なので、スキル項目はメンバー誰もが自由に追加して良い
・委縮することなく素直に記載してほしいので、人事評価には利用しない
・熟考すると△に偏りそうなので、〇つけは直感で
・月次更新し、月初めのふりかえり会の場で共有する
インターネットで「星取表 システム開発」と検索すると、表1.システム開発スキルを軸としたサンプル のように開発言語やフレームワーク、ツールといった技術要素をスキル項目として挙げている例が多く見つかるかと思います。
もちろんそれも有効なのですが、私のチームでは、表1に加え、顧客固有の業務としての機能を洗い出した表2.機能を軸としたサンプル 、その他、工程別に必要となるスキルを洗い出した表3.工程別開発スキルを軸としたサンプル のように、合計3シートを作成しました。
あくまでも一例なので、スキル項目については自分達のチームにとって必要なスキルを洗い出し、自分達の星取表を作成していただければと思います。
スキル項目 | 氏名 | |||
一条 | 二宮 | 三浦 | 四谷 | |
ログイン機能 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
アカウント管理機能 | 〇 | △ | △ | × |
メインメニュー | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
履歴検索機能 | 〇 | × | × | × |
表2.機能を軸としたサンプル |
スキル項目 | 氏名 | |||
一条 | 二宮 | 三浦 | 四谷 | |
顧客調整 | 〇 | 〇 | × | △ |
見積り | 〇 | △ | △ | × |
テスト計画 | 〇 | △ | 〇 | × |
テスト仕様書作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
表3.工程別開発スキルを軸としたサンプル |
業務に必要なスキルを洗い出し、各々で〇つけ・・・どうでしょうか、すぐに始められそうに感じませんか。
でも、一度作って終わりでは残念ながら本当の効果は期待できません。
継続利用することで、成長を実感し、チームとしての一体感も生まれてきます。
私のチームでは星取表を月次更新して定期的にふりかえっていました。
毎月、第一営業日にリーダーから各メンバーへ更新依頼をリマインドしました。
それでも多忙により記載が間に合わないこともあります。
その場合は、ふりかえり会を実施する中でヒアリングしながらその場で更新をし、共有しました。
これにより、チームに星取表を導入して約一年が経過しますが、
現在も継続してチーム内コミュニケーションに利用することができています。
最後に、実際に星取表を利用しているチームメンバーの感想をご紹介します。
・機能に対して自分の理解がどこまで進んでいるか分かるのが良い
・チームとしての強み・弱みが把握できるので、今後どこを伸ばせば良いかが分かる
・月一の〇つけだけなので、(星取表を更新することに)負担は感じておらず、手軽である
・〇が増えていくのを目に見えて実感できることが嬉しい
・自分が不得意な分野について、〇がついているメンバーに確認することができる
・現状、チームを跨いでマージすることはしていなかったが、これを実施すればチーム横断的なヘルプができそう
・〇△×だけでは表現しづらい項目もあったので、スキルレベルをもう少し細かく定義してみても良いかも
・×を△に、△を〇にすることに意識が向かい、一度〇をつけたものについては放置気味だった
私のチームは星取表をまだ活用しきれているとは言い切れませんが、チームをより良くするため、
これからも自分達にあった活用方法をみんなで模索していきたいと思います。
みなさんのチームでも是非、ふりかえり会のお供に、星取表を使ってみてはいかがでしょうか。