こんにちは、ロボティックテクノロジーセンターの横田です。

今回はプロセスマイニングのツール紹介をしたいと思います。
プロセスマイニングについては、こちらを参照ください。

今回紹介するツールは、UiPathから提供されているUiPath Process Miningです!!
実は以前にも「UiPath Process Mining使ってみた vol2」という記事を書きました。
前回は用意されている環境を使用した分析方法をご紹介しましたが、今回は既に用意されているデータではなく、任意のデータをUiPath Process Miningに取り込んで業務の流れを可視化するところまで実施してみたいと思います。

1. データ取り込み

今回は購買業務のログデータを想定したCSVファイルを取り込んでみたいと思います。

今回使用するUiPath Process Miningのバージョンは2021.10です。
UiPath Process Miningへのデータ取り込みは、まず「Server data」というデータを管理している機能にファイルをアップロードします。

2. 分析用のダッシュボードにてデータ参照設定

次に分析用のダッシュボードを作成します。
UiPath Process Miningにはダッシュボード作成のテンプレートとして基本コネクタが用意されています。
このテンプレートを使用することでダッシュボード作成を容易に行うことが出来ます!
参考サイト:UiPath公式ドキュメント(基本コネクタについて)
今回は1つのCSVファイルをインプットファイルとして分析に使用するため、「BasicConnector -SingleFile」を使用します。
基本コネクタの使用方法としては、Workspacesにて「BasicConnector -SingleFile.mvp」をアップロードします。

以下のようにテンプレートを使用するとフォーマットが作成されているため、まず参照するファイルを変更します。

変更方法は、「Cases_events_input」をダブルクリックして編集画面を開きfilenameを変更します。
今回は、「Engineers Blog\PurchasingData.csv」に変更します。

その後、プロセスマイニングで分析する際に必須の3つの項目「Case ID」、「Activity」、「Event End」を設定します
1つ目は「Case ID」です。Case IDは処理開始時から終了時までのプロセスを一意に識別する値です。
今回は、「1. データ取り込み」でお見せしたCSVファイルの「案件ID」列になります。

2つ目は、「Activity」です。Activityはどのような業務作業が行われたのか判別する値です。
今回は、「1. データ取り込み」でお見せしたCSVファイルの「営業活動コード(テキスト)」列になります。

3つ目は「Event End」です。Event EndはActivityが実施された日時です。
今回は、「1. データ取り込み」でお見せしたCSVファイルの「実施日」列になります。

以上で分析用のダッシュボードで参照するデータ設定は完了です!

3. 分析用グラフの作成

分析を行うためのグラフとして、業務の流れを可視化するプロセスグラフを追加してみたいと思います。
追加方法は、「Dashbords」にて右クリックをして「Events_preprocessing」を選択することで追加することが出来ます。

プロセスグラフを追加したら、先ほど設定した3つの項目「Case ID」、「Activity」、「Event End」を設定します。
そうすることで、プロセスグラフに業務の流れが表示されます。

このプロセスグラフでは、業務の流れとしてどのようなフローがあったのかを可視化しています。
そのため、想定する正しい業務と比較して不要な作業を実施されていないか分析して業務の改善点を発見することが出来ます!
例えば、「見積依頼」の後に「見積回答」に変更されるのが正しいフローであると想定すると「見積不備返却」が行われて該当のフローの場合は正しい業務フローと比べて平均で3日間も想定よりも時間が掛かっているなどを可視化出来ます。

4. さいごに

今回は、UiPath Process Miningについて紹介しました。
今回実施した「データ取り込みから業務の流れを可視化」は、プロセスマイニングの環境が整っているのであれば30分ほどで実施することが出来ます。
このように業務の課題を発見することが出来るプロセスマイニング製品ですが、データさえあれば簡単に業務の流れを可視化することが出来ます。
また、UiPath Process Miningは他のUiPath製品との連携をすることも出来ます。
そのため、UiPath Process Miningで発見した課題に対して、UiPath Automation Hubでアイデアの管理を行い、UiPath Studioで自動化することも出来るかと思います。