この記事は『CRESCO Advent Calendar 2022』 10日目の記事です。

 

こんにちは。エクスペリエンスデザインセンター(EXDC)の三輪です。
私はクレスコのソリューションサイト(https://wakuwaku.cresco.co.jp)の運営を担当しています。
今回は、私がクレスコサイトのGA4(Google アナリティクス 4)移行で経験した、カスタムイベントの作成・計測方法をご紹介します。

目次

GA4のイベントの種類

GA4には以下の4種類のイベントがあります。

○ 自動的に収集されるイベント

  • 自動収集イベント
    GA4を導入した時点で自動的に収集が開始されるイベントです。
  • 拡張計測機能イベント
    GA4を導入しただけでは収集されませんが、GA4管理画面で拡張計測機能をオンにすると収集されるイベントです。

○ 収集するために実装が必要なイベント

  • 推奨イベント
    ログイン、購入、検索などGA4で事前に定義されたイベント名とパラメータ名を用いて実装するイベントです。その他にも業種ごとに設定が推奨されるイベントがGA4ヘルプに掲載されています。
  • カスタムイベント
    サイト特有のイベントを、自身で定義したイベント名とパラメータ名で収集することができます。

このなかでも “カスタムイベント” には、GA4の管理画面から設定できるイベントと、GTM(Google タグマネージャー)から設定する必要のあるイベントの2種類があります。

カスタムイベントを作成する

2種類のカスタムイベント作成方法をそれぞれ説明します。

① GA4の管理画面から設定するカスタムイベント

特定ページのページビューだけを計測するイベントなどはGA4の管理画面から設定が可能です。

※イベント名は日本語で設定すると一部機能が利用できない可能性があるため、半角英数字で設定します。
半角英数字の大文字と小文字は区別されます。(「click」と「Click」は別のイベントとされる)

(例:クレスコサイトのうち、エンジニアブログ配下のページビューだけを計測する場合)

【手順1】GA4管理画面の 設定>イベント>[イベントを作成]ボタンを押す

【手順2】右上の[作成]ボタンを押す

【手順3】イベントの設定を行い、右上の[作成]ボタンを押す

【手順4】イベントが設定されていることが確認できたら作成完了

② GTMから設定するカスタムイベント

サイト内クリックやフォーム送信などの計測はGTMでイベントを設定する必要があります。
また、GTMで設定したパラメータをGA4でも使用できるように、カスタムディメンションを作成します。

※イベント名とカスタムディメンション名は日本語で設定すると一部機能が利用できない可能性があるため、半角英数字で設定します。
半角英数字の大文字と小文字は区別されます。(「click」と「Click」は別のイベントとされる)

(例:サイト内クリックを計測。クリックされたリンクのテキストとURLをパラメータとして取得する場合)

【手順1】イベントを作成する
GTMでイベントを作成します。
タグの種類:Googleアナリティクス GA4イベント

【手順2】カスタムディメンションを作成する
(イベントパラメータが不要の場合はスキップしてOK)

カスタムディメンションはパラメータの数だけ作成します。
今回の例の場合は、click_textとclick_urlの2つ分を作成する必要があります。

※カスタムディメンションは一度作成すると、削除することができないため注意が必要です。

●手順2-1
GA4管理画面の 設定>カスタム定義>[カスタムディメンションを作成]ボタンを押す

●手順2-2
カスタムディメンションを設定して[保存]を押す
・ディメンション名:【手順1】で設定したパラメータ名
・範囲:イベント
・イベントパラメータ:【手順1】で設定したパラメータ名

※カスタムディメンションのイベントパラメータは、【手順1】で設定したパラメータ名と正確に一致している必要があります。

●手順2-3
カスタムディメンションが正しく設定できていることを確認できたら作成完了

作成したカスタムイベントを確認する

作成したカスタムイベントを確認してみます。

※変更の反映には最大24時間かかるため、イベントを作成した翌日以降に確認します。

■ GA4管理画面から確認

レポート>ライフサイクル>エンゲージメント>イベント にイベント名が表示されます。

パラメータは、イベント名がリンクになっている部分(上の画像の赤枠の部分)をクリックし、
表示されたページを下のほうまでスクロールすると、イベントに紐づくパラメータを確認することができます。

■ データポータルで確認

レポートに表を追加し、表のディメンションと指標を設定します。
・ディメンション:対象のパラメータ名(カスタムディメンション名)
・指標:イベント数

さらに、フィルターを設定して対象のイベントに絞り込みます。
[一致条件]「イベント名」/「次に等しい(=)」/ “対象のイベント名”

カスタムイベントとイベントパラメータを確認することができました。
(実際のイベント数はお見せすることができないためぼかし加工ですみません…)

イベントが測定できていない場合は・・・

イベントの計測が上手くいかない場合やカスタムディメンションが取れていない場合は、以下のような原因が考えられます。

  • イベントを設定してから24時間が経っていない
    GA4でカスタムイベントの設定が反映されるのは24時間以内です。
    そのため、設定後すぐにはイベントを確認することはできません。
    24時間が経過しても計測できていない場合は、他の原因が考えられます。以下の項目を確認してください。
     
  • イベントが発生していない
    イベントが発生していない場合は、レポートにイベントが表示されません。
    イベントの発生条件やIPアドレスの除外設定などをもう一度見直し、間違いなくイベントが発生していることを確認してください。
    また、過去にさかのぼって計測することはできないので、変更(イベントの作成)が反映された後にイベントを発生させる必要があります。
    GA4の管理画面やデータポータルでイベントの発生を確認できない場合は、レポートの期間設定も合わせて確認してください。
     
  • イベント名やパラメータ名、カスタムディメンション名の設定が誤っている
    イベント名やパラメータ名は正確に一致している必要があります。
    カスタムディメンションを作成するときに設定したイベントパラメータ名や、
    データポータルでイベント名のフィルターをかけるときに名称を間違えていませんか?
    また、GA4ではイベント名やパラメータ名の大文字と小文字を区別するため、大文字と小文字の違うだけでもイベントが正しく計測できません。(「click」と「Click」は別のイベントとされる)
     
  • GTMの設定が公開されていない
    これもうっかりやりがちです。
    GTMでカスタムイベントを作成している場合は、変更(タグの作成)が公開されているか確認しましょう。
     
  • データポータルで接続しているデータソースが更新されていない
    追加したカスタムディメンション(イベントパラメータ)がデータポータルで表示されない場合は、データポータルが接続しているデータソースが最新化されていない可能性があります。
    この場合はデータソースを接続しなおすことで解消されます。データソースの鉛筆マークを押して、表示された画面の左下にある[フィールドを更新]を押して再接続し、右上の[完了]ボタンを押す。

まとめ

今回は、GA4でカスタムイベントを作成・計測する方法をご紹介しました。
GA4は日々機能が更新されており、執筆時と最新の設定内容には差がある可能性もありますが、
少しでもGA4に悩める皆さまのお役に立てば幸いです。