この記事は『CRESCOAdventCalendar2022』13日目の記事です。
みなさま、こんにちは!EXDC金井です。もう2022年も終わりを迎えますね。。
最近、時の過ぎるのが早すぎて、今年って春とか夏とかあった?と記憶喪失気味です。あ、これが心理学で言う、親近効果っていうやつか!(ちがう)
これではいけない、という事で2022年、UXデザイン業界の動きはどうだったのか、振り返ってみる事にしました。
・・ということで、オーストラリアのUXコンサルティング会社、Youspiが発行している、UXトレンドレポートをもとに、2022年を見てみましょう!
まずこのレポートの前提ですが、サイトを訪れた人にアンケートを取る形式になっております。
今回はすでに公開されている2022年のレポートをご紹介するのですが、アンケートに回答した方の国籍は、オーストラリアを筆頭に様々、また、年齢は35~44才が4割ほど、男性と女性はほぼ半々。デザイン関連の会社で働いている人が75%、という事で、まさに今UX業界で働く人のリアルな声が集まっています。
では早速、2022年、UX業界の関係者たちが何をどう考えていたか、見てみましょう。
1位:プレディクティブUX 19.9%
2位:コラボレーション方法 11.8%
3位:エモーショナルデザイン & デバイスに依存しないUX & デザインオペレーション 10%
おお、いきなり知らない単語が・・。
プレディクティブ(predictive) とは「予測的な」という意味で、AIなどを使って様々な履歴データから将来のユーザー行動を予測し、推論を立ててUXを考えていくこと、だそうです。なるほど、ますます先端技術との掛け算が重要になって来ているんですね。
また、コラボレーション方法が2位に入っていますが、リモートワークが普及したことも一因かもしれません。Miroなどのオンラインコラボレーションツールも話題になった一年でしたね。
1位:行動科学 66.7%
2位:心理学 65.7%
3位:ビジネス戦略 59.7%
行動科学と言えば、最近保険会社のCMでも使われた「行動経済学」もその一部ですが、個人的にもおもしろい!と思っていた分野で、解るーー!という結果になりました。
このほか、マネジメント&リーダーシップが46.3%で、やっぱりビジネスと技術、デザインの3要素をまたぐUXデザインならではの結果かな、と思います。プログラミングは13%ほどで意外と低い数字。
1位:UX戦略 82%
2位:UXリサーチ 56.2%
3位:ビジネスデザイン 47.9%
どちらかというと頭を使って作戦を立てるエリアが人気、という結果に。リサーチは本当に需要が多くて人材が全然間に合っていないというニュース、最近よく聞きます。日本でもこれから大きな波がくる可能性大。
1位:ビックデータ&AI 69.2%
2位:サステナビリティ 52.6%
3位:エシカル(倫理的な)デザイン 50.2%
4位:アクセシビリティ 46.4%
今はまさにDXが話題ですが、それと同時によく話題にでるのが「倫理」というキーワードです。
特にまだ世の中にないものを作り出すことができる技術を扱うエンジニアたちは、技術力だけでなく、心や体、組織、社会環境に至るまで、広い視野でうまくデザインされたサービスを作りだす気持ちが求められます。今こそデザインマインドが重要視される時代。キーワードにも表れていますね。
1位:ヘルスケア 71.6%
2位:教育 59.7%
3位:EC 51.7%
クレスコでもAIによる医療現場の診断支援を行っていますが、やっぱりこの分野は今後どんどん技術的な要素を取り込み、飛躍的に発展していきますよね。UX大事です。上位は特にDX化が求められるB2C業界、という印象。コロナの影響で一気に加速した産業、とも言えそうです。
1位:ビックデータ&AI 26.55%
2位:サステナビリティ 18%
3位:VR/AR 14.2%
やっぱりここでもトレンドは先端技術。そこに「サステナビリティ」という概念がはさまれるのがUX的です。
2022年のレポートを振り返ると、先端技術を利用した、より良い進化を求められるキーワードが目立ちました。また、それと同時に倫理観や社会に対する責任を通して、人を思いやる心も重要視されているように思えます。
オンラインとオフラインの差がなくなり、マスより個人に焦点を当てたUXデザインがより求められるこの時代。これからますますテクノロジーやビジネスとの関係性が深まっていき、UXデザインも複雑性を増していきそうです。
そんな中、みなさんはこれからどんなスキルをつけて、どんな人になりたいですか?
最後に私が次の1年で取り組みたいことを考えてみました。
アナロジーとは「類推」のことで、アナロジー思考とは、ある物事の間にある共通点を見つけ出し、課題解決に応用する思考法のことです。
正解がないUXを考えていくことが増え、過去には答えがないことが増えてきました。まずは、UXデザイン検討のとっかかりをつかまないことには話が進まないのですが、ある業界やその周辺だけを見ていても、気が付かないことが増えるかもしれません。
全然違う業界や職種、考え方の中にこそ、ヒントがあることも。そこをもっと拾うためには、物事の抽象化とアナロジー思考が役に立つのでは、と思います。
コラボレーションツールがキーワードとして上がっていましたが、これからは一部の人間が価値の定義をして、その他の人間がそれを作る、という時代ではなくなってきます。多様な価値観を尊重しつつ、プロジェクトを前に進めていくため、合意形成にも何かコツがあるのではないか。色々な立場の色々な意見を、まとめあげるにはどうしたらよいのか。その1つの方法論としてファシリテーションに注目しています。
もう、これは永遠のテーマだと思うのですが、とにかく色々な「楽しい」「悲しい」を経験して、自分の中に感情をためていきたい。
年齢が上がっていくにつれて、若者の文化や感覚と離れていくかもしれない。国籍や性別の違いが、もっともっと複雑になるかもしれない。
でも、同じようには感じられないその気持ちも大切にしつつ、体験を一緒に共有できたら素敵です。
いったん自分の直感や感情を押さえて、他の人の感情に思いをはせ、なりきることができるか。
UXデザインをするにあたり、自分軸を持ちながらも、感情や行動範囲、道具、文化面で、いかにフラットでいられることが重要だと感じます。
流行りの言葉で言うと、2023年を「エモーショナル」な一年にすることが、なによりスキルアップにつながるのでは、と思います。
何事にもチャレンジ!の精神で、新しい体験をしていきたいと思います。