こんにちは。
AWSクラウド案件の対応に明け暮れているインフラエンジニアのENKです。
2022年12月02日にAWS認定12冠を達成しました。
最初に言っておきますが「資格取得マニア」ではありません(笑)。
本記事でお伝えしたいのは、現時点のAWS認定試験対策の決定版(自称)に関するノウハウです。
私はこれまでにAWS認定資格の取得や更新など含めて何度も経験しておりますが、本記事掲載の対策で失敗したことがありませんので、是非参考にしていただければと思います。
目次
昨今では出題傾向など含めた試験対策が確立されており、効率的に学びやすい情報が多く公開されています。そのため勉強時間の確保さえできれば誰にでも合格は可能だと考えています。今回はAWS認定12冠という一区切りの機会より、私なりに時間確保が難しい中で実践した効率的な資格取得順や勉強方法などを紹介したいと思います。
私の業務上の役割は AWSのプロフェッショナルとして、プリセールスおよび獲得した案件の技術など多岐に渡るものになります。これらの活動では、お客様や関連するメンバーのマネジメントやコミュニケーションスキルなども多く要求されますし、何より必要なのはお客様から信頼される技術力になります。そのため「技術力が不足している=仕事の成約/成功率が低くなる」ことに直結するので、自己研鑽を日々重ねることを課しており、その研鑽の結果が今回の12冠達成に繋がる事となりました。
また弊社の場合、受験費用を会社が支援してくれたりバウチャーチケットも使える場合があります。さらに udemy business を契約しているので無料利用できます。極めつけは合格時に資格レベルに応じた報奨金が出ます!といった色々と学ぶ環境は恵まれています。こういった環境が整っているのも自己研鑽継続のモチベーションに繋がりました(報奨金目当て…と言われても否定しません(笑))。
2018年までにProfessional(2種)まで認定取得していたのですが、2022年度になりAWSの技術進化から自身が遅れているなと思うことがあり、未取得の Specialty 試験を中心に取得活動を再開しました。自己研鑽が目的であれば Cloud Practitioner の認定は必要ないのですが、せっかくなので12冠達成してしまおうと思い立ち取得しています。
ちなみに、この期間には Azure 関連も3種ほど取得しており AzureのSolutions Architect 関する認定も今年度に全てを取得することを考えていました。しかしAWS認定試験を頑張ったおかげで若干息切れをしてしまっため来期に持ち越しとました。その結果は来年度の記事で報告できればと思います(GCPも取ってしまうかもと企んでいます)。
認定資格 | 取得日 | コメント |
2013/12/20 | Solutions Architect – Associate | 初めてのAWS認定資格 |
2016/07/23 | SysOps Administrator – Associate | |
2016/11/27 | Developer – Associate | |
2017/03/31 | Solutions Architect – Professional | 何回か惜敗・・・ |
2018/04/05 | DevOps Engineer – Professional | |
2022/06/10 | Azure Fundamentals | Azureを少し味見 |
2022/06/17 | Azure Administrator | Azureも面白そうだなと思い始める |
2022/07/08 | Advanced Networking – Specialty | |
2022/07/22 | Security – Specialty | |
2022/08/05 | Azure AI Fundamentals | SageMakerより便利かも? |
2022/08/05 | Cloud Practitioner | |
2022/08/23 | Database – Specialty | |
2022/09/09 | Data Analytics – Specialty | |
2022/09/30 | Machine Learning – Specialty | |
2022/12/02 | SAP on AWS – Specialty | 本年度の新試験! |
AWS初見の人も含めても以下の対策で十分であると考えています。極めてシンプルな対策ですが、各コンテンツが非常に優秀なのでおススメできる内容になりました。ちなみに試験対策本などの参考書も色々試しましたが、結果的に下表の4種の勉強方法が最効率でした。この勉強方法だとスマホなどで勉強が出来てしまうので、参考書のBOOK〇〇〇行きの処分も無くなります。
当対策も例に漏れず、良質の問題を多く解き、各設問の意味を理解していくこと重視した対策になりますが、これが至上の方法になりました。
基本AWS認定試験対策
# | 新規 | 更新 | コンテンツ | 学習のポイント | 備考 |
1 | 〇 | AWS Skill Builder | 以下の2コンテンツを用い、出題範囲とレベルを把握する ・Exam Readiness ・Practice Question |
模擬問題は本試験で出題されない | |
2 | 〇 | AWSサンプル問題 | 出題レベルの把握に用いる | 各試験毎に10問程度の提供 | |
3 | 〇 | 〇 | udemy | 該当試験の問題で正答率90%以上を目指し、設問解説を熟読して理解を深める | 同試験で複数コンテンツがある場合、会社に udemy business 利用をおねだり |
4 | 〇 | 〇 | TechStock|AWS WEB問題集で学習しよう | 該当試験の問題で正答率90%以上を目指し、設問解説を熟読して理解を深める | ・有料会員(4,480円~)で90日間利用 ・問題解説がudemyより優秀。 ・1~2割程度は本試験と同問題が出題される傾向 |
個別認定試験対策
SAP on AWS試験対策
SAP on AWSに関しては表の#3#4の問題集は現在ありません。私は以下の対策で合格できました。受験した印象は SAPがサポートするプロダクトの特性を考慮した移行方式に関する出題が多かったです。この辺を詳説している先人のサイトが幾つかあるので、こちらと合わせて確認いただくと合格率が高くなるのではと思います。
- SAP on AWS 技術文書 を熟読する
- クラスター操作など細かい部分を除き、満遍なく出題されました。
- 最新のブログから過去に遡って拝見するのがよいと思います。ここから数問は出題されたと記憶しています。
- モノによりますが、私が見かけた問題集は9割は間違っているので自身で解析する必要がありました。
- 怪しさ満載のサイトが多いので、自己責任で利用を検討ください。
多忙を極めるITエンジニアが認定資格取得出来ない理由の一つは時間が確保できないことが挙げられますので、時間を無駄にしない最効率の資格取得順をご紹介します。
まず、AWS認定試験の難易度のレベル設定は「Practitioner < Associate < Specialty <= Professional」であると考えています。AWS認定試験は各試験毎に色は違いますが、同レベルの試験では 1/4程度は類似の問題が出題される傾向にあります。そのため 1試験で他試験の範囲を多く含まれる試験を対象に学習することで、重複学習を最小化することができます。
試験を受ける際、恐らく皆さんは下位レベルから順当に受験していくと思いますが、個人的に以下の順に資格取得していくのが最効率になります。
- Solutions Architect Associate
- 同レベルとされる「SysOps」や「Developer」は、「Solutions Architect Associate」で出題される試験問題とかなり重複しており、これを最初に取得することをお勧めします。
- Cloud Practitioner の取得優先順位は低いと思います。上位レベルの試験の知識の前提になりますが他試験に通用する出題が少数なので、効率性という意味ではお勧めしません。
- 難易度は高いですが、他試験の範囲を多く含む試験になります。出題範囲のサービスの使い方を熟知している必要があり、単なる使い方の知識だけでなくAWSのベストプラクティスを正しく理解しているかが正答への近道になります。その分 AWSの全試験の殆どの範囲が網羅されており、この資格を取得することは効率面で最高です。
- この試験では Specialty 試験で見かけるような問題が頻出されていますので、12冠を目指す方はこの辺りを視野に入れて突破していくのが良いかと思います。
- 「Solutions Architect Professional 」と異なり、アプリケーション開発および運用に関するサービス活用内容が中心となっています。このあたりは Specialty 試験で多く出題される傾向にありますので、Specialty の取得を目指していく方は外せない試験になります。
12冠を目指す方はここから残り9試験になりますが、この3試験をクリアすれば、もはや消化試合になることは間違い無しです(約2W程度で取得可能)。その分、この3試験合格に至るまでが大変だと思いますが、前述の試験対策を活用することで難無く対応できるかと思います。
AWS認定資格で個人的な難易度TOP3をご紹介したいと思います。
- 第1位:Solutions Architect – Professional
- 試験範囲が広大かつ Specialty 試験の範囲も網羅しており、何より試験問題分が長いし選択肢も絶妙なものばかりで悩ませてくれます。当時は試験対策本など無く、試験範囲のサービスのマニュアルを読んで理解するという方法で勉強していました。そのため自身にとって多くの知識を得ることができた試験になります。
- AWSのサービス知識以外に純粋な機械学習の知識が求められます。ちなみに私にとってはMLは知らない世界であり大変であり、例えば、教師あり/なしアルゴリズム等々の当たり前の話も知らないような状況からのスタートでした。正直案件で何か成してこいと言われても対応できる自信は全くありません。
- 尚、当試験の受験前に「Data Analytics – Specialty」の受験をお勧めします。データ収集や加工に関する問題が1/4程出題されます。
- 油断大敵という言葉が相応しい認定試験でした。完全に無勉強で臨み「何だっけこれ?」というのが多発し不安を覚える試験でした。結果は8割強のスコアだったので悪くないのですが、久しぶりに試験中にヤバイかもを強く感じた試験でした。皆さん気を付けましょう。
業務上の役割によって必要な資格は異なると思いますので一概には言えませんが、AWSを利活用していく開発者は「Solutions Architect – Professional」を目指していただくのが良いかと思います。実際の現場では、この知識を活用して有用な設計/開発が出来るようになるからです。あとは各人の業務の役割に応じて 該当する Specialty の資格を掻い摘んで取得するのが無駄がなく、実際に現場で役立てることができると思います。
単純にAWSの触りだけを知りたい人は「Cloud Practitioner」でも良いと思います。ただ昨今ではAWSに詳しい人が多いので、少しでもAWSに関りがある業務に従事している場合「Solutions Architect Associate」の知識レベルの修得が無難だと思います。
AWS認定試験は頻繁に更新されていますが、それでも先人たちの対策によって合格までの敷居は低くなっていると思います。ITエンジニアの資格取得は技術習得の過程かと思いますので、本記事を参考に自己研鑽に努めていただければと思います。
また本投稿は年度末になりますので、この時期に見ていただいた方は来年度の目標管理などに12冠達成を目標として設定し、自己キャリア形成のために計画してはいかがでしょうか?
筆者について
- 新卒から5年半、半導体分析センターの情報システム部門のシステムエンジニア(開発&サーバー管理)として従事
- ふとしたことからITの大海を知りたくなり、クレスコに入社。そこからサーバー側のスキル転向し、インフラエンジニアとして現在に至る
- AWSとの出会いは、2012年に参画した某通信キャリアのプロジェクトとなり、そこからオンプレミス環境構築など寄り道はありましたが、長らくお付き合いさせていただいています。
- 現在はAWSを軸としたプリセールス活動を傍らに、技術支援で各プロジェクト参画しつつ、それなりの年の功を活かした日々を過ごしています。