風が吹けば桶屋が儲かる(SAP Leonardo)

こんにちは。技術研究所特派員のI.Mです。

またもSAPの話ですが、年次のユーザー向けイベント「2017 SAPPHIRE Now」が5月16日~18日にアメリカ合衆国フロリダ オーランドで開催されました。
私は参加していないのですが、弊社で参加した者がいたので色々と話を聞きました。

SAP Leonardo

「SAP Leonardo」というキーワードがあり、それまでは「SAPのIoTプラットフォーム(イノベーション)のポートフォリオ(ブランド)」という位置づけだったところ、IoTだけでなくBigData, BlockChain, MachineLearningなどの技術を含むツールセットで “Digital Innovation” を支援するものという立ち位置になるとのことでした。
すでに”SAP Leonardo”で検索すると”Digital Innovation System”のページが出てきます。
でも、これでは少し実体がわかりにくいですね。

このSAP Leonardoに含まれるサービスを少し紹介しましょう。
企業が提供しているサービスを利用する顧客の満足度を向上したり、利用継続をうながすための施策の提案をしてくれる「Customer Retention」、
顧客からの問い合わせや要望などをチケット化して内容を判断し、適切なエージェントに割り当てることができる「SAP Service Ticketing」、
スポーツの中継に映り込むスポンサー企業のロゴを画像認識により識別し、ほぼリアルタイムで計測し、今まで分かりにくかった投資対効果を見えるようにする「Brand Impact」などがあります。

「Brand Impact」の画像認識技術には、謎のAI半導体メーカーとして一躍有名になった(?)NVIDIAの技術が用いられています。
(NVIDIA側のプレス発表はこちら英語 …実際のイメージを見ることができます。)

桶屋が儲かるには・・・

投資に関して言えば、既に人工知能によるヘッジファンドが登場しているように、
将来的には「桶屋が儲かるためには、風が吹かなければいけない」というこじつけにも近い因果の話が過程をすっとばして人工知能により提示されるようになるかも知れませんね。

元は「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざですが、ふと英語で何と言うのだろうと調べてみました。
よく言われるのは”Butterfly Effect”(「ニューヨークで蝶が羽ばたけば、アジアでは嵐になる」ほか似た表現のもの含む)ですが、これは気象予測などで用いられる『カオス理論』(微小な誤差が与える力学的作用の影響の予測は困難であること)の例え話といったもので、相応しくないように思います。
そもそもことわざでも慣用句でも格言でもなくて、20世紀生まれの新しい言葉です。

他に、”It’s an ill wind that blows nobody (any) good.”(誰のためにもならない風は吹かない≒自分に都合の悪い風でも、誰かにとっては良い風だ)というものも見かけます。
これも”風”が含まれていますが、これは「いつかはあなたにとって良い風が吹く」と暗に示すような「人間万事塞翁が馬」とか「禍福はあざなえる縄が如し」とか、「人生楽ありゃ苦もあるさ」に近い気がします。
と、調べていると英語のことわざでは似たような表現が結局見つかりませんでした。。。。

一方、レオナルド・ダ・ヴィンチが”(英訳)All ones relate to all other one.”(あらゆるものは、他のあらゆるものと関連している)という名言を残しているそうです。
“on internet”と付け足すと、IoTの概念としても使えそうな言葉になりますね。
流石にレオナルド・ダ・ヴィンチでもIoTの時代を予期していたとも思えませんが、SAPはこの言葉から名前を借りて、あらゆるDigital Innovationに繋がるようなブランドとして「SAP Leonardo」と命名したのかも知れません。
(芸術的な観点ではダ・ヴィンチが残した絵や彫刻、その細部が全体のバランスを構成しているという意味があるそうです。)

オープンプラットフォーム

閑話休題。

「SAP Leonardo」の基盤は「SAP Cloud Platform」というPaaSで、”Cloud Foundry”というソフトウェアを利用して作られています。
今までSAPに関わるエンジニアは、SAP独自の技術を身につけなければならず、技術的な「ベンダーロックイン」にかかってしまうと言われていました。
しかし”Cloud Foundry”で作られる「SAP Cloud Platform」は、PaaSより下のレイヤであるIaaSを選ぶことができ、さらにサービスの開発言語も選ぶことができるようになります。
(Community buildpacksの利用)
これにより、ベンダーロックインはかなり緩和される見込みです。

近いうちに、
Webサービスを開発していたらSAPと繋がっていた。
ということもあるかも知れません。
今ままでSAPに興味のなかった方も是非注目しておいてください。

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