この記事は 『CRESCO Advent Calendar 2017』 24日目の記事です。

 

おひさしぶりです、技術研究所特派員のA.Mです。

街の各所にクリスマスツリーやイルミネーションも増えてきて年末が近いという感じになってきました。
という季節柄、アドベントカレンダーの話がありました。
せっかくなので、普段と違った切り口で記事を書こうかと思ったのですが、正直アイデアが出てきません。
そんな状況のまま、自宅近くの居酒屋で遅い夕食を食べていたとき、
カウンターの隣にいたサラリーマン2人が飲みつつ、なにやら文句を言っています。
コンプライアンスの厳しい時勢ですので、さすがに具体的な社名や案件名は出てきませんでしたが、要は自分がアプローチしたい方法論が却下され

上司の指示に従った方法で仕事を進めたところコンペに負けてしまったことに納得がいっていない様子でした。

納得するためには根拠が必要だ

まぁ、どこにでもある話なのですがふと気になったセリフが1つ。
「この方法でやれって言われても、根拠が希薄だと納得して取り組めないんだよ」
ふむ、自分にも経験があります。
2つの仕事のどちらを取りに行くかを検討しているとき、部下から「こっちをしたい」と言われたのですが、その提案を却下しもう1つの仕事を優先的に取りにいくようにと指示した時のことです。
私の部下は思い入れのあるお客さんからの引き合いの優先度をなぜ下げるのかと食い下がってきたので、「総合的に判断してのことだよ」と答えたのですが「根拠が解りません」と、かなり揉めることとなりました。
幸い、その時は私が優先的に取るように指示した仕事は失敗にはならなかった為、前述のサラリーマンのような状態にはなかったのですが、今になって思うと必ず成功するという確証があったわけではありません。
こちらの仕事の方が失敗する可能性が何十%低いからこっちにすべきといった確たる指標もなく、周辺の状況や自身の経験則を元に私は決断したので、かなりに主観的な判断だったと言わざるを得ません。
逆のパターンもあります。
いくつかの技術テーマの中で「自分が一推しの分野はここです」と上司に説明していたとき、「それは今後流行ってくるの?ムーブメントになるの?」
と質問され、「私はいいと思う」という返事しかできず、これがムーブメントになるとコミットはできず、そのまま話が発展しなかったということもありました。
よく、啓発的本等では、「自分が自身があれば根拠がなくともコミットしてしまえ」みたいな降りがありますが、現実にはなかなかそこまではできないものです。
となると、仕事を円滑に進めていくためには、人に納得してもらうための指標が必要だなと考えるにいたった訳です。
そこでAIで自分の主張を補強してもらえたら説得力は増さないかとふと思いました。

AIにアドバイスを求めたい

技術研究所に来てから、AIについて様々な話を聞いているので、AIが万能でないことは百も承知しています。
しかし、きちんと機能設計をして、機械学習を繰り返していけばかなりの成果を挙げることも可能なはずです。
人間は、今までの経験則、成功体験や失敗体験を現在の状況と照らし合わせて行動を選択するわけですが、一概に成功、失敗といってもその時のタイミングが大きな要素を占めていたり、成功、失敗の大きな要素を占めていたものが実はなんであったかが分析できていないことも多々あります。
プロジェクトの様々な要因をインプットして、学習を繰り返させることで、人間には気づかない成功、失敗要因を分析し、AというプロジェクトとBというプロジェクトどっちが現時点で成功確率が高いといったアウトプットは十分に可能に思えます。
もちろん、技術的課題は多いでしょう。
しかし、今後のAIのあり方の一つとして経営アドバイザー、事業アドバイザーといった話も散見しており、完全に絵空ごとではないと思います。
なにより技術者と会話する際、「事業アドバイザーAIが何十パーセント以上の確率でこちらのプロジェクトがいい」といったことが言えるのは、ふわっとした「私の経験則」や「総合的に判断して」という言葉より遥かに根拠を持っている気がします。
そしてAIを活用するのであれば、仮にその時の判断が誤っていたとしても、無意味にはなりえない。
当初分析の際、掴みきれなかった要素が原因で失敗したのならば、これが新たなサンプルとなり、機械学習でさらにAIの精度は上がっていくはず。
「今回の失敗により我々のAIはさらに強化された。この失敗を糧に頑張ろう」ということでポジティブになれる。
しかも、失敗したのは誰かのせいではなく、サンプル数が足りなかったからAIが読み切れなかっただけと割り切れるので、失敗するプロジェクトを選んでしまった人に対しての不満も緩和される。
先ほどのサラリーマンも上司についてぼやくのではなく、次回はもっとAIがいいアドバイスをしてくれるさと楽しくお酒が飲めるのではないか。
最終的には、複数のAIを投入して、AIアドバイザーによる多数決で成功確率の高い事業計画等が提示されるのではないか。
といったとこまで、私の考えは飛躍していました。

AIアドバイザーの実現に向けて

ただ、そうはいっても技術的な課題以外のところにも問題はあります。
例えば、AIと意思決定者の間に誰かが入ってしまった場合、アウトプットの結果を正確に伝えないと、意思決定の制度は下がってきます。
特に、人間は空気を読むという特質があるので、今流行の忖度ではないですが、意思決定者が望む方向になるようにAIの導き出した内容を曲げて解釈して、伝えてしまう可能性も十分にあるでしょう。
それを避けるためには、やはり会話型のインターフェースを備え、AIと意思決定者が直接会話できる必要が出てきます。
そうなるとロボットをAIのインターフェースにするのがいいな。幸いにもクレスコにはロボットが何種類も何体もある。
経営アドバイザー1 Pepper君 、アドバイザー2 Sota君というのも十分アリだな。会社の売りにもなるし。
もし、このアドバイザーによって事業が成功したら、さらにAI投資が進んで、どんどんAIが増えていく。社員はどんどんAIを信頼するようになる。
そうなると、昔のSFみたいにどこかのタイミングでAIが人間に反乱を起こしたりして。
 なんてことまで、私の思考は飛躍していきました。
「ラストオーダーですが」と居酒屋の親父さんに声をかけられて、我に返った時には、この話の発端になった2人組のサラリーマンもお会計をして帰ろうとしていました。
その姿を見送りつつ、この話をアドベントカレンダーの記事にするべきか、しないべきかと私は迷いつつありました。
だって、全然具体的な技術が出てこない内容です。
しかも、最後のAIの反乱のくだりとか荒唐無稽もいいところですよ。
しかし、個人的にはこういったアシスタントAIが仕事をアシストしてくれるっていうのは夢があっていいなと思いました。
 若干、現実離れしていたとしても、夢を追ってくことって技術者としては大事だと思います。
なんといっても、今は1年で一番夢のあるシーズンですから。
エンジニアブログっぽくない内容で恐縮ですが、 たまにはこういうのも許してください。