こんにちは、デジタルマーケティングチームの林です。

 

先日、とある小説を読んでいると、主人公の女の子が恋人にプレゼントされたネックレスにGPSが仕込まれていて、居場所が常に監視され…という話に遭遇しました。(どんな小説なのかはご想像にお任せします)

・・・ちょっと待って!GPSはちょっと難しいんじゃない!?

この話に限らず、GPS付きの小物が出てくる漫画や小説をチラホラと見かけます。また、「防犯のために子どもにGPS付きのキーホルダーを持たせたい」といった保護者の発言を聞くこともあります。

皆さんが身近な人からのプレゼントに疑心暗鬼にならずに済むように、アクセサリーやキーホルダーといったアイテムにGPSを仕込むのが難しい理由をお伝えしたいと思います。

そもそもGPSって?

GPS(Global Positioning System / 全地球測位システム)は、軌道上に打ち上げられたGPS衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、現在位置を知ることができるシステムです。

GPSは複数の衛星から信号を受信し、現在位置を計算しています。

理由1 GPS受信機はそれなりに大きい

さて、本題の「恋人にもらったアクセサリーにGPSが付いているかもしれないと心配しなくていい3つの理由」その1です。

GPS受信機はそれなりに大きい!

GPS受信機はGPSモジュールと、それらを取り付ける基盤やその他部品で構成されています。GPSモジュール単体だと1cm四方くらいの大きさですが、受信機全体だと小型のものでも3cm程度になります。また、全体の制御を行うマイコンと組み合わせるとさらに大きくなります。

3cm以上あると指輪やネックレスのようなアクセサリーに仕込むのは少々難しそうですね。ただ、このサイズならキーホルダーくらいはいけそうです。

理由2 取得した位置情報を送信する方法が必要

離れた場所にいる恋人(が持っているアイテム)の現在地を知るためには、GPSで位置情報を取得するだけでなく、データを送り続ける必要があります。

近距離なら赤外線やBluetoothなどで送信することもできますが、用途を考えると広い地域で利用できる携帯電話の回線を利用するのが良さそうです。

携帯電話の回線は日本中の広いエリアで利用できるだけでなく、曇っていたり建物内だったりでGPS衛星から受信できない状況でも、通信キャリアの基地局の場所から大体の位置を推測ができるメリットがあります。

携帯電話の回線を利用するためには、ドコモ等の通信キャリアと契約してSIMカードをゲットし、アイテムに装着させる必要があります。

一番小さいSIMカード「nano sim」だとSIMカード自体の大きさは 12.2mm × 8.8mm と小さいですが、SIMカードを挿入するコネクタが付いたSIMモジュールも含めるとかなりの大きさになることが予想されます。どんどんアイテムが大きくなっていきますね。。

ただし、現在は組み込み機器用に基盤に直接取り付けることができる「eSIM」が登場していますので、これを利用すればSIMカードに関わる質量はほぼ無視できるのかもしれません。

理由3 GPSの動作には電源が必要

最後に、、GPSの動作には電源が必要です!しかも結構な量の電力を必要とします。

省電力と謳っているGPS受信機でも単3電池で十数時間しか電池が持ちませんので、内蔵電池による維持は絶望的です。

そうするとバッテリーを内蔵して日々の充電が必要となるわけですが、充電が必要なアクセサリーやキーホルダーをプレゼントするのは無理があるでしょう。
(充電を前提とするスマートデバイスやモバイルバッテリーに仕込むなら可能性がある…かもしれません)

おわりに

以上3つの理由により、恋人にもらったアクセサリーにGPSが付いているかもしれないという心配はしなくてもよさそうです。

恋人の居場所はともかく、「店舗の中でお客さまがどこにいるのか知りたい」「倉庫の商品管理のために何がどこにあるのか知りたい」といった、ヒトやモノの現在地を知りたいといった要望は多々あります。

クレスコではIoTプラットフォームKEYAKIをはじめ、IoTに関するコンサルタントやシステム開発を承っています。ちょっとした質問も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

また、今回登場したGPSをはじめ、IoTでよく利用されるセンサーを解説する記事をソリューションサイトに掲載しています。ぜひご覧ください!