UXデザイナーとは誰のこと?

こんにちは。UXデザインセンター金井です。

アプリや製品開発でUI・UX設計などをしています。
お仕事をする上で、日々感じている事を自分なりにまとめたいと思います。

今回は、「UXデザイン」を担当するのは誰か?という事について書いてみます。

はじめに

本題の前に、まずは製品・サービス開発において、「UXデザイン」が重視される理由を考えてみたいと思います。

今までの製品開発では、UXデザインは考えられてこなかったのでしょうか?
顧客の事を考えた開発が行われていなかったのでしょうか?

顧客価値を考えていたのは誰?

”もし顧客に彼らの望むものを聞いていたら、彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。”

馬全盛の時代、大衆が買える車を市場に登場させた、ヘンリー・フォード氏が言ったとされる (実際には本人は言っていないらしい) 言葉です。
「顧客自身は何が欲しいのかを理解していない」、という例えによく使われます。

マーケットインやCS(顧客満足)という言葉があるように、もちろん今までの製品開発も顧客の視点で行われてきました。
しかもそれだけでなく、顧客にとっての真の価値は何か?という難問に取り組んできました。

ところでこのような「顧客価値」について、主に舵を取って考えているのはどの部門でしょうか。
もちろんどの部門にも可能性はありますが、いったん「企画・設計部門」が担っている例で話を進めます。

顧客価値はどのプロセスで創造できるか

ここでUXデザインの考え方を投入してみましょう。

UXデザインを、「ユーザー体験を顧客価値まで高める活動」=「顧客価値の創造」と考えてみます。

すると、顧客価値を創造できるタイミングは、「企画・設計フェーズだけではない」という事が解ります。
製品開発プロセスの全工程で、「UX=顧客価値」を考えるタイミングがあるのです。

そのため、一部の部門がUXデザインを担当し、他の部門と切り離されていると、次のような問題が起こります。

・各フェーズでの顧客価値を高める「気づき」が、他の部門に共有されない。

例えば、せっかく設計部門が行ったプロトタイプのユーザーテスト結果が、開発部門に共有されない、
お客様からの問い合わせ内容が、設計・開発部門に共有されない、などなど。

また、分断されている事の弊害として、次のような事もあり得ます。

・企画・設計部門がUX視点で仕様を考えたが、結局実装されなかった。(違う価値が優先された)

どのタイミングで、どんなUXデザインを考えるか、開発プロセス全般を通して考える必要がありそうです。

多様な専門知識を補うために

また、UXデザインという作業には、あらゆる専門知識が必要だと言われています。

UXデザインを開発に落とし込むための代表的なアプローチである、「人間中心設計(HCD)プロセス」には、こう書かれています。

人間中心設計は様々な技能を必要とするため、多様な職種で構成されたチームである事が望ましい。

チームの役割は、次のような要員によって編成する。

  1. エンドユーザ
  2. ユーザを管理する立場の人
  3. アプリの専門家、経営アナリスト
  4. システムアナリスト、SE、PG
  5. マーケティング担当者、販売員
  6. UIデザイナー、ビジュアルデザイナー
  7. 人間工学の専門家
  8. テクニカルライター、サポート担当者

JISZ8530「インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス」より引用

設計・開発の専門家が含まれているだけでなく、エンドユーザーをはじめ、マーケ担当からサポート担当まで、かなり広範囲なメンバー構成となっています。まさに部門横断型チームと言えるのではないでしょうか。

多種多様な専門家による組織的なUX視点によって、製品プロセスのあらゆる工程でUXデザインを考える事、それが理想のUXデザインプロセスと言えそうです。

今こそ全員がUXデザイナーに!

「モノ」から「コト」への移行や、「モノ」の供給過多を考えると、一見「モノ」視点がいけない気がします。

ですが、この先「モノ」自体も、その質を大きく変えていきます。
未来はこうありたいというビジョンと先端技術の発展から、きっと誰も想像も出来ない「技術ドリブン」型の製品が登場してくるでしょう。

「モノ」の所有で得られる価値は、今後また見直されるかもしれません。

「高度なビジネスモデル×高度なテクノロジー×最高の顧客体験」

この掛け算の先に、一体どんな世界が広がるでしょうか。
今こそ、多角的な視点と想像力が必要です。

組織的に「UXデザイン」を考えられるか。
そして、お客様に届くまでそのプロセスを回していく事が出来るか。

簡単ではありませんが、これからの製品開発における目指すべき道、と感じています。

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