先日10月上旬に、クレスコ本社フューチャーセンターにて技術研究所主催の研究発表会を開催しました。クレスコ技術研究所が目指しているオープンイノベーションとそれにかかわる連係活動や研究成果を紹介する研究発表会も本発表会で5回目です。今回の発表会は、第一部では研究所の取組みについてのプレゼンテーション形式での紹介、第二部では研究成果などについてポスターセッション形式の二部構成となっており、お客様と研究員が技術談義や気楽な雑談ができるような雰囲気つくりが意識されていました。
所長の丸山さんが、過去の研究発表会の取組み踏まえた上で、今回の発表会を準備したこと、 この場をつかって、会社の枠を超えたコミュニケーションを行ってほしいと熱い思いを語りました。ポスターセッションで技術研究所の研究員を質問攻めにしてして下さい(笑)・・・との発言で会場の温度が2℃上がったような感覚です。
加藤さんから、クレスコと調和技研という2社の機械学習に関する取り組みについて紹介いただきました。発表者の加藤さんは、北海道大学に認定を受けた「由緒正しい」ベンチャー企業である調和技研からクレスコに出向している研究者です。学習工場とは、東京大学の松尾豊先生が提唱している概念で、機械学習による課題解決をするために「データ」、「計算機」、「人」を一か所に集約しようというものです。旧来、メーカが何かを作るときに資材や多大な投資を行い工場を作ったように、機械学習をするために必要なものを集めようという取組みです。機械学習をするためにもっとも重要なのは人ですので、いかに有能なエンジニアを集めていくかという取組みは重要ですね。
技術研究所の特派員という制度について、クレスコ・イー・ソリューション株式会社の今井 さんから、活動の内容と実際にできたことについて紹介がありました。特派員というのは、技術研究所に席を持っているクレスコのグループ会社の社員の方で、高い志と特命ミッションを背負ったエンジニアです。今村さんは、数理解析を使ってお客様の課題を解決していくということをやっていきたそうです。今年度はRPAも取り入れていくとか。研究成果を自社に持ち帰って、自社のビジネスに活かし、クレスコグループ全体でシナジー効果を発揮するための「下地を作る」ことが目標になっているとのことです。「下地を作る」っていい言葉ですね。
SIG(Special Interest Group)の取組みとしては、以下の3グループの発表がありました。
- DevOps SIG
- 開発技術SIG
- AI&RPA SIG
DevOps SIGは、今年立ち上げたSIGで、「僕(たち)の考えた 最強の開発環境」を追求するというものだそうです。具体的にはOSSツールチェインを繋いで様々な作業を自動化していくとのこと。OSSの良いところは、自分達で手を加えて「育てる」楽しめるところだとか。来春の成果発表が楽しみですね。
開発技術SIGの「開発技術」とは、開発に使う技術を指しており、例えばJava,Pythonといった言語から、プロジェクト管理技術、開発プロセス、クラウドやAIも開発に使うのであれば「開発技術」と定義しています。今年度は「プロジェクト活性化」を目的として、それらの技術を活用して「褒めBot」なるものを開発するとのこと、こちらも来春の成果発表が楽しみです。
AI&RPA SIGは、AIとRPAを組み合わせて高いレベルののお仕事をこなせるロボットをつくりたいということをコンセプトにしつつ、まずは手始めに楽しいロボットを作ってくとのことです。
アイディア検討からデモ作りまでを通して実践し、良い作品は来春のオープンハウス、エンジニアブログで発表していくことを目標して活動しているそうです。今年度の上期の活動で「メールを読んでいるユーザの表情に応じて自動で返信するロボット」を開発したそうです。
技術研究所の活動の一つに「クレスコ エンジニアブログ」(以下ブログ)の運営があります。現役のエンジニアによる技術に関するブログで、目的はクレスコの技術&技術者の存在を社外にアピールするというものです。始めた2015年10月の月間PVは、数千件くらいだったのですが、じわじわ数を伸ばし、そして 2018年にはいってからはぐいぐい上昇してきています。アクセス解析によると、直近の6カ月の集計では、RPA関連だけで全体の約4割のPVを稼いでいることがわかりました。ブログで、皆さまが知りたい情報をちょうど良い時期に提供できているということであれば、嬉しいですね。
先ほど話題にあがったRPAの記事を数多く執筆している先端技術事業部の吉田さんが、PVの伸ばし方についての話題を提供しました。RPAの記事については、コンサル的な観点の記事はネット上にあったが、もっと技術者の目線での記事があってもよいのではないかという発想から記事を書いたところ、結果としてPVが伸びたとのことです。特にSEO対策は行わなくとも、他のブログで書かれていないテーマで、自分が知りたかったこと、知って面白かったことを書くことがコツだそうです。
第二部のポスターセッションでは、各研究員が研究成果やSIGの活動について発表しました。
ここではタイトルのみご紹介します。
- 異種画像を組み合わせた眼病分類の試み
- 角膜解析画像からの円錐角膜の分類
- 定量データを利用した開発効率の改善提案
- 要求仕様書の品質向上
- LPWAを用いた情報の見える化
- 位置情報サービスを利用したソリューション
- メールを読んでいるユーザの表情に応じて自動で返信するロボット
セッション中は聴講者からの質問も多く寄せられ、先端技術に触れる皆様の熱意が伝わってきました。
今回の記事では、第一部の社内外の連係や研究成果を紹介を中心にご紹介しました。クレスコ技術研究所が目指しているオープンイノベーションについて、何かしら伝わりましたでしょうか。これからも継続的に社内外に発信していきますので、メンバーの活動にご期待ください!