こんにちは。エクスペリエンスデザインセンター(EXDC)の三輪です。
今回は、GA4の探索レポートで用意されているテンプレートを使って、ユーザーの行動経路を探索する方法をご紹介します。

目次

  1. GA4探索レポートのテンプレートについて
  2. 行動経路を探索する方法①:「ファネルデータ探索」
  3. 行動経路を探索する方法②:「経路データ探索」

1. GA4探索レポートのテンプレートについて

GA4の探索レポートには現在、以下7種類のテンプレートが用意されています。
各テンプレートの用途を理解し、目的に合わせてレポートのテンプレートを使い分けることで、より効果的な分析を行うことができます。
 

  • 自由形式
  • ファネルデータ探索
  • 経路データ探索
  • セグメントの重複
  • ユーザーエクスプローラー
  • コホートデータ探索
  • ユーザーのライフタイム
     

今回は、上記のテンプレートのうち「ファネルデータ探索」と「経路データ探索」を用いてユーザーの行動経路を探索する方法をご紹介します。

2. 行動経路を探索する方法①:「ファネルデータ探索」

1つ目は、探索テンプレートの「ファネルデータ探索」を用いて、自身で設定したステップごとに行動経路を探索する方法です。
 

<こんな時に使える!>

  • コンバージョンなど明確な理想経路がある場合
  • 理想の経路(ステップ)を設定し、ユーザーが理想経路をどこで放棄しているか確認したい場合
  • イベントやページだけでなくイベントパラメータを条件に設定したい場合
     

今回は例として、商品ページのPV後、その商品をカートに入れたユーザーを確認します。
具体的な手順は以下の通りです。

①データ探索を開始する
探索>データ探索で「空白」を選択します。
(このページで「ファネルデータ探索」を選択できますが、ここで選択してしまうとデータが設定された状態で開始されてしまうため、空白の状態で開始してから手順②でテンプレート(手法)を選択します)

②レポートの設定を行う

  • データ探索名:任意(例:コンバージョン計測)
  • 日付:任意(例:7/1~7/31)
  • 手法:ファネルデータ探索
  • タブ名:任意(例: ファネルデータ探索 1)

③ステップ1を設定する
ステップの鉛筆マークをクリックして、ステップの設定を開始します。
ステップ1の設定を行います。

【例】ページバスとスクリーンクラス:/XXX(任意のページパス) を含む
   AND
   イベント名:page_view に完全に一致(=)
 

④ステップ2以降を設定する
[ステップを追加]ボタンを押してステップ2以降の設定を行い、最後に右上の[適用]ボタンを押します。
(今回はカートに入れるところまでをステップとして設定していますが、購入完了までの行動を追う場合はさらにステップを増やしてください)
【例】ページバスとスクリーンクラス:/XXX(任意のページパス) を含む
   AND
   add_to_cart

<直接的/間接的ステップと経過時間の指定について>

直接的ステップはステップ1の直後にステップ2が実施された場合のみ集計、間接的ステップはステップ1のあとに別のステップ(行動)を挟んでステップ2が実施された場合(間接的)でも集計されます。
GA4ではスクロールなどもイベントの1つとして判断されるため、ページの遷移やクリック計測では直接的ステップを使用することはできません。
その代わり、経過時間に制限をかけることで本来の数値に近しい値を取ることができます。
(今回ページ遷移ではなく同じページ内のイベントを想定しているため、経過時間を設定していません)

⑤データを確認する
このデータでは商品ページを訪問(PV)したユーザーが184名なのに対して、その商品をカートに入れたユーザーは57名(31%)であることがわかります。

今回は例として、商品ページのPV後、その商品をカートに入れたユーザーを探索しましたが、ステップの設定を変更することで、様々なユーザーの行動を探索することができます。

3. 行動経路を探索する方法②:「経路データ探索」

2つ目は、探索テンプレートの「経路データ探索」を用いて、ツリーグラフでユーザーの行動経路を探索する方法です。
 

<こんな時に使える!>

  • イベントやページなど一定の項目の遷移を確認したい場合
  • コンバージョンなど明確な理想経路がなく、単純にユーザーの行動を確認したい場合
     

今回は例として、商品AページのPV後、ユーザーがどんなページに遷移しているのかを確認します。
具体的な手順は以下の通りです。

①データ探索を開始する
探索>データ探索で「経路データ探索」を選択します。

②レポートの初期化を行う
経路データ探索は初期表示で自動的にレポートが作成されてしまうため、画面右上の[最初からやり直す]をクリックし、レポートを初期化します。

③レポートの設定を行う
- データ探索名:任意(例:経路データ探索)
- 日付:任意(例:7/1~7/31)
- タブ名:任意(例:経路データ探索 1)
- 値:イベント数
(値を総ユーザー数にすると、イベント数ではなくユーザー数でカウントが行われます)

④イベントをpage_viewに絞る
PV数だけを調べるためには、以下のフィルタを設定します。
- イベント名 [次と完全一致] page_view
(page_view以外のイベントを調べる場合は適宜フィルタの設定を変更してください)

⑤ノードの種類を選択する
遷移前のページを条件に設定したい場合は「始点」、遷移後のページを条件に設定したい場合は「終点」にノードを設定します。
(例:商品ページからどんなページに遷移しているのかを知りたい場合は、「始点」を設定する。)
選択するノードは探索したい行動に合わせて選択してください。今回はページタイトルとスクリーンクラスを選択します。

⑥始点(終点)の選択をする
始点(終点)を検索し、任意のページを選択します。

⑦データを確認する
商品AページのPV後、ユーザーがどんなページに遷移しているかを確認できます。
任意のページへの遷移数を確認したい場合は、右上の鉛筆マークからページの検索が可能です。

また、ステップ+2以降を確認したい場合は、ステップ+1の各ページタイトル部分をクリックしてください。

今回は始点を商品Aページに設定して、その後どんなページを閲覧しているのかを確認しましたが、終点を設定すると、商品Aページにたどり着くまでにどんなページを経由してきたのかを確認することができます。

まとめ

今回は、GA4でユーザーの行動経路を探索する2つの方法をご紹介しました。
ユーザーの行動探索と一重に言っても、その目的や条件によって使用すべきテンプレートが異なります。
目的や条件に合わせて探索レポートのテンプレートを使い分けることで、より効果的な分析を行っていきましょう!
この記事が少しでもお役に立ちましたら幸いです。