こんにちは、Sugarです。
今回は、社内イベントの中で行われている楽しい技術発表についてご紹介いたします。

目次

1.    Family Day 2024が開催されました!
2.    子どもたちに大人気のメタバース大会
3.    イベントを通じた技術の発表
4.    新しいダンスゲーム
5.    ダンスゲームの技術解説
6.    さいごに

1. Family Day 2024が開催されました!

2024年11月上旬に、今年度で3回目となる「Family Day 2024」が開催されました。

 

このイベントでは、社員が家族を連れてクレスコ本社を見学でき、様々な体験ができる貴重な機会となっています。
お子様をお連れの方や、ご両親や配偶者に会社を紹介したい方など、参加者の目的は多岐にわたります。

 

今回も、社長とイベントスタッフは日頃の感謝の気持ちを込めて、楽しいコーナーを複数用意し、来場者をお迎えしました。
来場者からは「時間が足りない!」と嬉しい悲鳴をいただくほど、大盛況のイベントとなりました。

2. 子どもたちに大人気のメタバース大会

様々なコーナーが用意される中でも、子どもたちに人気だったのが、IoT&モビリティ事業部が手掛けるメタバース大会です。
多くのエンジニアが、子どもたちの笑顔のために毎回たくさんのゲームを準備しており、通常は研修に使用される会場が笑い声に包まれました。
子どもだけでなく、大人も一緒に楽しめる内容になっています。

3. イベントを通じた技術の発表

弊社は技術コミュニティなどの発表の場も設けていますが、このFamily Dayにおいても、イベント向けに開発したソフトウェアの発表が行われています。
その中でもメタバース大会はIT技術の進化を感じることができ、社員が自らの成果を家族にも発表できる貴重な場ともなっています。

4. 新しいダンスゲーム

今回、特に注目のコーナーは、SONY製のモバイルモーションキャプチャー「mocopi™(モコピ)」を使用したダンスゲームでした。
プレイヤーは、女子学生と鳥人間の2種類のアバターから自由に選択でき、画面に現れる鳥をタッチすることで直感的に楽しむことができます。
リアルな動きとシンプルな操作性で、新しいダンス体験を提供しました。

5. ダンスゲームの技術解説

mocopiの特徴と特性

SONY製のモバイルモーションキャプチャー「mocopi™(モコピ)」は6つの小型センサーを身体に装着し、スマートフォンアプリを使ってキャリブレーションを行います。

 

mocopiは慣性式モーションキャプチャーで、装着したモーションセンサーから得た加速度・角度・方位の情報を骨格モデルに当てはめることで身体の動きを計測します。

 

特別なスーツや大掛かりな設備は不要で、すぐにモーションキャプチャーを開始できます。

また、価格もリーズナブルで、初心者からプロフェッショナルまで広く利用することができます。

 

モーションセンサーが6つしかないため、手の指の細かい動きまではトラッキングできませんが、全身の動きは高精度で捉えられます。
今回のダンスゲームでは、この特性を活かしたダンスパフォーマンスを実現しています。

ダンスゲームの開発環境

ダンスゲームの開発では、mocopiアプリがインストールされたスマートフォンと、Unreal EngineがインストールされたPCを用意しました。

 

通常は、mocopi Receiver Plugin(MocopiLiveLink)を使用して、Unreal Engineにmocopiアプリから送信されたモーションデータを受信し、mocopiのスケルトン構造をUnreal Engineのスケルタルメッシュにリターゲットすることで、リアルタイムでアバターにモーションデータを適用できます。
ただ、今回のダンスゲームでは、プラグインにVRM4Uを使用してモーションデータを適用しています。

 

モーションデータをリアルタイムで送信するためには、スマートフォンとPCがローカルネットワーク上でUDP接続を行う必要があります。
UDP(User Datagram Protocol)は接続の確立やハンドシェイクが不要なため、データの転送速度が非常に速いです。
mocopiのようなモーショントラッキングシステムでは、リアルタイムでのデータ送信が求められるため、遅延を最小限に抑えることが重要です。

モーションデータの送信と受信の流れ

mocopiでは、モーションデータの送受信を次の操作で行うことが出来ます。

 

【送信側:スマートフォン】

  • まず、mocopiアプリを起動し、モーションセンサーを接続します。
  • 次に、モーションセンサーのキャリブレーションを行い、成功するとトラッキング画面が表示されます。
  • 最後に、アプリをMotionモードに切り替えた後、未使用の任意のUDPポートを使用し、モーションデータの送信を開始します。

 

【受信側:PC】

  • Unreal Engineを立ち上げ、mocopi Receiver Plugin(MocopiLiveLink)を使用してモーションデータを受信します。
  • mocopiアプリで設定したUDPポート番号を入力し、モーションデータの受信を開始すると、リアルタイムでアバターに動きが反映されます。

 

タッチする鳥と音の演出

Unreal Engine 5には、MetaSoundという新しい高性能オーディオシステムが導入されています。これにより、音のデザインや制御がより柔軟かつ詳細に行えるようになりました。

 

そして、今回のダンスゲームでは、Unreal Engine 5.3で追加された「MetaSound Output Watching」機能を使用しています。タッチする鳥を音楽に合わせてランダムに表示させることができ、ゲームの視覚的な楽しさとインタラクティブ性が大幅に向上しました。

開発に必要な情報

mocopiの推奨システム構成などの技術仕様、Unreal Engineを用いた開発のチュートリアルは、「mocopi™(モコピ)」公式サイトで詳しく紹介されています。
今後、内容が変更される可能性もありますので、最新の情報はそちらをご参照ください。

6.さいごに

今年度の「Family Day 2024」も、家族と共に技術を楽しむ素晴らしい一日となりました。

 

毎年、進化していくFamily Dayのメタバース大会。
来年度、弊社のエンジニアたちが何を開発して発表するのか、今から楽しみです!