こんにちは。
Creageビジネス事業部の Ao です。
この記事はUiPath Advent Calendar 2025に参加しています。
これまでHCI関連の記事ばかり投稿してきましたが、今回は毛色を変えてUiPathの資格に挑戦した体験記をお届けします!
今回挑戦した資格は「UiPath Infrastructure Engineer Professional - Automation Suite」になります。
あまり情報が出回っていない試験だと思いますので、受験を考えている方・受験することは決めているが情報が少なく困っている方などのお役に立てればと思います。
※以後略称の「IEPASv1」と記載することがあります。
目次
- 受験に至った経緯
- UiPath Infrastructure Engineer Professional - Automation Suiteとは?
- 学習方法
- 受験結果と感想
- まとめ
1. 受験に至った経緯
そもそもなぜIEPASv1を受験しようと思ったのかと筆者のスキルセットなどについてお話ししたいと思います。
まずは私が普段扱っている技術領域などについて説明します。
ここ数年の業務ではAWS上でのバックエンドのシステム設計・構築や運用がメインとなっています。
それ以前はオンプレ環境での仮想化基盤設計・構築やIaC、CI/CD等の導入推進を中心とした業務に従事してきました。
そのため、UiPathを業務で扱ったことは一度もありません!!
勉強という意味では社内の学習コンテンツやUiPathが提供しているアカデミーを少しだけ受講したことがありますが、ほぼ何も身についていない状態でした…
そのような状況の中、UiPath Automation Suiteを業務で扱う可能性が出てきたため、弊社のAWS環境上にAutomation Suiteを構築する検証を実施することとなりました。
当初は技術検証するだけの想定でしたが、体系的に学ぶためにも試験に挑戦する運びとなりました。
2. UiPath Infrastructure Engineer Professional - Automation Suiteとは?
# 概要
次に本試験の概要を説明します。
受験料や試験スタイルなどは以下の通りです。
※2025/11/26時点の情報です。
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受験の前提条件 |
特になし |
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有効期間 |
3年 |
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受験時間 |
120分 |
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問題数 |
60問 |
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合格点 |
70% |
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受験料金 |
$300 |
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ただ、上記資料には問題数に関する情報が明記されていないため、もしかすると問題数は固定ではないのかも…?(確証はないです)
なお、受験場所としてはピアソンのテストセンターか自宅を選択可能です。
慣れない会場での受験に不安がある方は自宅での受験もアリかもしれません。
環境を準備するのもなかなか大変そうなので、私はAWSの試験などで慣れているテストセンター受験を選びました。
そして一番大きなポイントとして、現状英語での受験しか選択できないという点が挙げられます。
まだまだ日本での需要が高くないためでしょうかね…
# 試験の内容について
大まかに分けると以下の観点を理解しているか問われる内容となっています。
- 構築
- 環境の構築方法
- Automation Suiteのインストール方法
- 運用
- アップグレード
- バックアップ、リストア
- 監視
- Automation Suite以外の環境からAutomation Suite環境への移行
なお、IEPASv1で対象となるバージョンはAutomation Suite 2023.10になります。
最新のAutomation Suiteのバージョンは2.2510なので、少し試験の方が古いという点は注意が必要です。
3. 学習方法
試験対策として、主に以下の3点で学習しました。
- 実機での検証/ドキュメント読み込み
- UiPathアカデミーの受講
- 公式の模擬試験
上記は実施した順で列挙しています。
本来UiPathアカデミー受講から始めることが多いと思いますが、私の場合は先に記載した通り実機での検証から始まったため、UiPathアカデミー受講の方が後になりました。
それぞれ詳細を記載していきます。
# 実機での検証/ドキュメント読み込み
実機での検証といっても、UiPathのサービス自体の検証ではなくAutomation Suiteのインストールまでの構築フェーズの検証になります。
ドキュメントの通り構築できるか試し、並行して構築に利用するIaCコードの実装や構築時の躓きポイント・Tipsを整理することが目的でした。
以下のドキュメントに則り、実際に手を動かしてAWS上に環境構築を進めました。
https://docs.uipath.com/ja/automation-suite/automation-suite/2024.10/installation-guide-eks-aks/automation-suite-overview
やはり一番良いのは実機で手を動かして理解を深めることだと思います。
とは言え、なかなか自由に触れるAWSやAzureの環境が無い方もいらっしゃると思いますが、上記ドキュメントには試験の問題に直結する情報が多々含まれているので手を動かさずとも是非一読することをおすすめします!(長いけど…)
# UiPathアカデミーの受講
やはりUiPathの試験対策としてはこれが初めの一歩でしょうか?
このUiPathアカデミーというのはUiPathが無料で提供しているe-learningになります。
私は以下のAutomation SuiteのUiPathアカデミーを受講しました。
https://academy.uipath.com/learning-plans/automation-infrastructure-engineer-professional-with-uipath-automation-suite-training
もちろん英語です!笑
ただ、ブラウザの機械翻訳で自然な日本語に変換できるので、英語が苦手な方でも問題なく受講できると思います。
なお、Google ChromeとMS Edgeでページ翻訳を試しましたが、ページ全体の翻訳はEdgeの方がスムーズに動作したように感じますので参考までに。
一方、各セクションの中でちょっとした確認問題が出てきますが、これは翻訳せずに英語で問題文を見た方が試験対策として適していると感じました。
感覚でしかないですが、試験本番とUiPathアカデミーの確認問題や模擬試験の問題の言い回しは少なからず似ていた気がするので、確認問題などで慣れておくと良いのではないかと思います。
# 公式の模擬試験
UiPathアカデミーを一通り受講し終えた段階で理解度チェックのためにUiPathが提供している模擬試験を受けてみました。
この模擬試験も無料で受けることができます。
以下のサイトからアクセス可能です。
https://www.uipath.com/ja/learning/certification
なお、この模擬試験は何度でも受けられるのですが、間違った問題の正解は教えてくれない仕様です。
ドキュメントとUiPathアカデミーの資料を見直すなどを行い、正しい回答に辿りつきました。
ちなみにこの模擬試験の問題がそのまま本番の試験に出てくるようなことはないため、問題と解答を暗記する対策を行ってもあまり意味がありませんのでご注意ください。
先にも少し触れましたが、英語の言い回しや文章の長さは本番の試験相当だったように感じるため、試験の雰囲気や難易度を把握するという意味では有用な試験対策になると思います。
4. 受験結果と感想
いよいよ受験です!
AWSなどの試験に慣れていると少し驚くかもしれませんが、受験時のメモに利用できるホワイトボードのようなものは渡されませんでした。
個人的にはホワイトボードは渡されるものだと思い込んでいたので、少しびっくりしました…
とは言えメモを書く必要があるような問題(構成図を整理したい問題や計算したい問題等)はなかったのでホワイトボードは不要でした。
試験時間としては、正確には覚えていませんが30~40分程度余って終えたと思います。
なので残り時間で焦るようなことはありませんでした。
# 結果
早速ですが結果は…
ギリギリ合格ッ!!
合格判定基準はスコア率70%なので本当にギリギリでした。
なお、結果は試験終了ボタンを押下後、アンケートに答えるとすぐに表示されます。
手ごたえとしてもギリギリ合格か不合格の瀬戸際のように感じていたので、ある意味想定通りではありました。
# 感想
率直な感想としては、「簡単な問題と難しい問題の落差が凄い!」でした。
簡単な問題では明らかに間違いである回答が選択肢として列挙されていたりしたので、あまり悩まずに回答を選択できました。
一方で難しい問題はちゃんとAutomation Suiteの構築・運用を理解していないと回答できないのでは…というものまであり、簡単な問題と難しい問題の落差がかなりあったように感じます。
そしてこの試験の最大の特徴に感じたことは、Automation Suiteに限らずLinuxの知識も最低限必要ということ。
Linuxのコマンドに関する問題など、LPICやLinuCを想起させる問題も見受けられました。
試験のポリシー上、あまり具体的な内容は書けないので悪しからず…
その他、以下のような知識を問われる問題が多かったです。
- インストール等に利用するuipathctlコマンドについて
- デプロイ方式の違いについて(オフライン or オンライン等)
- Automation Suiteに登場するコンポーネントについて
UiPathアカデミーの内容を概ね理解できていればある程度答えられそうな気もしますが、逆に実際に構築したことがないとなかなか身に付かないであろう内容なども出題されたように思います。
なので一概に簡単だった・難しかったと言える試験ではないところが面白いです。
従って、筆者としては「UiPathアカデミー受講」+「実際に手を動かす」ことをおすすめします!
また、Linuxの基礎的なコマンドに自信が無い方は、LPICやLinuCのLevel 1の内容を少しだけ勉強すると良いかもしれません。
割合としてはそれほど多くないのでLinuxの勉強に注力する必要はなさそうですが、実際に構築する場合もLinuxの知識はあったほうがスムーズなので、勉強しておいて損ということはないと思います。
5. まとめ
今回はUiPath認定資格の「UiPath Infrastructure Engineer Professional - Automation Suite」を受験してみた感想とその対策について紹介しました。
本記事が少しでも皆さんの資格挑戦のお役に立てれば幸いです。
なお、後から知ったのですが、どうやら筆者が本資格の日本人初の合格者だったとUiPathの方から伺いました!(歓喜)
資格所有者を増やすためにも、周囲に積極的に本資格を紹介していきたいと思います。
ぜひ皆さんもIEPASv1に挑戦して、この貴重な資格を手に入れてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました!


