皆さんお久しぶりです。
ロボティックテクノロジーセンター(RBTC)の李です。

 

今回はUiPath Automation Hubの運用に役立つ機能をいくつかご紹介します。
UiPath Automation Hubについては、こちらを参照ください。

目次    
1.    アイデアの一括インポート
2.    評価のカスタマイズ
3.    アイデア検索条件の簡易化
4.    まとめ

 

中外製薬株式会社様 UiPath Automation Hub 活用事例 | CRESCO Solution Site

1. アイデアの一括インポート

UiPath Automation Hub では自動化候補業務を「アイデア」として提出し、組織内にどんな自動化候補の業務があるかを一元管理するという主要機能があります。

アイデアの提出は通常、以下のようにUiPath Automation Hubの画面の右上にある「アイデア」提出から行います。

図1:通常のアイデア提出
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図1:通常のアイデア提出

しかし、UiPath Automation Hubの初期導入時や組織内の業務自動化年間計画を立案時といったように、いくつもの自動化候補業務を事前に提出しておきたいシーンがあるかと思います。

このように事前提出したいアイデアがまとまっている時に使用するのが「パイプラインをインポート」機能です。この機能はあらかじめ提出したいアイデアの情報を記載したCSVをインポートしてアイデアを作成することができます。

 

この機能でインポートする場合に設定できるアイデア情報を以下表にまとめました。

項目 必須
オートメーション名
提出日
提出者のメール アドレス
プロセス所有者のメール アドレス
カテゴリ 1
カテゴリ 2
カテゴリ 3
カテゴリ 4
カテゴリ 5
フェーズ(提出時の固定値)
ステータス(提出時の固定値)
開始日
Automation ID
説明
Pain points
Negative impact
分かりやすい意思決定ルールがある
入力データはデジタル化されている
データはほとんど形式化されている
プロセス ドキュメントの有無
表1:入力項目一覧

各項目の説明はここで省略しますが、後述のインポート手順にてインポートするCSVのテンプレートのダウンロード箇所を示しています。各項目の詳細な説明はテンプレート内にて記載がありますのでそちらをご覧ください。

 

上記項目の内、必須となっている項目以外は空欄でもインポートが可能です。

インポート後にあとから個別にアイデア内の詳細情報の編集もできます。

 

ここで押さえておきたいポイントは、「提出者のメールアドレス」、「フェーズ」、「ステータス」を事前に設定できる点です。

通常のアイデア提出では、アイデアの提出者は実際にアイデアを提出したユーザーになりますが、「パイプラインをインポート」ではインポートしたユーザーに関係なく提出者を設定できるため、各アイデアの担当者を個別設定する必要がありません。

 

また、フェーズやアイデアも通常のアイデア提出であれば提出完了後は「アイデア」フェーズから開始しますが、インポート後のフェーズやステータスも事前に設定することができます。そのため、UiPath Automation Hubの初期導入時のすでに本稼働している自動化業務の登録時に「本稼働」フェーズで提出できるため便利です。

 

インポート機能の利用手順は以下です。

※本手順はUiPath Automation Hub内でインポート権限を持つユーザーしか実行できません。

 

図2:管理コンソールクリック画面
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図2:管理コンソールクリック画面

②   管理コンソールタブの「プラットフォームの設定」から「パイプラインをインポート」をクリック

図3:「パイプラインをインポート」クリック画面
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図3:「パイプラインをインポート」クリック画面

③    インポートページが表示されるので、「CSVアップロード」を選択
※「CSVテンプレートをダウンロード」でインポートするCSVのテンプレートを取得できます。
 

図4:「パイプラインをインポート」の画面
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図4:「パイプラインをインポート」の画面

④    提出するアイデア情報を記載したCSVファイルを選択

図5:インポートするCSV選択画面
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図5:インポートするCSV選択画面

⑤    インポート完了のポップアップの「OK」を押下

図6:インポート完了ポップアップ
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図6:インポート完了ポップアップ

⑥    画面下部にインポートしたアイデア情報のプレビューが表示されるので内容を確認し、問題なければ「更新を同期」をクリック

図7:インポート後画面
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図7:インポート後画面

※存在しないユーザーやカテゴリ情報でインポートすると以下のようにエラー箇所を赤枠で教えてくれます。

図8:エラー発生時のインポート後画面
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図8:エラー発生時のインポート後画面

⑦    以下のポップアップが表示されれば更新完了

図9:更新完了画面
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図9:更新完了画面

2. 評価のカスタマイズ

続いて紹介するのは、アイデアの様々な評価項目をカスタマイズする機能です。

「評価のカスタマイズ」には「管理コンソール」→「プラットフォームの設定」のメニューからアクセスすることができます。

図10:「評価をカスタマイズ」クリック画面
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図10:「評価をカスタマイズ」クリック画面

「評価のカスタマイズ」で編集できる評価は色々ありますが、各評価の説明は今回省略します。ここでは評価のカスタマイズ画面で操作できる機能をご紹介します。

図11:評価のカスタマイズ画面
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図11:評価のカスタマイズ画面

①    カスタム評価の作成
ここではカテゴリ単位で適用できる新規のカスタム評価を作成することができます。
提出されるアイデアのカテゴリごとに記入項目をコントロールしたい要件がある場合に使用します。

 

評価のカスタマイズではカスタム項目として以下のようなものが作成できます。
・複数選択項目
・単一選択項目
・フリーテキスト項目
・パーセンテージ
etc...
複数選択には選択肢によって後続の質問の分岐なども設定できます。
各項目は表示オプションなどもあるので、要件に合わせて様々なカスタマイズが可能です。

 

②    既定のバージョン設定
ユーザーがアイデアを提出する時にデフォルトで使用されるバージョンを既定のバージョンとして設定することができます。

③    バージョン履歴管理
各評価はバージョン別に管理することが可能で、既定のバージョンをその中から選ぶことができます。また、各バージョンが使用されているアイデアの一覧を確認することができます。
もし既存のアイデアの評価を別バージョンに移行したい場合は、下図のようにアイデアの編集画面から各評価で使用するバージョンの指定が可能です。
 

図12:アイデア編集画面で適用バージョン選択
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図12:アイデア編集画面で適用バージョン選択

3. アイデア検索条件の簡易化

最後は、機能というよりはちょっとした小技をご紹介します。
UiPath Automation Hubでは「オートメーションプログラムを検索」や「オートメーションパイプライン」といったようにアイデアを検索する機能や検索した結果をビューとして保存する機能が備わっています。
この検索機能をより活用するための小技が検索済みURLの作成です。
例えば、「オートメーションプログラムを検索」で特定のアプリを使用したアイデアを検索しようとした場合、まず下図のようにカテゴリを指定しなければなりません。全アイデアから検索したい場合は全てのカテゴリ毎回チェックを入れる必要があり面倒です。
 

図13:カテゴリフィルター中の画面
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図13:カテゴリフィルター中の画面

より検索を楽にするために利用するのが検索済みURLです。
1度すべてのカテゴリにチェックを入れてフィルターした後のページURLにご注目いただきたいです。
 

図14:フィルター適用後画面
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図14:フィルター適用後画面

以下に図内のURLを抜粋しました。

https://cloud.uipath.com/[テナント名]/DefaultTenant/automationhub_/explore-automation-program?category=1,2,3,4,5,6&page=1
 

後半部分にある「category=1,2,3,4,5,6」という部分から分かるようにフィルターしたいカテゴリの番号がURLに入っていることが分かります。
そしてこのURLに新規タブのブラウザからアクセスするとカテゴリが選択された状態のページが表示されます。
このように、よく使うフィルター条件は一度URLをメモさえしておけば毎回複雑な検索フィルターを実施する手間を省くことができます。
「オートメーションパイプライン」も同様です。

 

この小技を利用すれば、特定の条件を満たすアイデア一覧の調査結果をURLの連携だけで行うことができます。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はUiPath Automation Hubの運用に役立つ機能をご紹介させていただきました。UiPath Automation Hubの導入支援や運用保守のヒントになれば幸いです。

今後UiPath Automation Hubの新機能を紹介していければと思いますので、次回もお楽しみいただければと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。

 

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