こんにちは。
Creageビジネス事業部 第三部のAo です。
今回も飽きずにNutanix関連の記事を投稿したいと思います。
本記事は、Nutanix CE 2.0をVMware Workstationに導入して実際に触ってみる内容となっています。
試しにNutanixを触ってみたい!という方、ぜひ本記事を参考にNutanix CEを導入して遊んでみてください。
目次
- Nutanix CEってなに?
- 環境について
- ISOを入手しよう
- 仮想マシンの作成
- Nutanix CEのインストール
- Prismにログインしてみよう!
- まとめ
1. Nutanix CEってなに?
Nutanix CEはNutanix Community Editionの略であり、Nutanixを自身の持つハードウェア上に導入して無料でお試し利用できる製品です。
導入先のハードウェア要件はありますが、利用者自身が持つ好きなハードウェア上にNutanixをインストールし、実際に利用できる点は非常に有用なサービスだと思います。
Nutanix CEを商用利用することはできませんのでご注意ください。
あくまで、「Nutanixを使いたいけどどんな製品なのか分からない」、「実際に触ってみたい」などの用途に適した製品になります。
また、様々なワークロード別にNutanixを無料でお試し利用できるNutanix Test Driveというサービスもありますので、自分で導入するのはハードルが高いと感じる方は、まずNutanix Test Driveを触ってみることをおすすめします!
※Nutanix Test Driveは自身で環境を用意する必要がありません
Test Driveの公式サイトのリンクは以下になります。
https://www.nutanix.com/jp/one-platform
2. 環境について
今回の検証環境をご紹介します。
PrismやNutanixのプロセスの動きを確認するだけであれば、必ずしも物理サーバに導入する必要はないので、今回はWindows上のVMware Workstationで仮想マシンを立て、その上にNutanix CEを導入したいと思います。
なお、Nutanix CEで推奨される主なハードウェア要件は以下になります。
表1:Nutanix CEで推奨される主なハードウェア要件
項目 |
推奨される要件 |
---|
CPU |
4コア以上 |
メモリ |
最低20GB(32GB以上を推奨) |
NIC |
1GbEおよび2.5GbEのIntelもしくはRealtekのNIC |
ストレージデバイスの数 |
ノードあたり最大で4 |
Cold Tier(※)のストレージデバイス |
500GB以上のHDDもしくはSSD |
Hot Tier(※)のストレージデバイス |
200GB以上のSSD |
※Cold Tierはアクセス頻度の低いデータを格納する領域で、Hot Tierはアクセス頻度の高いデータを格納する領域になります。
ざっくりとした絵ですが、今回の検証環境のイメージ図を掲載します。
スペック等は以下の通りです。
表2:検証環境のPCのスペック等
大項目 |
中項目 |
スペック/バージョン |
---|
ノートPC |
OS |
Windows 11 Home |
CPU |
AMD Ryzen 7 6800U |
メモリ |
32GB |
VMware Workstation Player |
バージョン |
17 |
仮想マシン |
CPU |
4 core |
メモリ |
21GB |
インターフェースの接続 |
NAT(VMnet8) |
ディスク1 |
20GB(SCSI) |
ディスク2 |
500GB(SATA) |
ディスク3 |
200GB(SATA) |
なお、本記事ではVMware Workstationの導入やノートPCのCPUの仮想化支援機能(Interl VTやAMD-Vなど)の有効化は済んでいるものとして進めますのでご注意ください。
3. ISOを入手しよう
まずはインストールに利用するISOを入手しましょう!
Nutanix CEのISOはNutanixのCommunityサイト(公式)からダウンロードできます。
https://next.nutanix.com/discussion-forum-14/download-community-edition-38417
Communityサイトにアクセスするにはアカウント登録が必要となります。
もちろんアカウントは無料で作成可能です。
Nutanix CEのISOダウンロード以外にもNutanixの最新情報やCommunityメンバが執筆しているブログなどを参照できるので、ぜひアカウント登録してみてください!
上記のURLにアクセスしたら、「Login」をクリックします。
アカウント未作成の場合、「Sign up now」からアカウントを登録します。
ログインできたら「phoenix-ce2.0-fraser-6.5.2-stable-fnd-5.3.4-x86_64.iso」のISOを探してダウンロードしましょう。
4. 仮想マシンの作成
次にNutanix CEの導入先となる仮想マシンを作成します。
作成におけるポイントは以下の通りです。
- OS種別
- CentOS 7とする
- ディスク
- 仮想ディスクは単一ファイルとして格納
- SATAの500GBと200GBのディスクを追加
- ハードウェアのカスタマイズ
- メモリを約20GB、プロセッサを4 core、ネットワークをNATに変更する
- プロセッサの設定項目でIntel VT-x/EPTもしくはAMD-V/RVIが有効になっていない場合はチェックを付ける
- ネットワークはNATでなくても構いませんが、今回はNATで構築しています
- 新規CD/DVD(IDE)の接続設定に先の手順で入手したISOイメージを指定し、起動時に接続する設定を有効にする
以下のような構成になれば完成です!
※VMware Workstationのバージョンによって表示形式が変わると思うので、スクリーンショットは参考程度にしていただければと思います。
5. Nutanix CEのインストール
いよいよNutanix CEをインストールしていきたいと思います!
OSやハイパーバイザのインストールってなんだかワクワクしませんか??
流石に業務での数十台、数百台規模のインストールは自動化しますが(笑)
ISOは仮想マシン作成時点でマウント設定を行っているので、仮想マシンを起動すればインストール画面に進めます。
早速起動してみましょう!
正常に起動すると以下のような画面が表示されるので、各パラメータを設定しましょう。
それぞれの項目の説明は以下の通りです。
■Select Hypervisor
インストールするハイパーバイザを選択します。
ESXiはサポートされていないので、特にESXiを使った検証を行わないのであればAHVにしましょう。
なお、ESXiの場合はESXiのISOを指定する必要があります。
■Boot disk selection UI
ハイパーバイザやCVMのブートディスク、データ配置先のディスクを指定します。
デフォルトで設定された値から変更したい場合は画面の説明に従って変更します。
基本的には一番小さいディスク(約20GB)をハイパーバイザのブートディスクとし、Hot Tierのディスク(約200GB)をデータ、Cold Tierのディスク(約500GB)をCVMのブートディスクとすれば問題ありません。
■Host IP Address
ハイパーバイザのIPアドレスを指定します。
今回はVMware Workstationで用意されているNAT(VMnet8)のセグメント(192.168.150.0/24)からIPアドレスを払い出します。
■CVM IP Address
CVMのIPアドレスを指定します。
ハイパーバイザ同様に192.168.150.0/24からIPアドレスを払い出します。
■Subnet Mask
VMware Workstationで用意されているNAT(VMnet8)のサブネットを指定します。
■Gateway
VMware Workstationで用意されているNAT(VMnet8)のセグメントのデフォルトゲートウェイを指定します。
■Create single-node cluster?
インストール時にNutanixのクラスタを作成するか否かの問いになります。
インストール後に手動でクラスタを作成してもよいですが、今回はチェックを付けて自動で作成してもらいます。
※スペースキーを入力することでチェックが入ります。
なお、チェックを入れるとDNSサーバの指定が必要になるので、今回はgoogleのパブリックDNSである「8.8.8.8」を指定しています。
上記の設定が終わりましたら、Enterを入力して次に進みます。
次に進むとライセンスの同意画面が表示されるので、最後までスクロールして確認にチェックを入れ、「Start」を押しましょう。
なお、最後までスクロールせずにStartすると、インストールプロセスの中で以下のようなエラーが発生し、ライセンスの同意画面に戻されます…。
ですので、最後までしっかり読んで(スクロールして)からStartしましょう!
しばらく待つと以下のようにインストール完了のメッセージが表示されます。
仮想マシンからISOを切断したら、「Y」を入力して再起動します。
再起動からCVMが起動しきるまでに約10分程度かかりますので気長に待ちましょう。
起動すると、VMware Workstationを導入しているPCからAHV(ハイパーバイザ)とCVMに対してpingが通るようになります。
pingのレスポンスが返ってきたら、teratermなどでCVMにSSH接続してみましょう!
以下のユーザ、パスワードでログインすることが可能です。(パスワードは初期値)
ユーザ:nutanix
パスワード:nutanix/4u
まずは以下コマンドでプロセスの起動状態を確認してみます。
$ genesis status
コマンド実行が正常に終了すると、以下のようにプロセス名とPIDが表示されます。
foundation以外のプロセス名の横にPIDが表示された状態になれば、CVMの起動は完了です。
※foundationはハイパーバイザの再イメージングを行う時などに利用されるプロセスなので、普段は起動していない状態でOKです。
nutanix@NTNX-84eba346-A-CVM:192.168.150.101:~$ genesis status 2024-03-11 14:13:07.116654: Services running on this node: acropolis: [19461, 19739, 19740, 19741] alert_manager: [17943, 18688, 18689, 18754] anduril: [22192, 22900, 22901, 22902, 22921] aplos: [21868, 22170, 22171, 22175] aplos_engine: [20725, 21045, 21046, 21047] arithmos: [17962, 18748, 18749, 18818] athena: [16719, 17222, 17223, 17226] cassandra: [16093, 16173, 16174, 16175, 16365] catalog: [18846, 19302, 19303, 19305, 19316] cerebro: [17873, 18312, 18313, 18431] chronos: [17880, 18281, 18282, 18331] cim_service: [17934, 18605, 18606, 18646, 18647] cluster_config: [20713, 20975, 20976, 20977, 20985] cluster_health: [22376, 23077, <長いので中略…>, 26577, 26578] curator: [17893, 18382, 18383, 18464] delphi: [22035, 22495, 22496, 23354, 23370] dynamic_ring_changer: [16682, 17080, 17081, 17101] ergon: [17864, 18130, 18131, 18132, 18139] flow: [22113, 22889, 22890, 22894, 22918] foundation: [] genesis: [1983, 1986, 1990, 1991, 2851, 30546, 30571, 30572] go_ergon: [17867, 18186, 18187, 18208] hera: [17921, 18643, 18644, 18645] ikat_control_plane: [15687, 15811, 15812, 15814] ikat_proxy: [15408, 15495, 15496, 15497] insights_data_transfer: [17861, 18001, 18002, 18005, 18006, 18007, 18008, 18009, 18010] insights_server: [16698, 17145, 17146, 17232] lazan: [21955, 22370, 22371, 22372] mantle: [16758, 17273, 17274, 17297] mercury: [4034, 4135, 4136, 4145] minerva_cvm: [20708, 20931, 20932, 20935, 21168] nutanix_guest_tools: [19597, 19882, 19883, 19897, 19924] pithos: [16689, 17009, 17010, 17018] placement_solver: [21889, 22267, 22268, 22269, 22281] polaris: [21977, 22438, 22439, 22506] prism: [17912, 18415, 18416, 18438, 18852, 18900] scavenger: [13941, 14061, 14062, 14063] secure_file_sync: [15693, 15900, 15901, 15902] security_service: [22063, 22609, 22610, 22611] ssl_terminator: [15690, 15868, 15869] stargate: [17623, 17677, 17678, 17686, 17687] sys_stat_collector: [14931, 14999, 15000, 15001] uhura: [19492, 19800, 19801, 19802] xmount: [13938, 14023, 14024, 14064] xtrim: [22310, 23031, 23032, 23033] zookeeper: [5708, 6508, 6509, 6704, 6861, 6884] nutanix@NTNX-84eba346-A-CVM:192.168.150.101:~$ |
※プロセスが起動しきっていない場合は、少し時間を置いてから再度「genesis status」を実行してください。
次にクラスタの状態を確認してみます。
クラスタの状態確認には以下のコマンドを利用します。
Tips:エイリアスとして「cs」が登録されているので、「cs」だけでも同様の結果が得られます。
$ cluster status
結果は以下の通りです。
全てのプロセスが「UP」になり、最後に「Success!」が表示されていればクラスタの起動もOKです。
nutanix@NTNX-84eba346-A-CVM:192.168.150.101:~$ cluster status CVM: 192.168.150.101 Up, ZeusLeader |
これでクラスタの起動まで完了です!
だいぶ長くなってしまったので、今回はここまでとさせていただきます。
※続きは次回のブログに掲載します。
6. まとめ
今回は一般のご家庭にあるノートPC上のVMware Workstationに仮想マシンを作成し、その上にNutanix CE 2.0を導入する流れをご紹介しました。
次回の記事ではPrismへの初回ログインの流れやCVMの各プロセスの動きを覗く方法について紹介したいと思います。
是非次回もご覧いただければ幸いです!
最後までお読みいただきありがとうございました!