目次

  1. はじめに
  2. セッション:AWS でレジリエントな分散システムを構築するためのデザインパターン
  3. セッション:OpenSearchのベクトル機能による検索の改善 
  4. ブース:AWS IoTとAmazon Bedrock によるパーソナルトレーナー
  5. 感想・まとめ

1. はじめに

はじめまして、TSC Techチームです。
普段は自社サービスの開発を行っています。

 

今回は、2024年6月20日から21日に開催された「AWS Summit Japan 2024」にチーム参加してきましたので、各メンバーが気になったセッション等をそれぞれの章で取りあげています。

 

また、弊社は「AWS Summit Japan 2024」にブース出展しておりましたので、そちらの模様は次回以降のブログに掲載予定です。

2. セッション: AWS でレジリエントな分散システムを構築するためのデザインパターン

今回はチームで担当しているサービスに取り入れられそうなテーマをピックアップして聴講しました。

 

※なお本項目で利用している画面などは、AWS Summitの公式ページから取得できますので、詳細はそちらを参照ください。(マイページへのログインが必要です)
AWS Summit Japan公式ページ

 

テーマはこちらです。

現在開発している自社サービスでは、いわゆるマイクロサービスアーキテクチャを採用しているため、この考え方はとても参考になりました。
合わせて、今までの経験がインフラばかりだったところに、自社サービスで初めてアプリケーション開発も担当することになり、アプリケーションレイヤーでどのような考慮が必要か把握していないこともあります。

 

特に印象に残ったポイントは以下です。

このあたりの単語自体、初めて聞いたものでした。
エラー処理は入れていますが、1回でエラーとしたりなど考慮できていないところが多かったです。
エクスポネンシャルバックオフは比較的取り組みやすい内容ですので、担当システムにも適用できるか検討したいと思いました。

またセッションの中では、ケーススタディとして架空のEコマースサイトを題材に取り上げ、どのようにサービスを分割していくかを考えていく内容もありました。
今まで単語は聞いたことがある程度の知識でしたので、大変勉強になりました。

その他にもためになるお話がたくさんあり、改めて担当しているシステムの見直しをしたいと思いました。
公式サイトには本セッションのオンデマンド配信もありますので、気になった方は見てみてください。

3. セッション:OpenSearchのベクトル機能による検索の改善

次に、2日目最終セッションで登壇されていたOpenSearchに検索精度を改善する内容の一部をご紹介します。

 

昨今、生成AIの技術の普及とともに、RAGの仕組みを使用した自社ドキュメントをベースにQA回答する要求が増えております。こちらのセッションもその要求を満たすための機能開発に役立つサービスとなっており、その仕組みを紹介したスライドは以下でした。

OpenSearch AgentsとLLMを連携させ、自社ドキュメント内の文章を引用し、かつ、 日本語と英語を両方出力になるよう出力される仕組みになるよう OpenSearch Agentsに設定を行っており、具体的な設定は下記の通りでした。

実際の出力結果は以下の通りで、ドキュメント内に引用元が存在する場合は引用情報を誤ることなく、かつAgentsの指示通り、日本語と英語両方の出力が行われております。

一方、ドキュメント内に引用元が存在しない場合はこちらも Agentsの指示通り、質問に対する回答が見つからなかった旨を正直に答えておりました。

<引用元が存在する場合>

<引用元が存在しない場合>

こちらの仕組みを参考にすることで簡単にRAGの仕組みを構築し、Agentsの切り替えを行うことで精度の評価がよりしやすくなるのではないかと思っております。また、AWS Summit開催中に Claude 3.5 Sonnetがリリースされ、Claudeの性能向上にも期待でき、早くもAWS Bedrockのバージニア北部(us-east-1)リージョンで利用可能となっておりますので、こちらの仕組みとかけ合わせて試してみたいですね。

4. ブース:AWS IoTとAmazon Bedrock によるパーソナルトレーナー

こちらは、AWS Villageにあった「AWS IoTとAmazon Bedrock によるパーソナルトレーナー」のブースになります。

カメラから取得した情報とフィットネスの正しいポーズ位置情報の違いから、正しいポーズへの矯正方法をアドバイスするシステムです。
画面右側の“どのポーズに何%近いか“と”どうすれば近づけるか“がAmazon Bedrockが出力しているとのことでした。
きれいに出力するためにプロンプトにこだわりがあるとのことでした。
(考え抜かれたプロンプトがびっしり書いてありました。)

Bedrockの自然言語の回答をそのままWeb画面にしてしまうあたりに生成AIの精度の高さがうかがえる展示と思いました。

5. 最後に

  • 今回のAWS Summitは、生成AIに関わる構成/サービスが多く、生成AIの盛り上がりを改めて感じるイベントでした。
  • 今回取り上げたセッション以外にも、大変勉強になるものがたくさんありました。できるだけ毎年参加するようにしていますが、日常業務から離れて新しい視点を得ることで、その後の業務にも大いに役立てることができると感じています。また、セッションで得た知識とノウハウをチームで共有し、今後のプロジェクトに具体的にどのように活かしていくかを検討していきたいです。
  • 皆様も是非実際のイベントに参加し、最新の技術を体感しながら学習してみてください。