IoTを成功させるためのクラウド活用とは?

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 IoT元年といわれた2015年から1年が経ち、多くの分野で活用事例が増えてきたIoT。そんなIoTの活用にはクラウドの存在を無視できません。

 IoTにおけるクラウドの活用シーンやメリットをご紹介しながら、効果的なクラウド活用を考えます。

IoTを成功させるためのクラウド活用とは?

IoTとクラウドは相性が良い

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 IoTという分野はまだ手探りの部分が多く、利用用途や実現手法についてこれといった教科書的な答えが無いのが現状です。

 例えば、「自動車の走行情報を収集して、自動車の状態に合わせたメンテナンス案内を行う」サービスを実現するためのシステム開発を考えます。

 自動車の状態を判断するには、運転状況や、燃費、エンジン回転数、バッテリー電圧など膨大なデータの中から必要となるデータを収集して分析する必要があります。また、サービス対象の車種やサービスメニューによっても取り扱うデータの種類やデータ量が大きく変化します。

 上記のようにIoTの活用には、膨大なデータを取り扱う必要があり、必要となるデータ量の予測が困難であるケースが一般的かと思います。

 そこでクラウドの活用が効果的となります。クラウドを活用すると、予測できない将来のデータ量に対して余剰リソースを確保する必要はありません。クラウドサービスでは一般的に従量課金制が導入されているため、使った分だけ利用料を支払えばよいのです。足りなくなれば、簡単に追加も可能で、実質無限の拡張性を確保できます。

 この拡張性が、IoTとクラウドが相性が良いといわれる理由です。

AWSで実現するIoTのデータ処理

 IoT活用において、具体的にどのようにデータ処理が行われるかを「健康アドバイスサービス」をモデルケースとしてご紹介します。

 「健康アドバイスサービス」は腕時計型の活動量計や体重計、血圧計から生体データを吸い上げてスマホアプリから登録する食事等の生活行動データと突き合わせて総合的に分析します。そして、分析した結果に応じて健康状態を良好にするためのアドバイスを行うサービスとします。この「健康アドバイスサービス」をパブリッククラウドにおけるリーダーと位置付けられるAWS(アマゾン ウェブ サービス)を使った場合、以下の様な流れで行うことが可能となります。

※文中の斜体箇所はAWSのサービス名となります。

「健康アドバイスサービス」構成図

  1. AWS IoT を利用して活動量計、体重計、血圧計の機器とAWSを認証処理や暗号化機能が施されたセキュアな状態でつなぐ
  2. AWS IoT を利用して機器から生体データを取り込み、Amazon Kinesis Firehose を経由して耐障害性99.999999999%の堅牢な  Amazon S3 (クラウドストレージサービス)にデータ保管するストリームデータ処理が行われる
  3. スマホアプリから登録される食事データは、Amazon Cognito で認証処理が行われた上で、大量のトラフィックと高い可用性を実現するNoSQLデータベースサービスの Amazon DynamoDB に保管される
  4. AWS Data Pipeline を利用して定期的に生体データと食事データを分析用データベースの Amazon Redshift に取り込む
  5. AWS Lambda を利用して定期的に機械学習処理プログラムを実行する。機械学習処理プログラムでは Amazon Macnine Learning を利用して分析用データベースに蓄積された生体データと食事データに対して機械学習処理を行う
  6. 機械学習処理プログラムで抽出された健康上好ましくない生活パターンや体調変化および、生活改善のアドバイス項目が Amazon DynamoDB に保管される
    ※事前に生活パターン等のデータ登録や好ましくないパターンの定義が行われている前提
  7. 「健康アドバイスサービス」のスマホアプリに対して生活改善のアドバイスが作成されたことをプッシュ通知を行う Amazon SNS にて知らせる

 上記で記載したAWSクラウドのサービスは全てマネージドサービス型で提供されるもので、利用者のシステム開発や運用保守作業の負担が大きく削減されるものです。

 例えば、OSレイヤーのセキュリティパッチ適用はAWSが責任を持って行い、処理量に応じたコンピューティングリソースのサイジングに関する調整もDynamoDBを除いては不要となります。こういったサービスを組み合わせて使うことで、仮想サーバを使わないサーバレスアーキテクチャを実現でき、サーバ管理から解放されます。

 また、システム開発や運用保守の負荷が軽減されることで、コストリソースや人的リソースを本来実現したいビジネスの目的達成に向けた施策に活用できることが、大きなメリットになることでしょう。

最後に

まとめ

 IoTが今後幅広いシーンで利用されていくにあたり、クラウドも大きく進化していくことが予想されます。

 例えば、膨大な画像データを認識する画像認識サービスや店舗カメラに映った顧客の表情を読み取る顔認識等のテクノロジーがクラウドサービスの一部として提供され始めています。また、IoTの活用においては主要な利用シーンに応じたデザインパターンが確立されて、利用シーン毎に最適化されたクラウドサービスが提供されることも予想されます。

 こういったクラウドの進化によりIoTの本格的な普及が進み、ビジネスに与えるインパクトがより大きくなることでしょう。そして、クラウドをいかに使いこなすかがIoT活用の1つのポイントとなるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

M T

M T

ITインフラ関連を中心に大規模システムの構築・運用を経験。 近年はクラウドソリューションの企画/開発や金融機関等へのクラウド導入コンサルティングを多数行う。 家系ラーメンが好きでスープまで飲み干すので、のどが渇く。 AWS認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル

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