IoTとヘルスケア

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現在は普段の活動を計測するために腕に装着するタイプが最適

少子恒例化に伴う医療費財源問題

日本の少子高齢化は世界に類をみないスピードで進展し、医療費は年間40兆円を超え、毎年1兆円ずつ増加しています。
今や日本の医療費、国民皆保険制度は待ったなしの危険な状況にあるといえます。

お金を稼ぐ現役世代より年金暮らしの老齢世代の人口が上回っているので、いくら医療費削減と政府が掛け声をかけてもそう簡単に解決する問題とも思えません。

いよいよ5割負担の時代がくるのか

では、いよいよ健康保険の本人負担は4割5割へ引き上げられてしまうのでしょうか。確かに戦前は5割負担の時代もあったようですが、消費税を5%から8%にあげるだけでもあれだけ大騒ぎになったくらいですから医療費の本人負担5割なんて話を出したら国民の大反発は免れないと予想できます。

そもそも今の3割負担の段階でも、保険に加入はしているものの窓口負担金が払えず受診をあきらめ重病化させてしまうケースなど多く見られているのに、さらに負担を増やせば国民の健康を守ることはできなくなってしまいます。

 医療費増加の原因は何か

expensivePillsほんとうに何も対策はないのでしょうか?そもそも医療費が増えているのは高齢化もそうですが、食の欧米化などに伴う生活習慣病の増加が大きな原因と考えられています。生活習慣病は、もともとは40代から60代の働き盛りに発症することが多いことから成人病と呼ばれていましたが、発症年齢も若年化してきており30代どころか20代で発症する人も増えてきているようです。今や日本人の3人に2人は生活習慣病で亡くなっているというのが現実です。

糖尿病の怖さ

糖尿病はもはや国民病ともいわれており、予備軍も入れると2000万人を超えています。実に日本人の5人に一人は糖尿病の危険があるということです。

糖尿病の初期は自覚症状がほとんどないため気づかずに重症化させてしまうことが多いようですが、怖いのは様々な合併症を引き起こすことです。最悪は人工透析を受けないと生きていられない状態になるのですが、糖尿病が原因で人工透析を受けている人がどれくらいいると思いますか?10万人以上です。人工透析の費用は患者一人当たり年間500万円なので、年間5000億円の医療費がつぎ込まれているのです。

突然死の原因となる心臓病や脳卒中と比較して、糖尿病は同じ生活習慣病の中でも飛びぬけて医療費に負担をかけているのです。

現代人は過食や運動不足で肥満になりがちですが、肥満を放置し続けて糖尿病になってしまう人が増えていることはご存知でしたか?

医療費の穴埋めにあなたのカラダに脂肪税が課せられる日がくるかもしれません!

厚生労働省も何とかしようと、メタボ改善に成功した企業や保険組合の保険料を引き下げるような計画もあるようです。

生活習慣の改善、今でしょ

生活習慣病はその名の通り好ましくない生活習慣に起因して発病するので、生活習慣を改善すれば発症を抑えられることになります。ならば改善すればいいだけの話のようですが、そう単純なものでもありません。そもそも自分の生活習慣は良いのか悪いのか?お医者様に厳重注意されている人以外は何をどう改善するのか、このままでもいいのかわからないと思います。特に20代30代の人は自分が大きな病気をすることなどはないだろうという根拠のない自信があると思います。
私も若いころは生活習慣病なんてことばは右から左に流れていくだけで生活習慣を改善しようなどと考えたことはありませんでした。ただ、生活習慣の改善は20代でも早すぎることはないし50代60代でも、すでに発病していても遅すぎるということはないようです。

治療から予防へ

時代の流れは「治療医学」から「予防医学」へ、「病気になったから病院で治療する」ではなく「病気にならないように生活する」へと変わりつつあります。国民のひとりひとりがこの流れに気づき、生活習慣に気を配れるようになれば医療費を劇的に減らしていくことができるのではないでしょうか。

最近買った「活動量計」というもの

筆者も体にガタがくる年ごろを迎えて、健康に気を付けるようになりました。最近買ったお気に入りがリストバンドタイプの活動量計です。4か月ほど使ってみましたが、まだまだ飽きたりせず毎日チェックしています。何が便利かというと、

(1)睡眠の質がわかる

ご存じとは思いますが睡眠中は脳を休めるための深い眠りと筋肉を休めるための(脳は活発に動いている)浅い眠りを繰り返しています。眠りが浅いと長時間寝ても脳の疲れが取れないので目覚めたとき熟睡感がありません。活動量計を装着していれば、自分の眠りの質がどうなっているのかを毎日確認できます。またバイブレータの目覚まし機能では、起床時間になっても深い眠りの最中であれば時間をずらして浅い眠りの時に起こしてくれます。おかげでいつも寝ざめはさわやかになりました。またお酒を飲み過ぎた日の眠りは浅くなっており(意外かもしれませんが深酒=深眠にはなりません)翌朝少し落ち込みます。

(2)24時間の心拍数の変化がわかる

昨年不整脈で大きな手術をしたこともあり、心拍の変動に常に気を付けておきたいので非常に助かります。だいたい平常時は70、睡眠時は50、日中の負荷が高いときで120くらいです。特に意味もなくこの数値より上や下になることがあったら要注意です。本来はアスリートやダイエット中の人が運動強度を知るためにあるのですが、運動しない私にもありがたい機能です。

(3)ストレス度合がわかる

心拍数の変化により交感神経と副交感神経のバランスがわかり、ストレス状態なのかリラックス状態なのかがわかります。ちなみに私が1日のうちで一番ストレス度が高いのは仕事中ではなく寝る1時間前です。なぜ?オンラインで対戦ゲームをやってるからです(笑)

(4)客観的なアドバイスがありがたい

日々の目標値(歩数とか睡眠時間とか)をクリアしたとき褒めてくれるくらいのことで単純に喜んだりはしませんが、週末になると先週より歩数が何歩少なくなっているとか、平均就寝時刻は何時何分だとか、他の人の平均値と比較しながら教えてくれ、来週はちゃんと健康的に過ごすぞという気にさせてくれます。

活動量計、今・・・昔

少し前の活動量計というとポケットに入れておくと歩数や消費カロリーがわかるだけのものでした(しかもクラウドなんてなかったので1週間か2週間前のデータは自分で控えておかない限り消えてしまいました。今は3か月前のデータもすぐにグラフで確認できるので、便利になったなあと思います。

ところで最近の活動量計は心拍センサーが内蔵されていることが当たり前になってきました。リストバンドで心臓の鼓動がわかるわけではありませんが、脈拍数≒心拍数なので、心拍数という表現を使っている製品が一般的です。

心拍数を気軽に測ることで自分の状態を健康に保つ

どうやって計測しているのか

なぜ手首で脈拍が測れるのかというと、血液中のヘモグログロビンが緑色の光を吸収する性質を利用して、血管に向けて1秒間に数百回LED光を照射して、それぞれの照射ごとの吸収・反射率から脈波形を取得するという原理です。光センシングの応用範囲は心拍だけでなく血圧や血糖値が取れる製品へとさらに広がっていくようです。

生体センシング技術の進歩

生体センシングができるウエアラブルデバイスはリストバンドやウォッチだけでなく、本人より先に眠気を検知するメガネ(眼球や瞼の動きをモニタリングしている)や正しい歩行姿勢を教えてくれる靴、心拍センサーを縫い込んだシャツなどが次々に手ごろな価格で発売され始めています。
さらに技術は進歩は続き、採血せずに血圧や血糖値の取れる「非接触」「非侵襲」デバイスの登場によりバイタルデータ収集はごく日常的なものになっていくと思われます。

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こうして、低価格のウエアラブル生体センシングデバイスが市場に出回り、病気の人だけでなく健康な若い人も含めた多くのバイタルデータが収集されるようになるとどうなるのでしょうか。

医療データベース

医療データのデータベース化はかなり進んでおり主なものとしては

(1)定期健康診断や人間ドックのデータ

これは企業に保管と報告の義務があるのでデータベース化されています。自由業などのサラリーマン以外の人も年に1回の健診は義務づけられているので、入れ物は別ですがデータベース化されています。

(2)レセプト(診療報酬明細)データ

レセプトといってもあまり耳慣れないかもしれませんが、病院でお会計するときにもらえる明細書です。どんな検査をして、どんな薬を出したのでそれぞれ何点でおいくらです― というような内容が記載されています。これは医療機関が水増し請求したりしないようにするため、しかるべき機関が審査してから健康保険組合に請求される仕組みに使用されるものでほぼオンライン化されています。

(3)カルテ

電子カルテはかなり前から普及していますが、フォーマット統一の難しさなどもあり、データベース化という意味では遅れており今後の課題とされています。

 

これらの医療データだけでもすでに何十億件もの蓄積があり、活用はされていますが、年に1度の人間ドックや病気になって病院に行った人のデータに過ぎません。このデータに加え膨大な数の健康な人の日々のバイタルデータも合わせて分析することにより、日常生活と生活習慣病の因果関係がより明確になり、病気の早期発見・早期治療、重症化予防などに結びつくことになると思います。

世界一健康な国へ

IoTというとスマート○○とかと呼ばれる産業系・生活インフラ系の話が浮かんできますが、IoTは日本の医療費を削減し、世界一健康な国にしていくための重要な鍵になると思います。

この記事を書いた人

海野 平和

パンチカードも8インチフロッピーも使ったことがある業界30年のベテラン。経験分野は金融、流通、製造、インフラ構築、品質管理、営業企画、プロジェクトの火消し、新規ビジネス企画とオールラウンドプレイヤーという名の「なんでも屋」である。「IoTで社会への恩返しをする」のが仕事人としての最後のミッションと考えている。 もういい年なんだから、ゲームにはまるのはほどほどに(^^)

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