IoTでオムニチャネルがさらに加速!次の戦略は?

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出勤前のスキマ時間にスマートフォンで商品を注文することができる時代になった

セブンアンドアイのオムニセブンは世界初!?

オムニセブンを知っていますか?セブンイレブンやイトーヨーカドーで有名なセブン&アイ・ホールディングス(以下 7&i )のリアル店舗とネット店舗を統合するオムニチャネル戦略が注目されています。TVや新聞、インターネット等でニュースに上がっていたこともあり記憶に新しいでしょう。

セブン&アイ・ホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役会長:鈴木 敏文)は、かねてより準備を進めてまいりましたリアルとネットを融合した世界唯一のオムニチャネル、『omni7』を 11 月 1 日(日)にグランドオープンいたします。 2015/09/24 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 「セブン&アイグループの『omni7(オムニ セブン)』始動!」

世界初の理由は!?

このオムニセブンはコンビニエンスストアや総合スーパー、百貨店や専門店などのリアル店舗とネット店舗が業態を超えて融合されている事から、世界初のオムニチャネル戦略と言われています。エリアは限定されますが、朝7時までにネット注文を済ませると当日のうちにどの店舗でも受け取れるという画期的なサプライチェーン網とシステムが整備されました。これは複数の業態を持つ7&iだからこそできる小売の戦略だといえるでしょう。  

イオンも追撃?

イオンもグループを横断した「AEON.com」というサイトをオープンさせました。イオンスクエアやイオンネットスーパーをはじめ、今後はこのサイトに集約し、オムニチャネルを推進していく事になりそうです。

ネットがリアル化

最近ではリアルとネットの相乗効果を狙った戦略を耳にするようになりましたが、業態がリアル店舗から始まったか、ネット店舗から始まったかによってアプローチが異なっています。

先ほどの7&iの事例ではもともと洋品店であったイトーヨーカドーが複数の事業を吸収し現在の7&iの形になっていますが、一方でECサイトの最大手であるAmazonはインターネット書店から事業が始まっています。いずれの店舗も今ではネット展開をしているため、PCやスマートフォン、タブレットなどから商品を購入することができますが、それぞれのサプライチェーンは大きく異なります。

ネットが強みの企業がリアルに進出するパターン

ネット店舗がタッグを組むパターン

実店舗を出さないまでもリアル店舗を構える企業と提携したりと複数企業でオムニチャネル化するトレンドが幾つか見受けられるようになりました。

  • リアル店舗スタッフのコーディネートが見られるようになった「ZOZOTOWN
  • Amazon

オンラインでのユーザー体験で培ったロイヤリティを武器にオフラインのユーザー体験をしてもらうというネットからリアルを拡張した動きですね。  

オムニチャネルとは?

omni_channel

オムニチャネルとは顧客とのあらゆる接点がシームレスにつながり「いつでもどこでも」を実現する考え方のことを指します。オムニチャネルはomnichannelの2語からなる言葉で、オムニとはラテン語が由来で「すべての」といった意味を持ちます。つまり、チャネルが複合化されて繋がっている状態となります。完全に統合され、あらゆるチャネルから顧客にアプローチができている状態でなければなりません。

マルチチャネルとクロスチャネルとオムニチャネルはどう違うの?

オムニチャネルというキーワードはアメリカのメイシーズが最初に使い始めたと言われていますが、オムニではないチャネルとはどういうものでしょうか。

シングルチャネル

店舗のみ、通信販売のみ、PCブラウザのみのECサイトといった1つの販売経路しか持たない形態を指します。これは普通の店舗をイメージすれば良いので特に難しくはないでしょう。

マルチチャネル

複数の販売経路はありますが、それらの相互作用が起きていない状態を指します。例えばリアル店舗の他にFAXやハガキなどからの注文を受け付けることで顧客を増やすことができますが、それぞれの顧客は別の属性なので、それぞれのチャネルを使いまわすことはしません。

クロスチャネル

それぞれのチャネルからの顧客データが共有されて活用されている状態となっています。例えばリアル店舗で購入した顧客がメール会員になっていて、メールからWebサイトに訪問してWebから注文をしたりなどというチャネルを超えた販売が可能となっています。

オムニチャネル

あらゆるものが統合された状態。「いつでもどこでも」という説明がされるように、複数のチャネルから購入ができ、複数のチャネルではなく1つのブランドとして認知されるようになってきます。  

O2Oとは

o2o

オムニチャネルと合わせて使われる用語としてO2O(オーツーオー)というキーワードがあります。オムニチャネルとO2Oの違いは何でしょうか?

送客マーケティング

O2O とは On2Off と表記されることもありますが、 Online to Offline (オンラインツーオフライン)の略語で、オンラインで集客した顧客をオフラインへ送る、つまりECサイトのようなネット店舗からスーパーや書店などのリアル店舗へ、ということになります。 政府の平成27年(2015年)の情報通信白書内では Offline to Online とも説明しており、ネットとリアルの相互作用としてオムニチャネルの説明をあげています。

一方で、O2Oはかつて米国グルーポン社などが始めたネットクーポン等の実店舗への誘引施策が日本にも入ってきた経緯があるため、「O2O」と単に言う場合はスマートフォン等によるクーポン配信など「Online to Offline(ネットからリアルへの誘引)」のみを指すことが多い。しかし、インターネットやスマートフォン等の普及に伴い、ユーザーがいつでも身近にインターネットと繋がるようになったことで「Offline to Online(リアルからネットへの誘引)」の仕組も相互に融合し、両者の販売チャネルの境目がなくなってきた意味が大きい。 ※「すべての(オムニ)顧客接点(チャネル)」という意味で、オムニチャネルと呼ばれることもある。 総務省 情報通信白書 平成27年版 「第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか」

※ご存知かもしれませんが、OとOの間にある2はto(ツー)を2(ツー)で置き換えたものです。B2B(ビーツービー:対企業取引)やB2C(ビーツーシー:対消費者取引)と同じ表現の仕方ですね。 このようにO2Oとはネット店舗であれリアル店舗であれ、一度来店していただいた顧客を別のチャネル(オンラインからオフライン、オフラインからオンライン)に送客するということを指しています。  

歴史的経緯

このオムニチャネルやO2Oという概念が広まってきた経緯は、ICTが様々な要因によって進化し、アナログとデジタルがより結びつきを強めることができるようになったからです。特に消費者側がスマートフォンやタブレットなどの情報端末が普及し、各企業がiOSやAndroidのアプリを出して使うようになってきたことでリアル店舗がネット店舗としてECサイトだけではなくダイレクトに顧客の情報を分析できるようになってきました。

ブリック&モルタルの時代

インターネットがまだ普及しておらず、ブリック(レンガ)とモルタル(建築材)でできたリアルな店舗が消費者にとってショッピングの中心だった時代を指します。やがて、ブリックがクリックに置き換えられる時代=ECサイトの台頭が始まります。

クリック&モルタルの時代

2000年頃に米国の証券会社チャールズ・シュワブの社長が「クリック&モルタル」という言葉を使いました。リアル店舗のみの業態からインターネットを活用してビジネスが始まります。ECサイトでネット注文するチャネルが増え、ネットショッピングがリアル店舗を駆逐するといった懸念さえされるようになってきました。

リアル店舗を持たなくてもインターネットがあれば起業できるということでドットコムバブル全盛期の時代でもあり、ドットコム企業などと呼ばれる会社もありました。ただし、この時代は注文の手段がインターネットからというするだけで、大量の注文データを取得できていたとしても、それらのデータを解析する為に多大な労力が割かれ、コストが見合わないのでただデータは溜まるだけという企業も多い状況でした。

オムニチャネルの時代

前述のように、現在は顧客とのあらゆる接点がシームレスにつながり「いつでもどこでも」を実現する時代となりました。多くのクラウドベンダーが登場してきたこともあり、必要な時に必要なリソースを揃えて解析もきるようになりました。

各企業があの手この手を使って顧客との接点を作るようになり、IoTでオムニチャネルが推進されるケースも出てきました。前述のAmazonDashButtonといった、ただボタンを押すだけで注文が完了するといった驚きの装置がタダで配られるようになった背景にはセンサーの価格が下がってきていることが大きな要因と言えるでしょう。政府の平成27年(2015年)の情報通信白書では

今、IoTが注目されている大きな背景は、こうしたコストの低減化につながる技術革新が進展しているからである。たとえば、データを収集するための通信機器やセンサーはコモディティ化が進んでおり、十分な機能を持つ小さなデバイスを安価に実現できるようになってきている(図表5-4-1-4)。 総務省 情報通信白書 平成27年版 「第2部 ICTが拓く未来社会」

とあるように、センサーの単価が10年前と比べて約半分の価格になっていることがわかります。 また、ハード面だけではなく、オープンなソフトウェアが普及し、ハード面でもソフト面でもICTの進化によってデジタル化が進み、顧客への接客するチャネルが増えました。  

IoTがオムニチャネルを促進

IoT(アイオーティー)とはInternet of Thingsの略語でモノのインターネットと訳されることが多く、周囲の温度や湿度、気圧や傾きといったセンサーの情報をインターネット経由で集めてビッグデータを作り、データ活用につなげていく文脈で使われるようになってきました。 IoTはデバイスを経由してインターネット上のデータストアにデータが溜まっていく性質からデバイスに焦点が行きがちですが、本来、Thingsというのは物だけではなく事も含まれます。つまりデバイスで発生した広義のイベント情報がデータとして蓄えられるという見方もできるのです。  

まとめ

ICT(情報通信技術)の発展とともに物流も進化し、消費者に対してより便利なサービスが提供されるようになってきました。特に近年のスマホやタブレットの普及が消費者のリアルとネットの融合を後押しし、オムニチャネル戦略を実現する企業が増えてきました。

これによりネット店舗に押されていたリアル店舗がよりユーザー体験を強化させてエンゲージメントを高めるチャンスを手に入れました。一方でネット店舗はリアルの要素をIoTを取り入れて追い上げようとしています。IoTというキーワードが注目されて期待が高まる一方、まだまだ運用面や技術面での課題もあります。今後はIoTのデバイスが緩やかに、そしていつの間にか普及している状態となるでしょう。

次の戦略に求められることは普及するIoTデバイスから収集されるデータをオムニチャネルの戦略へフィードバックさせて改善できる仕組みを実現させていくことであると考えられます。

この記事を書いた人

飯村 北海

飯村 北海

株式会社クレスコ入社後、旅行/運輸業のJava系Webアプリケーションエンジニアのキャリアを経て、技術研究所に所属。音声認識の実証実験やクラウドベースのデモアプリケーション開発等に従事。その後、HTML5やBeaconに関する自社製品のプロダクトマネージャーとしてWebサービスの製品開発に携わる。PMP®ホルダー。現在はアジャイル開発に興味を持ち、自社開発にアジャイルを取り入れようと画策中。趣味は写真とジョギング。

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