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グループの概況・戦略 [22期 中間]

~ 代表取締役社長 熊澤修一 インタビュー ~

逆風吹き荒れる中、新たなクレスコの芽は次々と
次期中期計画は2011年度スタートへ

熊澤修一 写真

Q.当中間期の経営成績はいかがでしたか?

 当中間期の連結売上高は前年同期に比べ7.9%落ち込みました。国内景況に回復の兆しが見えない中、減収についてはある程度予想していたとおりだったのですが、予想外だったのは、ほぼ決まりかけていた案件がお客様の都合で急遽延期になったり、規模が縮小されたり、あるいは計画そのものが白紙撤回されたりといった事態が相次いだことでした。それぞれの仕事に向けて確保していた人員が待機要員となり、開発要員の稼働率が大幅に低下しました。さらにお客様からのコストダウン要請が従来以上に強まったことも重なり、79 百万円の営業損失を余儀なくされました。
 セグメント別に説明しますと、ソフトウェア開発事業の売上高は49億15百万円と、前年同期比7.5%減少しました。とにかく市場の冷え込みが苛烈を極めており、中でも第1四半期は、新規案件がほとんどなくなってしまったような状況でした。第2四半期からは少しずつ市場が動き始めているようですが、売り上げに結びつくのはこれからになるでしょう。とくに最大の得意先である金融業界の動きが停滞しているのがつらいところです。
 一方、組込型ソフトウェア開発事業の売上高は12億91百万円と、前年同期比10.3%の減収となりました。こちらでは携帯電話向け、カーエレクトロニクス向けなどに需要そのものは比較的堅調に推移しているのですが、コストダウン要求が非常に厳しくなっています。とくに厳しいのがデジタルテレビを中心とする情報家電向けの仕事で、第1四半期よりも第2四半期、さらに下期に入ってからもコストダウン要請は強まる一方と、非常に苦しい戦いを強いられているところです。

Q.市場環境はまだまだ悪化するのでしょうか?

 現在の市場環境は混迷を極めており、先行きを予測することは困難な情勢なのですが、私はそれほど悲観的な見方をしてはおりません。ソフトウェア開発事業に関しては、これまで売上げが伸び悩んできたのは、お客様がハードウェアの入れ替えやそれに伴うシステム更改を遅らせてきたことが大きな要因でした。しかし、いつまでも古いシステムを動かし続けるわけにはいきませんから、必ず近いうちにリプレース(コンピュータシステム、データ、ハードウェアを既存のものから、同等以上の機能を有する新規のものに変更すること。)の動きが出てくるはずです。これは最大マーケットである金融業界にも言えることです。とくに現在の金融業界はITシステムへの依存度が高く、ITが競争力を左右すると言っても過言ではない業種ですので、いつまでも投資を抑えているわけにはいきません。つまり、需要は後ろにずれているだけで、消えてしまったわけではないということです。組込型ソフトウェア開発事業についても、先を読むのがなかなか難しい世界なのですが、年内は難しくても、年明け、あるいは来期には好転するはずだとにらんでいます。
 とは言っても、足下の景況に対応するためにはコストダウンにも引き続き懸命に取り組まねばなりません。前期末から第1四半期、第2四半期と残業時間は大幅に削減してきていますし、通信会社の変更による通信費の圧縮など、コストダウンへの取り組みは今後も手綱を緩めることなく、継続していきます。
 また、冒頭に申し上げたように、案件の延期や凍結などが相次ぎ、開発要員の稼働率が悪化した反省から、技術者たちがスキルの幅を広げられるような研修活動も強化しています。予定していた仕事が急遽流れてしまっても、すぐに他の業務に振り分けられるようにしようという試みです。一朝一夕で結果が出ることはないかもしれませんが、少しずつ成果も上がってきているようです。

Q.下期に向けて明るい材料はありますか?

 組込型ソフトウェア開発事業では、携帯電話・カーエレクトロニクス分野以外の用途をどうやって広げていくかが課題だったのですが、ようやく新たな動きが出てきました。あまり詳しいことは申し上げられないのですが、外回りの営業担当者にハンディ端末を持たせ、全社と基幹システムとが一体化したネットワーク上で運用するシステムを構築するという案件が動き始めています。いままで組込ビジネスでは、いわゆるメーカー向けの仕事ばかりやってきたのですが、この案件のお客様は製造業ではありません。組込の技術が他の技術と融合することで、全く新たなマーケットを切り開くことができたのです。
 一方、ソフトウェア開発事業でも、明るい材料が見えてきています。今期は景況に左右されにくい官公庁からの仕事やインフラ系業種からの仕事を戦略的に獲得していこうという方針を打ち上げていたのですが、10月に東京都の公示案件(アプリケーション開発)を落札することに成功したのです。これまで大手ベンダーの二次請けとして官公庁の仕事を手がけたことはたくさんあるのですが、当社が直接受注したことは全く初めての経験です。
 こうした動きが収益に貢献するには多少時間を要するかもしれませんが、景況がこれだけ厳しい中でも明るい兆しが相次いで出てきていることを、私は非常に心強く思っています。

Q.中期経営計画の進捗はいかがですか?

 今年度は、現在の中期経営計画の最終年度です。計画で掲げていた数値目標については、前回のクレスコレポートでもご説明したとおり、事業環境の急変を受けて撤回させていただきました。しかしながら、この計画で掲げていた、エンドユーザーフォーカス、「らしさ」の追求、新規事業の確立、という3つの基本方針のうち、最初の2つについては相当の達成感を感じています。
 エンドユーザーフォーカスについては、売上高に占めるエンドユーザーとの直接取引の割合は38%に達し、計画スタート時の2倍近くまで構成比を上げてきています。この上期、当社の売上げの多くを占めてきた金融業界向けの売上高は大きく減少しました。連結売上高は本来、もっと大きく落ち込んでもおかしくなかったのですが、ここ数年で開拓してきたエンドユーザーのお客様との大型プロジェクトがこれをカバーしてくれたおかげで、大幅な減収が避けられているのです。
 「らしさ」の追求についても、成果は出てきています。当社には基盤システム開発、組込型ソフトウェア開発、アプリケーション開発という3つの技術の柱があります。この3つを、光の3原色のように自由自在に混ぜ合わせ、あらゆる色、すなわち「クレスコらしいソリューション」を作り出せるようにしたいということを、私は今期から繰り返し強調してきました。それが結実したのが、組込とアプリケーションの技術が融合した、先ほどご説明した事例なのです。
 組込系という「クレスコらしさ」とアプリケーションというもう一つの「クレスコらしさ」が融合することで、さらに同業他社を圧倒する「クレスコらしさ」が生み出されるという好循環を増やしていくことが、価格競争に巻き込まれない、真の強さにつながってくるのです。今まで当社の技術者は、自分が普段おつきあいしているお客様のことだけを考えて仕事をしがちだったのですが、今回このような成功事例が出てきたことで、技術者たちの意識も改革され、同じような事例がどんどんと広がってくるはずだと期待しています。
 唯一やり残しているのは新規ビジネスの確立です。サービスソリューション、コンサルティングについては土台は完成しましたが、軌道に乗っているとは言い難い状況です。下期のうちになんとしても、今後に向けての道筋だけはつけねばなりません。来期からどういうスタートを切れるか、下期中に戦略を練り直したいと考えています。

Q.次の中期経営計画はどのような内容になりますか?

 次の中期経営計画については、来期1年間をかけてじっくりと作り上げ、来々期からスタートする3ヶ年計画としたいと考えています。来期は単年度の事業計画のみで臨み、まずは今期までの3ヶ年計画をしっかりと総括したうえで、次の3年間に向けた戦略を、1年かけて練り上げます。現在の景況では3年先の事業環境を見通すことはほぼ不可能ですが、来期中には景気もある程度落ち着き、先行きもある程度判断できるようになっているのではないでしょうか。
 次の計画の内容ついては、まだ私個人の頭の中で漠然としたイメージを描いているだけの段階ですが、やはり今の中期経営計画を発展させたものになるでしょう。クレスコという会社を、世の中が求めているものを速やかに、高い付加価値を乗せて提供していく会社にしていきたい、我々にしかできない仕事をやっていきたい。これは現在の「クレスコらしさ」の延長にあるものですが、これまでの3年間の実績を踏まえて、さらに上のレベルを目指すようなものにしたいと考えています。

 

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Q.株主のみなさまへのメッセージをお願いします

 前期、当期と激動の経済環境が続いています。経営成績など目先の数字は決して胸を張れるものではありませんが、猛烈な逆風に苦しみもがく中で、いろいろと新しい芽が出てきています。株主のみなさまにはどうか、この激動期の短期的な業績だけにとらわれず、当社のこれからに注目していただきたいと願っております。
 次の中期経営計画の開始に1年間の猶予をいただくことにつきましても、中途半端なスタートを切るより、しっかりと結果を残せる計画を、時間をかけてじっくりと作り上げるという我々の覚悟をどうかご理解いただきたくお願い申し上げます。
 株主のみなさまには今後も変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

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