こんにちは。技術研究所の「みゃーたん」です。
この記事では、2016年2月18日、2月19日に実施した「朝活!業界勉強会#12 ~農業業界編~」の実施報告をさせていただきます。
朝活!業界勉強会自体のご説明はこちらの記事をご参照いただければと思います。
朝活!業界勉強会#10 ~人材サービス業界編~ 実施報告
今回の朝活は、社団法人の理事を務める傍ら、公設試験研究機関で農業研究をされている田邊 龍彦様を北海道から招待し、ご講演いただきました。
朝だけの講演だけではもったいないので、今回は特別編として、夜と朝の計2回ご講演いただました。
快く引き受けてくださり、感謝です!
2/18(金) 夕方開催時の様子
2/19(金) 朝開催の様子
- 農業経営の高度化とICT利用
- 農業分野への機械学習の応用
- 畜産資源を利用した循環農業の実践
はじめに、現代の日本の農業の状況をご説明していただきました。
現在、農水省を中心とした施策にて、攻めの農業を標榜しているとのことです。
⇒具体的目標としては、国内農業の活性化(高付加価値化)と共に、
農業製品の輸出額1兆円が目標とされている。
また、ここでは、太平洋ベルト地帯以外の地域では、観光と農業が地域振興の中心になっている、というお話もありました。
(農業の活性化は、地域振興にもつなげられるんですね。)
次に農業の課題についてご説明していただきました。
農業生産額および農業所得の減少
⇒農業所得は平成2年では約6兆円
平成23年では約3兆円と半減しているとのことでした。
(これは、農業従事者が少なくなっている影響でしょうか・・・これは日本にとって大ピンチな気がします)
高齢化と就農人口の減少
⇒平成22年における基幹的農業従事者の平均年齢は66.1歳。
年齢構成は70歳以上の層にピーク。
世界的に見ても、農業従事者の年齢構成がこのような形になっているのは日本だけだそうです。
このまま、就農人口が減っていくと、耕作放棄地の面積の拡大し、耕地面積が減少していってしまいます。
⇒今後は、1戸あたり耕地面積を拡大し、法人経営・家族経営の農地拡大する必要がある。
生産性を向上させたり、省力化を推進するために、ICTを利用する試みが広まっているとのことでした。
現在、農業技術の属人化も問題になっていますが、農業生産方法のナレッジ化には機械学習が活用できます。
機械学習の活用により、就農支援効果が期待できます。
また、環境の見える化には、光、温度、土壌水分をセンサーにより計測することが不可欠です。
ここでは、IoTが活用できます。
食品の安全性の確保には、農業生産工程管理(GAP:Good Agricultural Practice)が提唱されています。
ここでは、大量のデータが発生するため、ビックデータ解析が活用できます。
農業のPDCAを廻す。
営農計画作成->IoT(栽培環境の計測と栽培->クラウド(ビッグデータ解析)
->農家へ解析結果をフィードバックし、営農計画を修正
まだまだ、これ以外にも、地域ブランディング戦略や6次産業による高付加価値化についても
解説していただいたのですが、紙面の都合上、このあたりにしておこうと思います。
農業を活性化することで、地域振興にもなり、そこに住む人も元気にできる。
そういうお手伝いを、ICTを使ってできたら、すごくやりがいがあるなと思います。
また、農業とICTを絡めることで、エンジニアにとっても魅力的な産業になるのではないかなと感じました。
魅力的な産業になれば、従事しようとする人も増え、好循環が生まれるのではないかと思います。
技術研究所では、来年度もこのようなイベントを開催していきます。
また、本ブログでご紹介していきますので、ご覧いただければと思います。