とある真面目に作業をこなす事務員さんがいました。ここでは仮の名で真治さんとします。
その真治さんは、毎月10時間をメール転送&一覧記録業務に費やしていました。
メールの内容こそ違うものの、その操作自体は同じような操作でしかありませんでした。
そんな真治さんの時間がもったいないなということで、自動化することとなりました。
目次
あまたある自動化ツールから Microsoft の Power Automate がいいと感じたのは、見渡しやすさです。
複数のウィンドウを使わないようにしていて、目線の移動を少なくしているところに好感がもてます。
UiPath、WinActor、Autoジョブ名人、Octoperse、IFTTT、Zapierと見てきましたが、とっつきやすさと安定感が一番いいと感じました(あくまで操作性とエラーの少なさのみの話です)。
個人的には、Apple製品のように、”シンプルな方が操作しやすいように感じる”というのと似ているのだと思っています。
(昔のステレオコンポのようにボタンだらけだと、無駄に考える時間が増えますよね)
最近の自動化というとRPAが有名ですが、Microsoft としてはRPAをメインストリームとしてとらえてなく、最後の手段のような位置づけとなっています。
なぜか?
当然ですが画面操作を経由するより、システム同士で連携させるほうが簡単に連携ができるし、画面操作上のエラー処理なぞ無用となるためです。
Power Automate にとって、RPAは1つの機能に過ぎず、画面操作をするしかない場合の回避手段の位置づけです。
あと決定的に異なるのは NoCode を主体としているところです。RPAは画面操作をいかにスムーズに設定するかが主体であり、そもそもコンセプトが異なっているため当然といえば当然だと思います。
(今は黎明期なので異なりますが、将来的には変わらないものになっていくと思います)
- メール受けたら
- エクセルを読込み
- 関係者へメール転送し
- エクセルの済フラグを更新
これを全自動化しました!
ではどうやったか詳細説明に入ります。
詳細説明というワードを見て眠くなったあなた! のために画像多めにしました 笑
1.メール受けたら
こんなメールを受信します。
2.エクセルを読込み
あらかじめ一覧化されている案件から、一致する見積依頼番号を検索します。
3.関係者へメール転送し
4.エクセルの済フラグを更新
ではどのような操作で自動化を行ったかに触れます。
Flow は、Power Automate からと、Teams からでも起動できます。
Office365 のホーム画面にて、左側アプリの中から Power Automate をクリック
Power Automate が起動したら、左側タブにあるマイフローをクリック
Flowの画面が起動する(チームで共有している場合、フロー下にある「チームフロー」タブをクリック)
左側タブの一番下の「・・・」をクリックし、検索欄に ”Flow” を入力しエンターキー押下で、Flow が立ち上がる(図は追加済のため出てこない)
今回は個人的な好みで Teams 画面で説明します。
ここでは、どれだけ見やすいかに特化して、作成済の画像で紹介します。開きたい行の「編集」アイコンをクリックすると、実際の編集画面が表示されます。
Flowでの新規作成方法については、以前の記事 Power Automate を使って、RPAヒアリングを自動化してみた!をご参照ください!
これが編集画面の全体像です。全体が見やすくないでしょうか?
Gmailメール受信設定
メールから見積依頼番号の位置を検出
見積依頼番号の開始位置調整(うまくやれば、この箱を減らせるはず)
見積依頼番号の該当行をエクセルで取得
該当行に済フラグがあれば終了、なければ続行
メールの転送
エクセルに済フラグを更新
これで1通りです。箱の中にある入力欄が、各設定箇所になっていますが、必要な個所だけの入力になります。
編集画面右上のテストをクリックすることで、実際に動作するかの確認が可能です。
結果は実行履歴から確認できます。
対象の結果をクリックで詳細が確認可能です。
自動化前に行っていた操作(以下を日々手動で行っていました)は、
Gmailを開き、
エクセルを開き、
Gmailの文字をコピーし、
エクセルで同じ文字のある行を検索し、
Gmailの転送ボタンを押下し、
エクセルの見つかった行からアドレスをコピーし、
コピーしたGmailのアドレス欄へ貼付け、
送信ボタンを押下し、
エクセルの対象行へ済を入力し、
エクセルを保存する
上記の操作でした。 これを全自動にした結果、
1ヶ月の操作時間は、10時間 → 0時間に減りました!
これにより真治さんの笑顔がこぼれ落ちたことは、無機質なチャット上でも感じ取ることができました。(真治さんって誰?と思った人は、最初から読み直し!)
実はこれ以外にも5つFlowを作成しており、トータル1ヶ月4人日 → 1人日に削減しています。
良いところを簡単にまとめると、
- 作業工数が減る
- 全体を見渡しやすいため、メンテナンスが容易
- 新たなアプリケーションとの接続は、箱(ステップ)を置いてアカウント(API)設定するだけ
- クラウド上(OneDrive、Gドライブ等)にあるデータであれば、パスをセットするだけで操作可能になる
- 見た目がシンプル(アプリのアイコンが目印)なので、該当箇所を探しやすい
良いところばかりになってしまってるので、苦労したところも書きます。
他アカウントへ切り替えたい時、権限が有効か無効か分かりにくく、どこまで変えればいいかは少し分かりにくいなと思いました。
Power Automate いかがでしょうか?
何より実際に操作してみると、NoCode の手軽さをすぐ実感できると思いますし、
Power Apps や CDS と組み合わせると、未来の開発はこういう操作が主流になっていくんだろうなぁ、と実感できると思います。
まずは触れてみましょう!
Happy Automation!!