サービスデザインの理解を深める!経産省の調査結果を解説! #3 何から始めればいいの?

こんにちは!エクスぺリンスデザインセンター(EXDC)の金井です。

2020年3月、経産省から調査研究結果が公開されたことを受け、これまで2回に渡り内容の解説を行ってきました。

サービスデザインの理解を深める!経産省の調査結果を解説! #1 何が書かれているの?
サービスデザインの理解を深める!経産省の調査結果を解説! #2 どうやってやるの?

さて今回は、「どうやって始めよう?」という所の解説になります。

サービスデザインの概要は解ったけれど、自分の組織に取り入れるためには何から始めればよいのでしょうか。

いったい何から手を付けよう・・

上記調査研究結果の第6章、「サービスデザインの効果的な導入・実践」には3つの観点で必要な要素が述べられています。
サービスデザインに取り組もう!とすると、以下の様な事が必要になってくる、との事です。

  • 個人レベルでプロセスを理解する
  • 組織レベルで意義や効用を認知する
  • サービスデザインを学べる場を作る
  • フラットでオープンな文化を醸成する
  • 組織のビジョンや社会的な意義を定義する

前回、サービスデザインとは何か?で見てきた通り、サービスデザインとはサービスの提供を通して、単発の顧客接点だけでなく、製造過程含むバックエンド、組織編成、ひいては組織の社会的意義までデザインしていく事でしたから、これら、部門横断のフラットな議論の場や、組織的な理解、会社としての目指す所を必要とする、というのもうなづけます。

一方、「組織に文化を作っていく」などは、時間がかかり、個人の力で何をすればよいか具体的に解りづらく、難しく感じるのではないでしょうか。

実際私も日々お客様と接する中で、サービスデザインの勉強をしても、これを自社にどう持ち帰って実践するか、そこに悩まれる方は多いと感じています。

少しずつでも個人でやれることを見つけていき、そして広げていく。そういうマインドが必要だ、と言えそうです。

では、どんな観点で何が出来るかを考えていけばよいのでしょうか。

経産省からの6つの提言

経産省チームでは、上記必要な要素を踏まえ、個人・組織が積極的に取り組むべき活動を、「6つの提言」としてまとめています。

提言1:サービスデザインの概念・意義の浸透

ここでは、サービスデザインは領域横断的な視点が不可欠であり、組織内外に広く認識させる必要がある、と述べられています。
普及啓発コンテンツを用意したので利用すべし、という記載も!
草の根活動をがんばれ!という事ですね。

提言2:サービスデザインを体験する場・機会のさらなる創出と活動

まずは身近なテーマでワークショップを実施し、イメージを得ることが重要、とあります。
クレスコでもワークショップの支援をさせて頂いていますが、やはり実案件に近いテーマを選び、どの様に実践に活かしていくか、実際にイメージをつかんで頂くことを目的にする場合が多いです。
まずは体験することが大切、という事ですね。

提言3:サービス視点による顧客との中長期的な関係性の構築

製品を売って終わり、という視点から、顧客一人一人と向き合った長い関係を結ぶべし、とあります。
ここは特に製造業をされている会社は悩む所ですよね。まさに事業ドメインの変換、を考える所まで必要かもしれません。

提言4:共創のための「巻き込み力」と「推進力」の養成

サービスデザインをやっていくには、組織の中の人だけでなく、色々な人を巻き込んでいく事が必要、まさに共創の観点で、ファシリテーション能力など人を巻き込み、推進していく力が必要、とあります。

提言5:事業に対するサービスデザインの効果の積極的な検証

やはり収益において、「効果測定」をやっていき、意義を証明していくしかない、まあ、そうですよね。簡単なことではないですが、重要な事です。

提言6:基点となる「ビジョン」「社会的存在意義」の明確化

これがやはり一番重要で大きな問題。組織としてのビジョンの明確化です。
そしてその上で組織のトップが、ビジョン実現の重要な手段としてサービスデザインを捉えていること。
さらにその取り組みを支援し、後押しすること、とあります。

草の根運動に加え、トップダウンでの推進が必要、という事ですよね。

最後に

サービスデザインを実践するという事が、ハードルの高い印象になるのは、私としても避けたい所です。
一方で、個人的な活動だけでなく、組織的な文化、そして経営層の理解が必要という事実も否定できません。

これまでも組織が何か新しい取り組みを始めようとする時は、色々な壁を乗り越えてやってきたのだと思います。
それを考えると、今、サービスデザインには、様々な追い風が吹いています。

ハードウェアの品質で差別化が難しくなり、モノからコトへの変換が叫ばれ、
AIやIoTを始めとする技術革新からDXを推進せよと言われ、
少子高齢化、人口減少での製品売り切り型から顧客との長い接点を持つサービス化への変容が迫られています。

どれをとっても時代はサービスデザインを必要としているように思えます。

ただし、私たちが留意しなくてはいけないのは、決して「サービスデザイン」そのものをしたいわけではない、という事。
それは手段でしかなく、本当にやりたいのは、よりより製品開発、サービス開発です。

他の人に協力を得たくても、サービスデザインという言葉の響きから、とっつきにくい、自分には関係ない、と思われる事もあるかもしれません。
ですが、よりよい製品開発自体に反対する人は、本来いないのではないでしょうか。

デザインという概念や手法に捕らわれず、小さな取り組みから良い所を取り入れていく。
一つずつ、トライ&エラーでやり方を模索していくしかないのかもしれません。

個人でペルソナを作ってみる。
カスタマージャーニーマップを作って会社の壁に張ってみる。
社員や家族に協力してもらい、ユーザ調査やテストをやってみる。
新規プロジェクトチームに、部門横断型のメンバー編成を提案してみる。

最初から高い理想を考えるより、一つでもやってみましょう!
失敗してもいいし、最初は効果がでなくてもいいではないですか。
そしてその失敗を糧に、少しずつ理想に近づけていくのが、サービスデザインそのものなのではないでしょうか。

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