皆さんお久しぶりです。
プロセス&アプリケーション推進第二部(PAP2)の李です。

 

今回はUiPath Automation Hubの新機能であるアイデアフローカスタマイズでできることについていくつかご紹介します。
UiPath Automation Hubについては、こちらを参照ください。

目次

  1. アイデアフローのカスタマイズとは
  2. アイデアフローの作成
  3. アイデアフローでカスタマイズできること
  4. まとめ

1. アイデアフローのカスタマイズとは

UiPath Automation Hub では自動化候補業務を「アイデア」として提出し、その後のアイデアライフサイクルを一元管理するという主要機能があります。
このアイデアライフサイクルは「フェーズ」、「ステータス」を用いて管理されており、今までは図1に示すAutomation Hub上の「管理コンソール」メニュー内の「プラットフォームの設定」メニューの「評価のカスタマイズ」機能にて、UiPathが提供する既定の「フェーズ」と「ステータス」を利用した評価項目しかカスタマイズできませんでした。

図1:評価のカスタマイズメニュー

しかし、2024年6月にUiPath Automation Hubがアップデートされ、図2で示す「アイデアフローのカスタマイズ」機能が公開されました。
この機能を利用することで、ユーザーは今まで既定の設定範囲内でしか運用設計できなかったライフサイクルを、より高い自由度でカスタマイズを行うことが可能となりました。

図2:アイデアフローのカスタマイズメニュー

つまり、これまでUiPath Automation Hubの導入において、ある程度実運用をUiPath Automation Hubで管理できる既定のライフサイクルに合わせた運用変更が要件定義時には必要であった部分が、これからはより実運用ベースに合わせたライフサイクルを作成して導入することが可能となったことを意味しています。

2. アイデアフローの作成

そんな画期的な「アイデアフローのカスタマイズ」機能において、まずアイデアフローを作成するとはどういうことかを紹介致します。
まず、「アイデアフローのカスタマイズ」メニューにアクセスすると、以下図3の画面にて、既定で用意されているアイデアフロー一覧が表示されます。
左上にある「新しいアイデアフロー」ボタンからアイデアフローを作成することができます。
 

図3:「評価をカスタマイズ」クリック画面

ボタンをクリックすると図4のようなメニューが表示されます。

図4:評価のカスタマイズ画面

アイデアフローの作成は3種類の方法があります。
デフォルトでは既定のフローしか存在していないため、最初は「既存のフローをコピー」、「既定のフローをコピー」どちらでもコピーできるものは同じです。
「アップロード」では他のテナントで作成したアイデアフローからダウンロードしたフォーマットをインポートすることができます。
本番・開発環境でテナント管理を行っているプロジェクトではこの方法は便利かと思います。
「既定のフローをコピー」をクリックすると図5の既定のフロー一覧画面が表示されるので、ベースとしたいフローを選択し、作成を始めることができます。
今回は各既定フローの詳細は省略致します。

図5:評価のカスタマイズ画面

フローが作成されると、アイデア提出画面に作成したアイデアフローが選択肢に表示されるようになります。以下図6では既定のフローではない「テストフロー」を追加した画面を例として示しています。

図6:アイデア提出画面

このアイデアフローは図7で示すアイデアフローのカスタマイズ画面(赤枠①)にて、フロー毎に無効化することもできます。
また、図7で示すアイデアフローのカスタマイズ画面(赤枠②)にて、特定のカテゴリを選択してアイデアフローの有効化/無効化を設定することもでき、アイデア提出時にその特定のカテゴリが設定された時に選択可能なアイデアフロー一覧を制限することも可能です。

図7:アイデアフローの表示編集画面

このように、アイデアフロー管理の自由度は以前に比べて格段に上がっていることが分かります。
次の章では実際にアイデアフローのカスタマイズではどのようなことができるかを紹介します。

3. アイデアフローでカスタマイズできること

アイデアフローのカスタマイズでは、様々な箇所をカスタマイズすることができます。以下表1にカスタマイズできることをまとめました。以降はそれぞれの詳細について説明します。

No カスタマイズできること
フェーズとステータスの前後関係
ポップアップ
成功画面 
通知メール
評価の表示
アイデアへのアクセス・アクション権

表1:入力項目一覧

3-①:フェーズとステータスの前後関係
アイデアフローのカスタマイズで任意のフローのカスタマイズ画面を開くと以下図8のような画面が表示されます。

図8:フローのカスタマイズ画面

画面の左側ペイン(赤枠①)にある「フェーズとステータス」の一覧で任意のステータスをクリックするとそのステータスから移行可能なステータスとして設定されているものに矢印が真ん中ペイン(赤枠②)のステータス一覧に結ばれます。
今まで特定のステータスから移行可能なステータスは既定で決められているものしかできませんでしたが、この機能を使う事で任意のステータスに移行する設定ができます。移行先を複数設定することも可能です。
また、フェーズやステータスは新規に追加もできます。 (オレンジ枠③)
既存のステータス名も修正することができるので、今まで実運用で使用しないのに表示されてしまっていたステータスも適切なステータス名に修正、もしくは削除することができるようになりました。
ただし、提出フェーズのみステータスの追加ができません。また提出フェーズから指定できるステータス先は1つのみです。

 

3-②:ポップアップ
ポップアップはステータスが移行するアクションが行われた時に表示することができる図9のような画面を指します。

図9:ポップアップ例

ポップアップは各ステータス移行設定時に図10で示す移行先のステータスの編集画面で追加や編集を選択することができます。

図10:ポップアップ設定画面

ポップアップに表示する内容は図11で示す通り、ある程度自由度のあるカスタマイズが可能で選択肢の表示形式も設定することができます。

図11:ポップアップ編集画面

3-③:成功画面
成功画面はステータスの移行完了後に表示することができる図12のような画面を指します。

図12:成功画面例

成功画面は各ステータス移行設定時に図13で示す移行先のステータスの編集画面で追加や編集を選択することができます。

図13:成功画面編集画面

成功画面もポップアップと編集可能な内容は同様で、ある程度自由度のあるカスタマイズが可能です。

 

3-④:通知メール
通知メールは提出フェーズの移行先ステータス(図14)、もしくは提出以外のフェーズ内の各ステータス(図15)にて設定できます。

図14: 提出フェーズの移行先ステータスでの通知メール設定画面

図15:各ステータスでの通知メール設定画面         

通知メールでは「通知を送信するロール」、「件名」、「本文」を設定することができます。
また、図16で示すようにあらかじめ「変数」が用意されており、提出されるアイデアのアイデア名やアイデアURLといったアイデアに関する固定値を直に入力せずとも本文に埋め込むことができるのも大きなポイントです。

図16:通知メール編集画面 

3-⑤:評価の表示
アイデアフローのカスタマイズでは図17で示す通り、フェーズごとに表示させる評価の種類やバージョンを設定することができます。

図17:評価の表示編集画面 

3-⑥:アイデアへのアクセス・アクション権
以前のUiPath Automation Hubのロール画面での設定項目であった市民開発者の自動化関連ロール、共同所有者ロールなどは図18で示す、アイデアフローの「アイデアへのアクセス」メニューに設定箇所が移管されました。

図18:アイデアへのアクセス編集画面 

また、アイデアに対して行えるアクションについても図19で示す、アイデアフローの「アイデアのアクション」メニューに設定箇所が移管されました。

図19:アイデアのアクション編集画面 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はUiPath Automation Hubの新機能「アイデアフローのカスタマイズ」についてご紹介させていただきました。
この機能によりカスタマイズの自由度が格段に上がったおかげで、これまでは省略したくても省略できないアイデアのアクションや、細かい部分で実運用に合わせることができなかった各フェーズのカスタマイズが大幅に行えるようになりました。

 

今後UiPath Automation Hubの新機能を紹介していければと思いますので、次回もお楽しみいただければと思います
ここまでご覧いただきありがとうございました。