生成AIビジネス変革研究室は、クレスコグループにおける適切なAI技術の活用と、将来の展開を⾒据えた戦略的な取り組みを行う基盤を築くことを目的として設立された仮想組織です。
AIに関する深い洞察や分析を行い、最新のAI技術の潜在⼒を最⼤限に引き出すことで、直近の開発業務を効率化させるだけではなく、将来的に起こりえる開発プロセスの変化をいち早く予測し対応することを目指して活動を行っています。
生成AIビジネス変革研究室は、複数の部門や社内公募メンバーが関わり、中期経営計画2026で掲げるクレスコの成長戦略「技術・デジタルソリューションの拡張」と「デジタル変革実現」を推進する2つのチームを構成しています。
また、当社と関わりの深い北海道大学の川村教授にアドバイザーとしてご支援をいただいています。

ソフトウェア開発における品質および生産性の向上に寄与する生成AIの活用をテーマに、以下の研究を行っています。
研究テーマ「多様なLLMエージェントによるシステム設計支援フレームワークの構築」
LLMエージェントを複数用意し、それぞれに「大規模な汎用モデル」「特定業務領域に特化した小規模モデル」「RAGを活用するモデル」などの多様な特性を持たせ、それらが協調的に対話することで設計工程の支援を行うフレームワークを構築することを目指します。
人間はシステム設計書を提示するのみで特別な介入を行わずとも、エージェント群はそれぞれの専門性や役割に応じた意見交換を行い、設計上の問題点や改善余地を指摘します。多様な複数のエージェントを用いることで、単独のエージェントを用いる場合よりもより高度に、システム設計工程の効率および成果物の品質向上が支援できるようになると考えています。
ソフトウェア開発におけるすべての工程に生成AIを活用し、品質と生産性の向上を実現することを目指し、ノウハウの整備・展開および開発プロジェクトへの適用を推進します。
また、社員が生成AIを効果的に業務で利用できるように、教育と環境の整備を行っています。
1. 開発プロジェクトへの適用
社内公募で選ばれたメンバーを中心に、プロジェクトにおける生成AIの適用を進めています。
基礎研究の成果物や社内の生成AI活用ノウハウを活用し、その結果を評価して、現場に即した利用手順やプロンプトといった知財を蓄積します。
生成AI適用テーマ(例)
- マイグレーション案件における移行作業の効率化
- 基本設計・詳細設計工程における設計書レビューの自動化
- プロジェクトマネージャー/リーダーのプロジェクト管理業務サポート
2. 社員教育
社員の生成AI利用リテラシーの向上を目指し、オリジナルのeラーニング教材「生成AIリテラシー講座」を作成しました。2024年度10月末時点で、95%以上の社員が受講を完了しています。
「生成AIリテラシー講座」目次
第1章 生成AIの概要
第2章 生成AIのリスクと課題
第3章 クレスコで利用できる生成AI
第4章 生成AIの業務での活用例
第5章 生成AIのシステム開発での活用例
第6章 GitHub Copilotの利用ガイド
※第5~6章はシステム開発に関わる事業部門の社員のみ受講
3. 生成AI利用環境の整備
当社社員向けの生成AIチャットサービス「CrePT(クレプト)」と、社員からの問い合わせに対して社内規程や業務マニュアルをもとに生成AIが回答する社内コンシェルジュサービスを構築しています。
2024年10月の利用実績では、全社員の50%以上がCrePTを業務に活用しています。
尚、CrePTと同等の生成AI環境を構築するサービスを企業様向けに提供しています。詳しくは以下のサービス紹介コンテンツをご覧ください。
生成AI環境構築サービス