POINT 3 

成長の理由

①ぶれない経営哲学

クレスコの財務体質は2023年3月期末時点で、自己資本比率72.7%と盤石です。また、営業利益率(連結)10.3%、ROE(連結)は14.3%と収益性においても高い水準を実現しています。受注前レビュー強化による選別受注、全社共通の目標利益率の設定による収益性の向上、品質管理とプロジェクトマネジメント力の強化による不採算プロジェクトの極小化に取り組み、強い経営体質の基盤を構築しています。

稼ぐ力(利益)重視のぶれない経営哲学は、クレスコの成長を支える強みです。

ROE、ROAの推移 と 各利益率の推移

②3つのコア技術とトレンド技術

クレスコは創業以来、「アプリケーション開発技術」「プラットフォーム(システムの土台となる環境)構築技術」「組み込み型開発技術」の3つの領域の技術を中核(コア)に、さまざまな仕組みづくりを手がけてきました。ここ数年は3つのコア技術と、昨今のトレンド技術であるAI(人工知能)技術やクラウド技術を組み合わせることで、新たなサービスやソリューションを創造し、お客様のビジネスニーズを満たしています。

③収益管理と品質管理へのこだわり

クレスコは、利益に直結するプロジェクト(開発業務の単位)の収益管理と品質管理には、特に強いこだわりをもって活動しています。

 

・収益管理

年間900件ほどあるプロジェクトの利益率にバラツキが出ないように、お客様の業種・業態を問わず、原則として全プロジェクト(一部の政策的プロジェクトは除く)に共通の目標利益率を設定しています。
受注前には、執行役員・関係部署長・「品質・プロセス統括本部」が受注チェックを行い、収益性・リスク等を勘案して受注の可否を判断し、受注後は、全プロジェクトの収益性を週次でチェックし、目標利益率から下振れるリスクが高いプロジェクトは、監理プロジェクトに指定し、徹底してフォローしています。

 

・品質管理

「品質・プロセス統括本部」を設置し、”専任の執行役員”と”現場の第一線で活躍できるベテランのプロジェクトマネジャー(PM)”を配置しています。全プロジェクトを組織横断的に俯瞰することで、早期に問題点を把握し、不採算プロジェクトを極小化し、赤字プロジェクトを撲滅する活動を行っています。
また、成果物の品質を左右するプロジェクトマネジメントを強化するため、プロジェクト責任者であるプロジェクトマネジャーには2011年から、アメリカの「Project Management Institute(PMI)」が主催認定する国際資格「PMP®」の取得を推奨しています。現在では200名を超えるPMが資格を保持しています。PMは、標準化されたメソッドに基づいたプロジェクトマネジメントを実践し、見積り・立ち上げ・計画・実行等の開発の全プロセスで管理の徹底を図り、納期遅延・追加コスト発生・損害賠償等の発生防止に努めています。

 

④競争優位性を生み出すビジネス体制

クレスコは、グループ企業と連携し、一気通貫の開発体制(要件定義~開発~保守)で、業種・業態を問わず幅広いお客様に対して事業を展開しています。また、オリジナル製品を含む多彩なサービスとソリューションを通じて、お客様のさまざまなご要望やご期待にお応えする体制を整えています。また、時代や経営環境の変化に俊敏に対応し、さらなる競争優位性を確保するため、技術研究所が中心となって、AIやクラウドの先端技術を取り入れた、新規ビジネス(サービス・製品)の組成に取り組み、新たなビジネスチャンスを取り込む事業体制をとっています。

クレスコでは、安定した成長を生み出すストック型ビジネス(保守開発)が全体の概ね65%となっており、多くのお客様に長期にわたり継続的に取引いただいています。また、常にお客様と真摯に向き合い、課題解決に役立つご提案をスピーディーに行っています。当たり前のことですが、これこそが「信頼と成長」の原点です。お客様とのパートナーシップは、クレスコの大切な財産です。

⑤積極的なM&Aと協業による拡大

クレスコグループは、2023年4月1日時点で連結子会社12社、持分法適用会社2社の体制です。2010年以降、戦略的にM&Aや資本参加を行い、事業領域・お客様・営業拠点の拡大を図っています。連結子会社の売上高は、2023年3月期末で約42%を占めるまでになっています。

グループ会社間の密接な連携による事業の拡がりは、これからもクレスコグループの成長の原動力です。なお、資本効率を考慮して、連結子会社の再編も適宜進めています。また、技術力の保持と革新的な新規ビジネスの組成に不可欠な知見・アイデアを募集、集約するため、他企業とのアライアンスや産学連携、お客様との共同研究、オープンイノベーション等を通じた新技術の研究・開発も積極的に行っています。

グループ会社数の推移

(持分法適用会社も含む、本体は除く)