(最終更新:2022年1月25日)
こんにちは。ビジネスイノベーションセンター川崎です。クレスコ主催セミナーの企画運営を担当しています。ときどき社内向けのイベントも主催してます。それらのオンラインイベントでは、Zoomを使っています。
オンラインイベントを日々開催している立場ですので、時々以下のような悩み相談を受けます。
「人数が多いオンラインイベントだと参加者同士で会話できない」
「オフラインで開催していたときは、参加者同士で気軽に雑談したり名刺交換したり親睦を深められたけど今は・・・」
こういった課題を解決することが期待できる機能が、Zoomのブレイクアウトルーム(ブレイクアウトセッション)です。
本日は、細かい設定項目の説明よりも利用イメージを掴んで頂くことを重視します。利用する場面を想定した一連の流れをZoomの画面を交えながら紹介した上で、私がこれまでブレイクアウトルームを使った活用例なども実体験を元に紹介していきます。

目次
ブレイクアウトルームは、グループ分けの機能です。
ブレイクアウトルームは、独立したミーティングルームのように振る舞いますが、メインセッションとブレイクアウトルームを行き来したりできるため、ワークショップやグループワークを伴うイベントによく用いられています。

- ホストがブレイクアウトルーム作成、人の割り当て
- ホストがブレイクアウトルーム開始(セッションを開始)
- 参加者は、自動的にブレイクアウトルームに飛ばされる。
- 時間になるとメインセッションに戻ってくる
こちらを以下の通り、より詳しく紹介していきます。
- 発表30分のあと、グループワークを行う。(2チーム・5分)
- 発表者1名、参加者4名。
- 前提条件(ミーティングスケジューリング時の設定)
- グループワーク開始前:ホスト側の設定画面
- グループワーク開始:ホスト側の設定画面
- グループワーク開始:参加者側の見え方・画面
- 便利な機能
ミーティングをスケジューリングするアカウントは、「ブレークアウトルーム」がONになっている必要があります。



上記のミーティングが開始されました。参加者もミーティングルームに参加済みです。
ホストは一郎さん、参加者は次郎から五郎さん合計5名のミーティングです。

まだ、ブレークアウトルームはありません。

「ブレイクアウトルーム」をクリックします。
「ブレイクアウトルーム」のアイコンはホストのみに表示されます。(※参加者のルーム間移動を許可している場合、セッション開始後には参加者にも表示されます。)

ブレークアウトルームの数と割り当て方法を選択します。
今回は「自動で割り当てる」を選択します。小さくグレーの文字で、セッションあたりの人数が書いてあります。参加者が多いときは、このグレーの小さな文字を参考に部屋の数を決めます。便利です。
※「自動で割り当てる」としても、あとから人の入れ替え・再割当てなど「手動で割り当てる」相当の操作ができます。なので私は、まず「自動割り当て」そのあと手動で調整、という使い方が多いです。
※「参加者によるルーム選択を許可」については後述するTipsで紹介します。

ブレイクアウトルームが作成できました。
例えばここで「三郎さんと四郎さんは相性が悪い・・・」となったときは、以下のようにメンバーを交換しましょう。

↓

これで、以下のようなブレークアウトルームができました。あくまで箱を作っただけですので参加者側になんの変化もありません。メインセッションでいつもどおりミーティングをしている状態です。


「オプション」にてブレイクアウトルームの設定を行います。
ここで重要な設定値は、5分で自動で終了する部屋・終了後60秒ロスタイム(※)となっていることです。この設定値は利用用途に応じて調整してください。
※5分経過すると「メインセッションに戻りますか?残り60秒で強制的に戻します!」という旨のメッセージが出ます。よって、6分後には必ず全員がメインセッションに戻ってくることとなるということです。
その他の設定項目は、上記の通りで概ねの場合は問題ないかと思います。各項目の詳細は割愛します。(「参加者によるルーム選択を許可」はTips項で少し触れます。)
ここまでを、グループワーク開始前までに行うこととなります。
まずはホスト側でできることを紹介します。

グループワーク開始のタイミングになったら、「すべてのセッションを開始」をクリックします。
以下の図の通りメインセッションから、ブレイクアウトルームに強制的に飛ばされることとなります。

ここからは「参加者側の画面」です。

ホストが「セッションを開始」すると、参加者側は突然上記の画面になり、

このようにブレイクアウトルームに飛ばされます!

見逃しがちですが、右上には小さく残り時間が表示されています。残り時間が0になると・・・

このようにブレイクアウトルーム作成時に設定したオプションのタイマー「60秒」が発動します。60秒たつとメインセッションに戻ってきます。


戻ってきたら、グループワークの結果などをメインセッションで発表してもらったりそんな運営が想定されますね。
ここまでで、大まかな利用イメージは掴んでいただけたでしょうか。補足としてちょっとした便利機能を紹介します。

各ルームの「参加」をクリックすれば覗きにいけます!

進捗具合は確認したり、「盛り上がってますか~?」と様子を伺いつつコミュニケーションを助けたりするような使い方ができますね。
各ルームに対してブロードキャストメッセージを送ることができます。
覗きにいく以外だと唯一の連絡手段です!!つまり、「チャット」は一切届きません!各ブレイクアウトルームは完全に独立したチャットになり、部屋間のやり取りはできません。(ただしブレイクアウトルームに入る前のチャット履歴は消えません。)


ホストからのブロードキャストメッセージは画面上部に表示されます。このメッセージちょっと小さすぎて見逃されがちですが…
社内向けのイベントで実際に使った時の事例を紹介します。

グループワークをブレイクアウトルームで行いました。先日開催した「ビジネスモデル・キャンバス活用」に関する社内イベントでの活用例です。
<アジェンダ>
①講師が発表「ビジネスモデル・キャンバスについて」
②グループワーク(ビジネスモデル・キャンバス作成体験)(Google Jamboardを利用)
例えば、とあるチームのグループワーク成果物(Jamboard)がこちらです。

結果として、受講後のアンケートで「ハンズオンが楽しかった」「ハンズオンの時間が足りなかったので、BMC作成ハンズオンに特化したイベントを開いてほしい」といった声もいただき大変好評でした!
ブレイクアウトルームというよりもJamboardが大好評という向きもあるんですが、その話はまた別の機会に!

「聞くだけではつまらない」「せっかく社内イベントだからコミュニケーションがとりたい」そんな声に応えるべく、先日やってみました。38名が参加したイベントでした。
講師の発表が終わったあと、「講演内容の中で、すぐに実践しようと思ったこと・その他感想など、一人1分程度で共有してください!」っと案内した上で、ランダムにブレイクアウトルームを作って会話していただきました!

ハンズオンを伴うイベントで、個別サポートを行いたい時、「サポートスタッフ」+「サポートが必要な参加者」のブレイクアウトルームを作成しました。
ただし… やってみての結論として、我々は個別サポートのためにブレイクアウトルームは原則使わない方針にしました。
ブレイクアウトルームで個別サポートをしているとメインセッションの話についていけなくなってしまう恐れがあります。(実際にありました。)
なので、個別サポートはせずに原則メインセッションで、サポートすることとしています。Q&Aって、実は最も勉強になる(覚える・印象に残る)コンテンツだったりもしますので、質問者以外でも有益な情報である場合も多いです。

社外向けのウェビナー終了後に、「講師や担当者と個別に話したい方はいらっしゃいませんか?」と案内しました。希望者がいればブレイクアウトルームを作ります。
しかしながらあまりうまくいきませんでした。個別の相談を希望する方はその旨をアンケートに書いてくださったり個別にご連絡をくれるので、当日の個別相談会という考え方はやめました!

Zoom飲み会のよくある悩み「人数が多すぎて話に入れない。」「よく喋る人だけがずっと喋っている。」
オンラインでコミュニケーションを取るのは4人までが適切だと言われています(ソース:クレスコ川崎)。オフラインなら、隣の人と二人で話し始めるとか小さなグループが勝手にできるとかあったわけですが、オンラインでは常に全員が一つの会話をする他ありません。飲み会に限った話ではなくて、これはオンラインイベントの難しさの重要なポイントです。そんなわけで、ブレイクアウトルームを使うのがおすすめです。とはいえ試したことはないんですが、とりあえずランダムで部屋にわけちゃえばいいんじゃないでしょうか。時と場合によりますが、なかなか楽しそうですよね。いつかやろうと想います。
活用事例は以上です。少し補足の豆知識を続けます。
本日は手順を割愛しましたが、ブレークアウトルームの参加者を事前に割り当てておくことができます。
確かに先ほど紹介した手順(ミーティング開始後に割り当てる作業)は慌ただしくなりがちです。その解決策としては事前割り当てはおすすめです。しかし、私は以前に挑戦したのですがうまくいきませんでした。うまく行かなかった理由は、欠席者・飛び入り参加者が多く結局手動割り当てが多く発生してしまったためです。私が担当するイベントはどうしてもそうなってしまいます。
ですので、「参加者が事前に明確に決まっている」イベントであれば事前割り当てをしておいたほうが効率的です。

- 「ブレークアウトルーム事前割り当て」にチェック
- 「ルームを追加」より参加者のメールアドレスを登録


詳細手順は、ZoomHelpCenterのこちらの記事を参照ください。csvからのインポートもできます。
本日割愛しましたが、Zoomクライアントの9月頃のアップデートより、参加者自身でブレイクアウトルームを選び移動することができるようになりました。
しかし、これはZoom クライアントのバージョンが低いと使えません!先日使おうとしたところクライアントのバージョンが古い人が多くて混乱しまして痛い目に合いました。ただこの機能、今後絶対に使いたいので、機をみてリベンジします!ぜひ広まって欲しい。
設定手順の概要は、以下のとおりです。

- ブレークアウトルーム作成時のオプション設定で、「参加者によるルーム選択を許可」にチェック
- そうすると参加者の画面下にも「ブレイクアウトルーム」のアイコンが出現
- そのアイコンを押すと他のブレイクアウトルームに自由に移動できる。
問題なく動作します。ただし、上記の参加者のルーム間移動は、ブラウザだとNGでした。
2020 年 9 月 22 日 ~ 24 日にマイクロソフトが開催した 「Microsoft Ignite 2020」にて、Teamsもブレイクアウトルームを実装することが発表されました。2020年10月ごろ実装予定となっていましたが、延期になって11月末までに実装という話もあります。現時点(2020/11/26)では未実装の模様ですが、いずれにしてももうすぐですね!
これまで、ブレイクアウトルーム機能はZoomが大きく先行しており差別化要素となっていましたが、TeamsもそしてGoogleMeetも対応ということで競争が激化していますね。Zoomのさらなる機能向上に期待するばかりです!
2021年2月追記:2020年12月にTeamsのブレークアウトルーム機能もついにリリースされました!さっそく「使ってみた」&「比較」の記事を書きましたので、よろしければご覧ください。
いかがでしたでしょうか? ブレイクアウトルームの活用イメージはつきましたでしょうか?
本日は、主に「ブレイクアウトルームの使い方」と「活用事例」を紹介しました。この急激な環境の変化でオンライン開催イベントに苦心している方も多いかと思います。もちろん私もその一人です。
ブレイクアウトルームを使えば、
- 適切な人数で話せます!
- グループ分けができます!
これらの特徴を活かして、オフラインイベントを超えるほど盛り上がるオンラインイベントを作り上げたいものです!
Zoom関連で2つ記事を書いてますのでよろしければ合わせてごご覧ください。
急遽、集合セミナーをすべてウェビナーに差し替え。検討の結果Zoomウェビナーを利用することにした理由を紹介しています!
いかにインタラクティブな双方向なイベントにするか!試行錯誤の結果を記事にしました。


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