こんにちは。ディベロップメントテクノロジーセンターのつるだです。
アジャイル開発のプロジェクトにて、スクラムマスターとして複数チームを担当しています。
社内ではアジャイル推進として活動しています。
前回はアジャイル技術コミュニティの立ち上げの経緯/目的を中心に説明しました。
今回は、アジャイル技術コミュニティの活動と今後について紹介します。
- 様々な知識レベル、役割のクレスコ社員にアジャイルを学習する場を提供する。
- クレスコ社員が、アジャイルを実践し効果を感じられるようになるために情報を発信し、最後まで走りきる伴走役となる。
- クレスコはお客様に「アジャイルを相談できる相手」と認識されるよう、活動と実績を社外に発信する。
アジャイルについて語る場合、ウォーターフォール(以下WF)と比較されがちです。
その際、WFのここがダメだ、アジャイルに乗り換えたほうが良いとWFを否定するような論調の記事も散見されます。
しかしながら、私たちはこれまでSIerとしてWFを活用しながらプロジェクト運営を行っており、WFの利点についても深く認識しています。
そのため、「プロジェクトの特徴に応じてWFかアジャイルかを適切に選択できること」を目指すことにしました。
一方、アジャイルのチーム活動を主体としたプラクティスはWFのプロジェクトであっても有効です。
WFのプロジェクトにもアジャイルを知ってもらい、チームビルディングに生かすなど、「いいとこ取り」をしてほしいと考えました。
また、メンバーに対しては自主性を持つ/アウトプットを出すといったように、アジャイルの「自己組織化」を体現するように求めました。
それではコミュニティのアウトプットをいくつかご紹介します。
まずは情報の集約を目的に、社内にコミュニティサイトを立ち上げました。
後述の勉強会の動画や社内事例などを整理し、ここに来ればクレスコのアジャイル情報が分かるようにしています。
基本的に毎月一回、勉強会を開催しました。
開催時に気を付けていたのは、様々な役割の方に広く刺さり、興味を持っている人を掘り起こすことでした。
初心者向けのアジャイルソフトウェア開発宣言/12の原則の解説に加え、アジャイルにおける品質管理、テスト自動化など尖った内容も用意しました。
また、WFのプロジェクトでも導入してもらえるように振り返りのやり方や、実プロジェクトでのアジャイルプラクティス(ScrumEventなど)をやってみた事例を紹介しています。
事例の紹介では実際のプロジェクトでアジャイル開発を行っているお客様と合同勉強会を開催することもできました。
結果として様々な役職/部門の方に参加いただき、高い満足度とフィードバックをいただいています。
クレスコにおけるアジャイルな人財とは何かを定義しています。
レベルは1から5まであり、レベル1は「お客様とアジャイルについて会話ができる」、レベル3は「独力でサポートできる」、レベル5は目標高く「業界の第一人者」としています。
社員へは入門編としてレベル1を目指してもらうため、内製テストを作成したり研修を企画しました。
また、レベル3以上は「アジャイルビジネス推進者」、「アジャイル開発技術者」のロールを定義し、
ScrumMasterのような推進者、自らが開発を行う開発技術者とキャリアに合わせて選択できるようにしました。
昨年度は認定制度もスタートし、レベル4、レベル3人財が社内認定されました。
アジャイルではサイクル開発のため継続的インテグレーション(CI)、継続的デリバリー(CD)が発生し、繰り返すことで大きなコストとなります。
そのため、クレスコではDevOpsのサービス化を進めています。詳しくはこちら。
CI/CDを自動化することで手作業を削減し、リソースを開発作業に集中することが可能になります。
今年度の活動方針は以下になります。
- 様々な知識レベル、役割のクレスコ社員にアジャイルを学習する場を提供する。
- アジャイル開発の実績を社外に発信し、顧客からの引合いを増やし、案件を創出する。
これまでコミュニティは、主に勉強会/レベル1人財を全体の月次夕礼や事業部会の場を通して社内へ広報することでアジャイルの普及を行ってきました。
社内におけるアジャイルやコミュニティの認知度は高まっていますが、クレスコでのビジネス規模としてはまだまだこれからです。
そのため昨年度の活動方針2を1に統合し、3の表現をよりビジネスとして直接的な表現に変更しました。
これからは勉強会やレベル3人財の育成といった社内人財の強化に加え、よりお客様に認知していただけるよう、社外発信や案件提案を強化していきたいと考えています。