[2026年6月18日 時点]

 

2025年度の研究開発活動は、この十年続けてきた医療領域での高度な知識を有する医師たちとの共同研究に加え、それ以外の産業方面の研究も実を結び出し、また、昨今発展の著しい大規模言語モデルを始めとする生成AIの応用にも幅を広げております。医療領域の共同研究で開発した当社の技術が新たな医療の研究に貢献する事例も生まれつつあります。そうした着実な研究開発の姿勢は、産業方面など他の研究の展開や実用化、そして、当社のお客様のさまざまな課題を解決していくことにつながるものであり、引き続き維持していきたいと考えております。
研究開発のテーマとしては「医療分野へのIT応用」「産業分野へのIT応用」「生成AIの応用」に大別されます。

1. 医療分野へのIT応用

先端技術に関しては、眼科およびその他の医療科目における深層学習を用いた医大や医療機関との共同研究を複数(当連結会計年度の実績で9件)行っており、当社社員が主著の論文が海外の論文誌に掲載されたほか、眼科学会および情報処理系の学会にて積極的に発表を行っております。画像診断を始めとして問診票との組み合わせやガイドラインの参照など大規模言語モデルも活用するマルチモーダルな技術にも取り組んでおります。臨床の現場だけでなく、製薬会社の創薬などへのサポートの取り組みも進め、成果に近づきつつあります。研究成果の社会実装に関しては、従来よりの医療系学会,医療機器業界団体との連携が他の機関の研究成果の実用化のサポートという形にも広がっており、引き続き注力したいと考えております。
研究成果の実ビジネスへの展開も継続して取り組んでおります。前述のとおり、学会や医療機器協会と協力して医療機関との共同研究の成果の実用化へ向けた活動を行っており、使いやすく見やすい形のGUIを搭載したデモシステムとして、眼科学会併設機器展示会場での学術展示をコンスタントに行っているのに加え、現在、認可取得に向け治験などの手続きが進んでおります。このデモシステムにも、当社の研究成果だけでなく、他の大学による研究成果も入っており、またそれとは別に、前述のように他の研究機関による研究成果を実用化のサポートとしてのGUIも提供しており、当社の活動が広く、医療へのIT活用のための研究の実用化に貢献しつつあります。

2. 産業分野へのIT応用

産業関連では、航空機エンジンの点検・整備などの保守作業をIT技術でサポートし高度化するという共同研究は、その一端を航空機エンジン内部検査ツールとして現場で実際に使えるようにするに至りました。整備士に負荷を掛けずにより精密な検査を可能にするとともに、そこから得られる検査記録をデータベース化することができます。このツールを用い蓄積された情報をもとに早期の故障検知や予測につなげることを目指すとともに、この技術の他所・他業種への活用も進めていくことを計画しております。また、当該年度は3件の学会発表を行いましたが、引き続きこうした対外的な発表も行ってまいります。

3. 生成AIの応用

大規模言語モデルのソフトウェア開発への応用として、要件定義書のレビューを多角的に行うための、それぞれ個別の役割を持たせたマルチエージェントシステムを開発し、学会発表も行いました。2025年度にはまだ基本的な部分が動いているのみですが、既に興味深い結果が得られており、他の分野の文書などへの応用の可能性も感じさせるものとなっております。慎重に検証を行いつつ、既にコード生成にはAIが欠かせないものとなりつつある開発現場やその他の業務に実際に使えるようなものに仕上げ、現場で得られる知見を元にさらに高度化していけるよう進めてまいります。