当社は、社員がIT技術を駆使し、創意工夫を凝らした多彩なシステムやサービスを展示するイベント「クレスコフェア」を開催しています。
定期の開催ではありませんが、1995年の開催を皮切りに、2021年で14回目となりました。

クレスコフェア2021
※掲載内容は実施時の情報です。

「デジタル技術でわくわくする未来を創る『想いをカタチに!』」をコンセプトに、「デジタルの日(2021年10月10日~10月11日)」にあわせて、2021年10月11日~10月31日にオンライン開催~{※}しました。

※参加いただいた方に、バーチャル会場にて自由に歩き回りながら、各展示をご覧いただきました。

これまでは、当社グループ社員が日頃培ったデジタル技術を活用して、社会に貢献できるアイデアを形にして出来栄えを競うデジタルアイデアコンテストのみを実施していましたが、今回はアイデアコンテストに加え、クレスコグループ各社のソリューション展示や、AIやモビリティなど、さまざまな分野の有識者による講演、クレスコ研究部門の研究発表など、多彩なコンテンツを展示しました。

デジタルソリューション展示

AI・クラウド・セキュリティ・UX/UIなどの技術を活用した、クレスコグループが提供するサービス・ソリューションを多数展示しました。

CAE Solution

クレスコ北陸(株)

CLIP IoTプラットフォーム

(株)クリエイティブジャパン

CLIPソーシャル
スマートトイレシステム

(株)クリエイティブジャパン

CLIP新型コロナ感染症
予防支援システム

(株)クリエイティブジャパン

ELTRESアドオンIoT開発キット

(株)クリエイティブジャパン

Clear Route

(株)エヌシステム

特別講演・対談

■講演1
AIがもたらす“わくわくする未来”
~人工知能が俳句を詠む AI一茶くんの挑戦~

川村 秀憲 氏
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川村 秀憲 氏

2000年3月北海道大学大学院工学研究科システム情報工学専攻博士後期課程期間短縮修了。
同年4月同大学助手。06年同大学准教授、16年同大学教授となり現在に至る。
99年~00年、日本学術振興会DC特別研究員。
07年~08年、日本学術振興会海外特別研究員、ミシガン大学客員研究員。
人工知能、マルチエージェントシステム、複雑系工学、観光情報学の研究に従事、人工知能やマルチエージェントに関する発表論文多数。
情報処理学会、人工知能学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会、観光情報学会などの会員。観光情報学会理事。株式会社調和技研取締役。人工知能学会編集委員会委員。

北海道大学 大学院情報科学研究院
情報理工学部門 複合情報工学分野 教授 川村 秀憲 氏

 

北海道大学の川村研究室が2017年から取り組んできた、画像認識により俳句を生成する人工知能「AI一茶くん」開発の話をベースに、人工知能に関する幅広い事柄に関する講演を行いました。
人工知能が俳句を生成する仕組み、人間との俳句対決の結果紹介を通した、「人工知能は意識を持つのか」という長期間議論されてきた論点や、未解決の課題の話題にも触れた内容となりました。
「AI一茶くん」は、AI俳句協会での活動を通して、今この瞬間も、成長を続けています。

竹内 政博 氏
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竹内 政博 氏

1991年4月

株式会社シーイーシー 入社

1993年5月

株式会社アズファーストインターナショナル 入社

1997年8月

株式会社パソナ(現株式会社パソナテック) 入社

2004年6月

株式会社グッドウィル・エンジニアリング(現株式会社テクノプロ) 入社

2005年7月

同社 取締役

2009年10月

株式会社プロアスター設立 代表取締役

2011年2月

株式会社フォーラムエンジニアリング入社 情報システム部 ゼネラルマネージャー

2012年9月

同社 取締役

2019年6月

同社 常務取締役(現任)

■講演2
人財市場の”わくわく”を創る
人財流動化プラットフォーム・プロジェクト

株式会社フォーラムエンジニアリング
常務取締役 システム開発部門統括 竹内 政博 氏

 

人財市場を取り巻く環境の考察と、当社が開発に携わった、人材流動化プラットフォーム「コグナビ」が果たす役割に関する講演を行いました。
新型コロナウイルスの影響や、DXなどの産業構造が転換している中で、求められる人財像もバリューチェーン全体の中でスキルを発揮できる「ハイブリッド人財」に変化し、争奪戦となっています。
その環境において企業の成長に必要な、個々人の教育と、組織内の人財融合を加速させる仕組みが「コグナビ」です。

■対談1
RPAで広がる可能性と今後の展望

UiPath株式会社
取締役 Chief Revenue Officer 鈴木 正敏 氏

 

株式会社クレスコ
執行役員 髙津 聡

 

株式会社クレスコ
デジタルテクノロジーエキスパート 吉田 将明

UiPath 取締役 CRO
鈴木 正敏 氏
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UiPath 取締役 CRO
鈴木 正敏 氏
鈴木 正敏 氏
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鈴木 正敏 氏

青山学院大学国際政治経済学部卒業。日本オラクル株式会社でアプリケーション営業部門や金融営業部門の担当営業、営業部長職を経て、EPM(Enterprise Performance Management)やBIのビジネス領域の責任者として活動。

 

SAPジャパン株式会社へSAPHANAを中心とする製品事業の責任者バイスプレジデントとして入社、その後、銀行、保険、通信、公益、公共等の幅広い分野で要職を歴任。
株式会社シマンテック執行役員社長に就任、日本法人代表として同社の事業全般を統括、UiPath株式会社へ2019年12月に入社、同社の取締役 Chief Revenue Officerとして、お客様対応部門、パートナー対応部門、マーケティングをはじめとした収益活動全般を統括。

 

キャリア全般において、事業責任者として営業全般からパートナー協業、マーケティング等まで幅広く統括、製品領域においても、RPAの他、ERP、CRM、EPM、BI、PaaS、SaaS、Database、Security等、エンタープライズビジネスにおける主要なソフトウェア領域に関して豊富なマネジメント経験を保有。

髙津 聡
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髙津 聡

髙津 聡
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髙津 聡

2000年クレスコに入社。エンジニア、プロジェクトマネージャとして人材派遣業様向けシステム、物流管理システム、モバイルアプリケーション開発、組み込みデバイスなどのシステム開発に従事。2014年より先端技術事業部長としてAI、クラウド、RPA等の先端技術に関する事業を指揮。DX人材育成の組織風土づくりにも携わる。現在は執行役員としてクレスコのデジタルソリューションの拡大を担う傍ら、関連会社であるジザイめっけの取締役として新規ビジネス立案を行う。

吉田 将明
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吉田 将明

吉田 将明
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吉田 将明

RPAの導入コンサルティング、マネージメント、提案・営業活動など幅広い業務を担当し、クレスコのRPA関連事業を牽引している。さらに、テクニカルエバンジェリストとして、書籍やRPA記事の執筆、研修・セミナー講師、社外コミュニティでの登壇、RPA技術者育成に向けた教育・普及活動など、精力的に活動中。
2017年よりRPAの取り組みを開始。2020年7月、UiPathの技術書「基礎がよくわかる!ゼロからのRPA UiPath超実践テクニック(オーム社)」を執筆・出版。2020年と2021年に、2年連続でUiPath Japan MVPに選出。

鈴木様からの、全社最適のオートメーションに向けた重要ポイントに関する講演、吉田(UiPath Japan MVP 2020・2021に認定)による、RPAのトレンドの変遷・取り組み事例の紹介、そして鈴木様と当社執行役員髙津の対談を行いました。
「基幹系システムの自動化対応」「非エンジニアでも扱えるツールを利用した"シチズン開発"」「RPAとAIの組み合わせによる低コスト化・スピーディーな意思決定」など、RPAを活用した理想の働き方を実現するヒントや、ユーザー部門に寄りそったRPA開発の成功例など、実践的な話が多く飛び交いました。

■対談2
モビリティ社会の”わくわくする未来”
~自動運転とつながるクルマ~

名古屋大学
未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 所長・教授 高田 広章 氏


株式会社クレスコ
テクニカルエバンジェリスト 井上 祐寛

名古屋大学
高田 広章 氏
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名古屋大学
高田 広章 氏
高田 広章 氏
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高田 広章 氏

名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 所長・教授。同大学 大学院情報学研究科 教授・附属組込みシステム研究センター長を兼務。リアルタイムOS、リアルタイム性保証技術、車載組み込みシステム/ネットワーク技術、組み込みシステムのディペンダビリティ、ダイナミックマップ等の研究に従事。オープンソースのリアルタイムOS等を開発するTOPPERSプロジェクトを主宰。名古屋大学発ベンチャー企業APTJ(株)を設立し、その代表を務める。

井上 祐寛
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井上 祐寛

井上 祐寛
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井上 祐寛

株式会社クレスコ入社後、銀行向けシステムなど数多の開発にリードエンジニアとして従事。後に自社ソリューションとなる統合認証システムの基礎を独力で開発するなど、アイデアと技術でクレスコを牽引する。技術研究所での機械学習研究を経て、人工知能を強みとする部門に異動。現在はテクニカルエバンジェリストとして企業が持つ業務課題へのAI適用に関するコンサルティング、機械学習に関する技術支援を行う一方、自ら研究テーマを持ち共同研究、実験システムの構築も担当。「SoftwareDesign」「やってみよう!機械学習」(技術評論社)、「日経ソフトウェア」「AIプログラマになれる本」(日経BP)への記事寄稿、会津大学、はこだて未来大学、琉球大学、早稲田大学のほかWatson SummitやMicrosoftでの講演等、社外でも精力的に活動中。

高田教授からの、自動運転の実用化に向けた現状と展望に関する講演と、車載組込みシステムフォーラム(ASIF)幹事の当社井上の進行による、事前に募集した当社エンジニアからの質疑応答を行いました。
講演では、自動車を取り巻く変化や、静的な地図データと、歩行者の位置や交通状況などの動的データを組み合わせた「ダイナミックマップ」などの話をいただき、質疑応答では「ダイナミックマップの位置情報の誤差の許容範囲」などの細かい点や、「自動運転と人間の運転の共存」などの自動運転を進める前提となる考え方まで、幅広い質問に回答いただきました。

我々は円錐角膜が進行性か否かの予測を、前眼部OCT(近赤外線を用いて立体画像を撮影する装置)の画像データと機械学習を用いて試みています。画像に付随する属性としては数値データ(年齢)も有していることから、画像と数値データを同時に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で機械学習(多出力機械学習)させることで予測精度の向上を目指しました。(北里大学との共同研究)

角膜感染症とは、細菌や真菌、ウイルスなどの病原体が角膜に感染し炎症を起こす疾患です。我々は、前眼部画像による画像情報だけで感染症を分類する機械学習モデルを構築しました。角膜感染症が画像情報のみでどこまで判定可能かを、眼科専門医との比較において、可能性を検証しました。(鳥取大学との共同研究)

機械学習を用いた医用画像の分類は、既に多くの成果を上げています。我々は、学習した分類器を元に、入力画像にグリッドに沿って微小な差異を加えた場合の出力の値(確信度)の変化から判断ポイントを解析し可視化する手法を提案します。この手法は画像中の正負の寄与領域を的確に描出します。(名古屋市立大学との共同研究)

歯は、個⼈識別に使われるほど個々に形状が異なります。また、⽣え⽅もそれぞれです。従って、画像処理技術のみで、レントゲン画像から指定された歯の形状を抽出することは困難です。今回、深層学習を用いて個々の歯の領域描画を試み、その描画を利用した個々の歯の切出しの可能性について検証しました。(東海大学との共同研究)

研究活動の中で開発したツール紹介

特定の領域を検出する機械学習を行うためには、対象領域に関するアノテーションが付加されたデータが多数必要となりますが、特に高度な専門知識を必要とする分野では、データの準備において、少数の⼈に⼤きな負荷がかかります。我々は、ユーザと機械学習が協調してアノテーション作業を進める手法を提案します。

カメラを用いた⼯業製品の検査において、検査対象物上の文字や図形、傷などの大きさ(長さや面積)を測定したい場合があります。しかし、カメラの設置位置に制約があり正面からの撮影が難しい場合や、対象物が平面でない場合、測定が困難です。そこで、正面からの平面の画像に疑似的に変換する処理を行うツールを、研究活動の中で開発しました。

画像処理を行うときに、光源の映り込みなどの極端に輝度が高い(白く色が抜けている)部分により画像処理に影響が出ることがあります。そこで画像処理を行う前処理として、光源の映り込み領域を自動的に検出し、周りの画素から補間するアルゴリズムを、研究活動の中で作成しました。

機械学習を用いて動画の中の動作を解析したり、特定の状況や場面を切り出したりしようとする場合、対象動画に動作や状況などのラベルを時系列で付ける必要がありますが、一般的な動画再生ソフトウェアで行おうとすると手間と時間が掛かります。そこで、細かい単位でのラベル付けを簡便に実施できるツールを、研究活動の中で開発しました。

画像を⽤いた機械学習には⼤量の学習データ(元の画像、アノテーションなど) が必要となります。アノテーション作業のみならず、元の画像から必要な部分を切り出したり不要な部分を隠したりする作業、また、出⼒結果の確認作業なども含めて効率化することが重要です。効率化を実現する複数のツールを、研究活動の中で開発しました。

PythonやMATLABなどを使用して動画像処理アルゴリズムを開発する際、リアルタイムに処理結果を確認できると効率的です。そこで、Python/MATLABの処理をリアルタイムに実行して画像処理を手軽に試したり、デモすることが可能なアプリImPDep(Image Processing Demonstration Platform)を研究活動の中で開発しました。

その他技術研究所の取り組み紹介

■デジタルアイデアコンテスト作品展示

クレスコグループ社員がチームを組み、AI・RPA・アジャイル・データサイエンス・AR・スマートグラスなどの技術を用いたサービスやアイデアを展示しました。合計35チームが出展し、チームに参加した合計220名超の社員が、楽しみながら開発を行いました。

クレきっず -CRE kids-

夏休み期間中、クレスコグループ社員の子供向けに、デジタル技術を身近に体験するプログラムを実施し、各プログラムの中で作成した作品を展示しました。

■デジタルぬりえ

クレスコフェアマスコットの「くれこっこ」「くれみー」のぬりえに挑戦しました。

■デジタル絵本

子供が描いた「赤ずきん」「桃太郎」のキャラクターを、動く絵本として動画にしました。作品は本人にプレゼントしました。

■ウェブサイト制作体験

HTMLとCSSを使った、簡単なウェブページの作成ができる企画を実施しました。
テンプレートとなるHTMLとCSSを元に、マニュアルどおりに手を動かすと、文字だけのページに色や画像が付いて、HTMLやCSSの仕組みが理解できます。

■ものづくり体験

社員がサポートしながら、子供自身が「Raspberry Pi」でスマートスピーカーを作るハンズオンを開催し、機材組み立てやLinuxコマンド入力に取り組みました。