株主・投資家のみなさまへ [21期 期末]

エンドユーザーフォーカスが奏功
「逆境こそ商機」今こそ、提案型営業への転換を

代表取締役社長
熊澤 修一
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代表取締役社長
熊澤 修一

平素は当社業務に格別のご支援ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 

当社企業グループ2009年3月期期末決算がまとまりましたので、ご報告申し上げます。

 

当連結会計年度(2008年4月1日~2009年3月31日)における日本経済を振り返ってみますと、第1四半期は原油高騰に始まる景気の転換期であり、第2四半期は9月に米国リーマンショックが深刻化、第3四半期は12月に入り、為替・株式等の金融市場が一気に崩壊、第4四半期は内需が大きく減退し、消費者マインド低迷、リストラ加速、所得低迷、雇用不安といった負のスパイラルが加速し、企業業績が急落するなど、悪影響が実態経済に拡大し、まさに「百年に一度」の激動の1年でありました。

当社企業グループの関連市場につきましても、情報・通信分野や公共分野ではやや堅調な推移を示しましたが、設備投資は民需が減少を続け、周回性のないIT不況の波は、産業全体の閉塞感を一気に高めました。一方で外需の落ち込みが、後押しする形となり、情報家電やカーエレクトロニクスなどの組込み関連分野、基盤インフラ分野の勢いは急激に失速するにいたりました。

 

当社企業グループはこの厳しい経営環境を「逆境こそ商機」と前向きに捉え、「変革と体質強化」をテーマに、刻々と変化する経営課題の克服に努めてまいりました。主な成果といたしましては 1.エンドユーザー比率の向上 2.サービスソリューションメニューの充実 3.営業体制の変革の3点でございます。

 

エンドユーザーは売上高比率では30%から38%と拡大いたしました。サービスソリューションにつきましては、オフィスセキュリティソリューション、運用監視ソリューションなど多彩なソリューションラインナップを揃え、提案型ビジネスの基礎が完成いたしました。また、営業体制の変革は「網羅的、戦略的営業」をテーマに案件狩猟型から農耕型営業への転換、お客様別販売活動、コンサルティング事業の開拓を実行いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高139億89百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益6億59百万円(前年同期比2.9%減)、経常利益7億78百万円(前年同期比10.5%減)、当期純利益53百万円(前年同期比94.0%減)となりました。

 

景気回復は「全治3年」と言われておりますように、本格的な景気回復には輸出環境の改善、米国経済の好転、国内ストック調整が必須であり、内需主導が期待薄の現況では紆余曲折を経ながら緩やかに回復するものと予測しております。したがって2009年度は、企業の設備投資/IT投資の意欲は、急激には回復せず、投資時期の先送りや予算の縮小の影響を受けざるを得ない状況は継続するものと認識しております。この厳しい経営環境は、全産業において避けて通ることはできない試練でありますが、「新たな事業創出と成長の絶好の機会」と捉えております。お客様に対し「時代に即した情報システムの最適化モデル」をスピーディに提案することが、「メインITソリューションパートナー」を目指す当社企業グループの使命と考えております。モノ作りの「匠」である誇りと技術力に裏付けられたサービスを武器に、よりお客様に密着した価値提供型のビジネスを展開し、需要の掘り起こしを行ってまいります。

 

今後とも一層のご支援、ご高配を賜りますようお願い申し上げます。

 

2009年6月