株主・投資家のみなさまへ [29期 期末]

株主のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心よりお礼申し上げます。
さて、当社企業グループの第29期(2016年4月1日~2017年3月31日)決算がまとまりましたので、ご報告いたします。当期決算の詳細につきましては、「2017年3月期 決算短信」をご覧下さい。

当期の基本方針

たゆまぬ『信頼と成長』

世の中はここ数年で、クラウドやモバイル端末を活用したシステムへの移行、IT基盤システムの統合や再構築、ビッグデータの分析と活用、ソーシャル技術のビジネス活用など、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術)に関連する領域が著しく成長し、2016年からは人工知能(AI)、ロボティクス、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)などの先端技術が加わり、さらに急激に変化しています。それは、市場の多様なニーズを満たすために全ての企業が直面する「劇的な変化」で、あらゆる企業・団体・産業が、デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新を模索する、「デジタル変革」のステージを迎えています。

 

その「劇的な変化」の時代の中でクレスコグループは、2016年4月に5ヶ年の新ビジョン『CRESCO Ambition 2020』をスタートしました。「『クレスコグループ』はデジタル変革をリードします。」をスローガンに掲げ、当期は初年度として「たゆまぬ『信頼と成長』」を基本方針に、事業を推進しました。

 

当期の経営環境

企業の戦略的なIT投資の勢いは、第3のプラットフォームや、先端技術への関心の高まりを背景に、ソフトウェア開発、システム開発の新たな需要を喚起しています。特に、クラウド、人工知能、IoTに関する領域は、「ビジネスイノベーション」「働き方改革」「顧客サービスの質的向上」といった企業の競争力や生産性、顧客満足度の向上に直結するため、幅広い事業領域を有するクレスコグループにとっては、優位性を発揮できる機会となっています。

 

クレスコグループは新ビジョンのもと、受注量の維持・拡大、市場の変化に即したサービスの開発、先端技術の取込みに、的確かつスピーディに対応するために、開発体制の強化(人材の確保、育成等)、品質管理、グループ間連携に注力し、先端技術の研究、新規事業の創出、各種サービス・ソリューションの拡販等に努めました。

当期の取組み

当中間期の主な取組み実績は、当サイトのニュースでご紹介していることの他に、当社では、体制の強化とお客様へご提供するサービスの拡充を行いました。

 

2015年4月に新設した「AI&ロボティクスセンター」のメンバーを、増員しました。株式会社ソフトバンク様と日本アイ・ビー・エム株式会社様が共同で開発した人工知能「Watson(ワトソン)」日本語版の、初期エコシステムパートナーとしての実績を活かし、「Watson」を含む複数の人工知能から、お客様のご要望に最適な人工知能をご提案できる体制を強化しました。

 

また、当社では6年前から、社員の資格取得を重要視しています。取得した資格は、プロジェクトマネージャーやシステムエンジニアの付加価値になります。プロジェクト要員としての単価がアップして売上げ向上に繋がるだけではなく、サービスの拡充にも繋がります。例えば、データアナリティクス分野の資格取得者が複数名誕生したことにより、当社がご提供するサービスにデータ分析サービスが加わりました。また、自動車の機能安全分野の資格取得者が複数名誕生したことにより、従来のエンジニア視点に第三者評価者視点を付加した、独自視点によるコンサルティングサービスが加わりました。

来期の方針と重点施策

来期は『CRESCO Ambition 2020』の2年目として「『期待』を超えて、次のステージへ」を基本方針とし、12の重点施策に取組みます。

 

  • 旅行業界特化型組織の設置
  • 中京地区ビジネス拡大に向けた、営業拠点の設置
  • 現地調査と協業企業の開拓に向けた、ベトナム駐在員事務所の設置
  • 人材交流による、グループシナジーの強化
  • IT基盤関連事業の活性化推進
  • 特命営業担当による、顧客リレーションシップの強化
  • オフショア推進による、開発体制の強化
  • 新規ビジネス創出に向けた、インキュベーション機能の強化
  • M&Aの推進
  • スペシャリスト制度の導入
  • 働き方改革の実践と、働き易い職場作り
  • コーポレート・ガバナンス体制の見直し

来期の見通し

来期は、人工知能、IoT、ビッグデータといった、データを経営資源とするための管理基盤の構築の他、持続可能なIT基盤システムの構築や開発プロセスを確立するAPI(Application Programming Interface)エコノミーの活用、巧妙化するサイバー攻撃に対応するセキュリティ体制の確立など、ビジネス基盤の高度化を志向するトレンドの中、企業の「デジタル変革」に対する取組みが一層加速する、と予測しています。
クレスコグループは、グループ各社が長年培ってきた営業力と経験を活かし、お客様のビジネスチャンスをタイムリーに支援する、新規性と利便性を備えたサービスを開発し、グループ連携や他社との協業ビジネスを含めた事業を展開してまいります。

 

2017年6月
代表取締役会長 岩﨑 俊雄
代表取締役 社長執行役員 根元 浩幸