株主・投資家のみなさまへ [32期 第3四半期]

株主・投資家のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心より御礼申し上げます。クレスコグループの32期 第3四半期(2019年4月1日~12月31日)決算がまとまりましたので、ご報告申し上げます。

当第3四半期は、米中経済摩擦や日韓関係、中東情勢等の動向が影響し、景気の足踏み感が増すなど、懸念事項は多々ありましたが、本年開催の東京オリンピックに関連するインフラ整備やインバウンド需要の拡大に加え、底堅い内需がIT投資を後押しし、経営環境は、堅調に推移いたしました。このような経営環境の中、企業の競争力と成長力を強化するための「第4次産業革命」や「働き方改革」「労働力不足」に対する取り組みは、「デジタル変革(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation、DX)」の潮流を背景に、ソフトウェア開発、システム開発のさらなる需要を喚起し、これまでのコア技術(アプリケーション開発技術、IT基盤システム構築技術、組み込み技術)に先端技術(AI、ロボティクス、IoT等)を加えた幅広い事業領域を有するクレスコグループにとって、優位性を発揮できる機会となっております。
 

クレスコグループは、事業機会を着実に取り込み、さらなる飛躍を果たすため、2016年4月から「デジタル変革をリードする」ことを標榜した5ヶ年のビジョン『CRESCO Ambition 2020』を掲げ、業績目標の達成、重点施策の具現化、企業価値の向上を目指しております。

 

当該ビジョンのもと、当第3四半期連結累計期間は、上期同様、品質管理体制およびプロジェクト監査の強化をはじめ、市場の変化に即した顧客ポートフォリオおよび事業体制の見直しを図るとともに、新規顧客の開拓、先端技術を取り込んだ新規事業・サービスの開発に注力いたしました。また、開発体制の拡充(ニアショア、オフショア)および営業方針の見直しを通じて、リソースに応じた適正な受注量の確保と顧客満足度のさらなる向上に努めてまいりました。その他、エバンジェリスト活動の一環として、技術研究の成果発表や社外向けセミナーなどを通じて、各種サービス・ソリューションのプロモーション活動を推進いたしました。
良好な経営環境が継続している反面、エンジニア不足は、受託開発事業において、業績拡大のボトルネックになっております。クレスコグループでは、全社的な生産性改善活動(自社向けのイノベーション活動)はもとより、開発リソースの確保、グループ会社も含めたオフショア・ニアショアの推進、受注単価の引き上げ、選別受注を積極的に実施し、業績のさらなる向上に取り組んでおります。

2019年度の情報サービス産業全体の動向は、企業の循環的な業績改善や「攻めのIT経営」を背景としたIT投資の活発化に加え、デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新を推進する「デジタル変革」の潮流に乗り、システム開発の需要が確実に見込まれます。日本情報システム・ユーザー協会が実施している「企業IT動向調査2019」によれば、47.6%の企業が、2019年度の予算を昨年度に引き続き「増やす」と回答しています。足許の営業状況からもお客様の投資意欲を窺うことができ、需要のさらなる押し上げが実感できます。

 

このような経営環境において、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、2019年度は、前年度の教訓を活かし、今一度、品質管理の強化と生産性の向上を軸に足固めをしつつ、成長に弾みをつける時期にある、という認識でおります。

 

クレスコグループは、システムインテグレーションを含むソフトウェア開発(IT基盤システム構築、アプリケーション開発、組み込み型開発)を事業の柱とし、各種サービス・ソリューションやITコンサルティングを提供しております。ITサービスのコモディティ化と低価格化が進む中、クラウドを活用したシステムを中心に、市場は拡大し、IoT、AI/機械学習、RPAといった先端技術のトレンドと相まって、投資意欲は一層拡大する、と予測しております。この大きな流れをしっかりと取り込み、自らも競争力を強化するイノベーションを実現し、高度化、多様化するお客様ニーズにスピーディに対応してまいります。また、当社企業グループ各社が長年培ってきた営業力と経験を活かし、お客様の環境変化をいち早く捉え、お客様のビジネスチャンスを支援する新規性と利便性を備えたサービスを開発するとともに、クレスコグループ内の協業や他社とのアライアンスを含めた事業を展開いたします。

 

2020年2月
代表取締役 会長 岩﨑 俊雄
代表取締役 社長執行役員 根元 浩幸