株主・投資家のみなさまへ [33期 第1四半期]

株主・投資家のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心より御礼申し上げます。クレスコグループの第33期 第1四半期(2020年4月1日~6月30日)決算がまとまりましたので、ご報告申し上げます。

当第1四半期の経営環境は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内外の経済活動が停滞し、先行き不透明感がさらに色濃い状況となりました。クレスコグループでは、経営方針に則り、環境の変化に即した顧客ポートフォリオおよび事業体制の見直しや新規顧客の開拓、先端技術(AI・クラウド等)を取り込んだ新規事業・サービスの開発に注力するとともに、テレワーク制度の積極的活用やスペース効率の最適化、オフショア・ニアショアの推進といった、攻めの施策を講じましたが、新型コロナウイルスの影響は大きく、営業活動や開発業務において、以下の事象が発生し、業績への重しとなりました。
 

  • IT投資の計画の見直しによる受注の減少。特に、旅行、空輸、人材、自動車関連への影響大。
  • 既存プロジェクトおよび新規プロジェクトの中止・中断・延期、受注単価の引き下げ等の要請。
  • 開発現場における「三密」回避策に伴う待機要員の発生。
  • テレワーク体制への移行期における一時的な生産性の低下。
  • 一部の連結子会社における不採算プロジェクトの発生。
     

一方で、景気浮揚策として世界的に大規模な財政出動が行われた影響により、前連結会計年度末と比べて株価が持ち直した結果、当社が保有する金融商品の時価が全体的に上昇するというプラスの側面もありました。

クレスコグループは、事業機会を着実に取り込み、持続的な成長と企業価値の向上を果たすため、2016年4月から「デジタル変革をリードする」ことを標榜した5ヶ年のビジョン『CRESCO Ambition 2020』を掲げ、業績目標の達成、重点施策の具現化、企業価値の向上を目指しています。当期は、最終年度に当たります。

 

当該ビジョンのもと、当第1四半期は、2020年4月1日に株式会社エニシアスを新たに連結子会社とし、今後、さらなる需要が見込まれるクラウド関連事業の拡大を図っています。その他、エバンジェリスト活動の一環として、AIやRPA関連の社外向けセミナーなどを通じて、各種サービス・ソリューションのプロモーション活動を実施しました。

第33期の経営方針

  • 「CRESCO Ambition 2020」に沿った経営
  • 新規顧客の獲得および事業ポートフォリオの最適化による受注の確保
  • 先端技術を活用した高付加価値ビジネスの創出による利益の拡大
  • 働き方改革への継続的な挑戦による生産性および社員満足度の向上
  • アライアンスの推進による成長力の加速

2020年度の経済見通しは、2020年6月の日銀短観における業況判断指数(DI)が、新型コロナウイルス禍の影響を受け、マイナス34に悪化し、リーマンショック後の2009年6月調査(マイナス48)以来の低水準となるなど、先行き不透明感が一段と増しています。国内外での感染拡大が日々深刻化する状況の中、経済活動が、少しずつ再開され、一部では、「新しい生活様式」や「ニューノーマル(新常態)」に即して底上げがみられますが、新型コロナウイルス禍による企業活動は全般的には停滞しており、お客様のIT投資計画に大きな影響を及ぼしています。今後、ウィズコロナ・アフターコロナを踏まえた「デジタル変革」へのIT投資が、徐々に加速するものと考えていますが、新型コロナウイルス禍に起因するIT投資の抑制(プロジェクトの中止・中断・延期等)や労働環境の変化(テレワークへの移行、時差通勤等)、関係者の感染防止対策などによる、当社企業グループへの影響につきましては、精緻に把握することが困難なため、現時点で入手可能かつ合理的な情報による判断および仮定に基づき、当連結会計年度の業績予想(事業計画)に織り込んでいます。なお、当該仮定の詳細については、四半期報告書の「(7) 新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定」をご参照ください。

クレスコグループが提供する多彩なサービス・製品やソリューションは、「デジタル変革」の潮流を概ね取り込めるポジションにあり、お客様から「ITパートナー」として期待されています。2020年度は、大変厳しい経営環境ですが、新型コロナウイルス禍は中長期視点では一過性のもので、「デジタル変革」は、着実に拡大すると予測しています。「ピンチのときこそ、チャンスは到来する」と前向きに捉え、多様化、複雑化するニーズをしっかりと取り込み、そして、自らも競争優位性を確保するイノベーションを実現し、社会の発展に貢献したいと思っています。また、長年培ってきた技術力と経験を活かし、クレスコグループ間の協業や他社とのアライアンスを積極的に展開し、お客様の「デジタル変革」をリードする新規性と利便性を備えたサービス・製品をご提供いたします。あわせて、経年の教訓を活かし、改めて品質管理の強化と生産性の向上を軸に足固めをしつつ、クレスコグループ全体の事業ポートフォリオの最適化と環境変化に応じた柔軟な組織経営に努め、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

 

2020年8月
取締役会長 取締役会議長 岩﨑 俊雄
代表取締役 社長執行役員 根元 浩幸