株主・投資家のみなさまへ [30期 第3四半期]

株主のみなさまには、平素より格別のご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。
クレスコグループの30期 第3四半期(2017年4月1日~12月31日)決算がまとまりましたので、ご報告申し上げます。決算の詳細につきましては、「2018年3月期 第3四半期 決算短信」をご覧下さい。

朝鮮半島の緊張の高まりなど、海外情勢に不透明感はあるものの、企業業績や雇用状況の改善、内需拡大などを背景に、経営環境は引続き、改善傾向となりました。このような経営環境の中、企業の競争力と成長力を強化するための「第4次産業革命」や「働き方改革」「労働力不足」に対する取組みは、生産性改善に寄与するソフトウェア開発、システム開発の更なる需要を喚起し、これまでのコア技術(アプリケーション開発技術、IT基盤システム構築技術、組込み技術)に先端技術(AI、ロボティクス、IoT等)を加えた幅広い事業領域を有するクレスコグループにとって、優位性を発揮できる機会となっております。

 

クレスコグループは、事業機会を着実に取込み、更なる飛躍を果たすため2016年4月「デジタル変革をリードする」ことを標榜した5ケ年の新ビジョン「CRESCO Ambition 2020」を掲げ、業績目標の達成、重点施策の具現化、企業価値の向上を目指しております。

 

新ビジョンのもと、当第3四半期は、受注量の維持・拡大および市場の変化に即したサービスの開発、先端技術の取込みに、的確かつスピーディに対応すべく、引続き、開発体制の強化(人材の確保、育成等)、品質管理、グループ間連携に注力するとともに、先端技術の研究、新規事業の創出、各種サービス・ソリューションの拡販等に努めてまいりました。その結果、クレスコグループの当第3四半期の業績は、前年比増収増益となりました。

 

第4四半期の景気見通しは、地政学的リスクや米中経済の減速懸念等、先行きの不透明感が依然、拭いきれないものの、基調として緩やかな拡大傾向であり、企業の業況判断は引続き改善しております。省力化、競争力強化を主眼とした需要の増加や東京オリンピック、インバウンドへの対応などが下支えとなり、業界や業種で格差は生じるものの、IT投資のトレンドは変わらず、引続き拡大傾向になる、と予測しております。

 

情報サービス産業全体の動向は、企業の循環的な業績改善や「攻めのIT経営」を背景としたIT投資の活発化に加え、デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新を推進する「デジタル変革」の潮流に乗り、AIやIoTといった先端技術を取込んだシステム開発需要が急速に拡大しております。第4四半期も、AIやIoT、ビッグデータといったデータを経営資源とするための管理基盤の構築、持続可能なIT基盤の構築や開発プロセスを確立するAPI(Application Programming Interface)エコノミーの活用、巧妙化するサイバー攻撃に対応するセキュリティ体制の確立など、ビジネス基盤の高度化を指向するトレンドの中、企業の「デジタル変革」に対する取組みが一層加速する、と予測しております。

 

特に、金融、流通・小売り、サービス(医療、ヘルスケア、介護含む)、土木・建築、情報家電、カーエレクトロニクス等の業種は、市場に様々なイノベーションをもたらす分野になると考えており、主力のソフトウェア開発事業の他、先端技術関連事業は、裾野が広がる局面において、当面の成長を見込んでおります。
また、様々な産業間のエコシステム連携による第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術)の利活用や「働き方改革」に対する意識の高まり、AIやIoTの実装フェーズへの移行などは、新たなビジネスチャンスになると認識しております。幅広い技術領域を有するクレスコグループが提供するサービスは、これらのトレンドを概ね取込めるポジションにあり、あらゆる企業や団体、産業から「デジタル変革」のパートナーとして期待されております。

 

クレスコグループは、「デジタル変革」をリードし、顧客がビジネスモデルの革新を通じて自らの成長を実感できる現実的な提案をスピーディに行うため、事業の柱であるソフトウェア開発事業、組込型ソフトウェア開発事業において、技術および品質の面で更なる強化を図ってまいります。併せて、先端技術を積極的に取込み、顧客の成長に寄与するサービスおよびソリューションを充実させ、社会に貢献してまいります。

 

2018年2月
代表取締役 社長執行役員 根元 浩幸