株主・投資家のみなさまへ [27期 期末]

株主のみなさまには日頃から格別のご支援をいただきまして、お礼申し上げます。

さて、当社企業グループの第27期(2014年4月1日~2015年3月31日)決算がまとまりましたので、ご報告いたします。当期決算の詳細につきましては、「2015年3月期 決算短信」をご覧下さい。

当期の基本方針

次世代クレスコの推進と収益力向上

信頼と成長

クレスコグループは2011年4月から5ヶ年計画で、次のステージへの挑戦と成長をテーマとした「次世代クレスコ」を経営の中核に据えて、事業を展開しています。

 

企業価値を向上させるためには「収益性の向上」が先決と考え、営業体制の強化を始め、品質・技術力の向上や原価管理に、特に注力しています。

 

当期は「次世代クレスコ」の4年目として、いま一度原点に戻り、「信頼と成長」を重点テーマに掲げて、お客様や株主・投資家様を含めたステークホルダーのみなさまのご期待にしっかりとお応えできるように、信頼の獲得と社員・組織の成長を目指しました。

 

次世代クレスコ

  1. 中堅IT企業トップリーグ入り
  2. 現事業での卓越性
  3. オリジナル製品およびサービスの開拓
  4. ユニークな子会社群による複合IT企業
  5. 営業拠点の広域化
  6. 海外進出
  7. 技術研究所設立
  8. 女性が活躍できる職場
  9. 人材育成のモデル企業
  10. クレスコブランドの浸透

当期の取組み

ソフトウェア市場では、第3のプラットフォームといわれる「クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術」が市場構造に与える影響を強めております。当期のクレスコグループは、このような傾向を踏まえ、「次世代クレスコ」で掲げた10のテーマを取込んだ諸施策を計画し、実行しました。特に先端技術の研究、品質管理の徹底、新サービス・ソリューションの開発、グループ内の相乗効果の向上、開発体制の強化に注力し、来期に向けて大きな成果が得られたと自負しています。
当期は「"技術と品質のクレスコ"の推進と"技術研究所"の強化」「組込み関連事業の再構築と新ビジネスモデルの創出」「企業間連携強化による収益性の改善と企業価値の増大」「開発体制の整備と強化」「クラウド関連ソリューションの拡販」の5つを重点施策としました。先端技術に特化した組織を設置し、第3のプラットフォームに関連するサービス・ソリューションの開発に取組み、高速クラウドサービス「インテリジェント フォルダ エクスプレス(Intelligent Folder Express)」、SAP基幹業務のモバイル化を実現する「モビック (Mobick)」、ビーコン(Beacon)を活用した点呼支援サービス「みんなのてんこ」などをリリースしました。

 

ファイナンス関連の取組みとしては、M&Aや資本・業務提携を通じた開発体制の強化、事業領域の拡大等を推進するために、自己株式を活用した行使許可条項付・ターゲット・イシュー・プログラム(第三者割当による新株予約権の発行および新株予約権買取契約「TIP・2014モデル」)を実施しました。

当期の環境

当期の経営環境は、消費増税により、消費者心理の回復が一部で遅れることもありましたが、継続的な経済対策や金融政策を背景に、緩やかな回復基調となりました。このような経営環境の中、企業の戦略的なIT投資の勢いは衰えず、クレスコグループでは、プロジェクト規模の拡大や引合いの増加により、主力の金融分野や公共サービス分野の他、車載関連分野が好調に推移しました。

来期の方針と重点施策

来期は「次世代クレスコ」の最終年度にあたります。「強みを強化し、お客様へ貢献『信頼と成長』を確かなものに」を方針とし、「人材の確保および育成」「開発および営業体制の増強」「品質管理の徹底」「第3のプラットフォーム関連ビジネスの拡充」「新技術への取組み」の5つの重点施策を具現化して、"強み"の更なる強化と収益性の向上を図ります。

 

まず、「人材の確保および育成」として、採用活動の強化、協力会社との連携強化、技術専門職の育成プログラム実施を行います。

 

次に、「開発および営業体制の増強」として、ニアショア開発(地方分散開発体制)の拡大、オフショア開発(海外開発体制)の推進、M&Aによる営業拠点の広域化および開発体制の強化を行います。

 

品質管理の徹底」として、プロジェクト管理の強化、多段階での評価改善の実施、クレスコグループ各社に「開発標準体系」の展開を行います。

 

第3のプラットフォーム関連ビジネスの拡充」として、ビジネスモデルの強化、近距離無線技術の普及に合わせたソリューションの開発、協業ビジネスの推進によるサービス種類の充実を行います。

 

最後に、「新技術への取組み」として、ニーズの調査とIoT(Internet of Things)ビジネスへの進出、先端技術を取込んだ共同研究の推進、研究成果の知財化による競争力強化を行います。

来期の見通し

日本情報システム・ユーザー協会が実施している「企業IT動向調査2015」によると、4割強の企業が2015年度の予算を引続き増やすと回答しています。足許の営業状況からも実感しており、2015年度も本業に直結する基幹系システムや情報系システムの需要が増加すると予測しています。

 

クレスコグループは、システムインテグレーションを含む受注ソフトウェア開発を事業の柱とし、各種サービス・ソリューションやITコンサルティングをご提供しています。第3のプラットフォーム分野は、2020年にはIT市場の4割を占めるといわれており、クレスコグループがご提供する各種サービスは、この流れを概ね取り込めるポジションにあります。IoT基盤、ビーコン基盤、機械学習など、多様化するニーズを実現できる現実的なご提案を、お客様から期待されています。グループ各社が長年培ってきた営業力と経験を活かし、お客様の環境変化をいち早く捉えてビジネスチャンスを支援する、新規性と利便性を備えたサービスを開発し、他社との協業ビジネスも含めた事業を展開してまいります。

 

今後も、企業のメインITソリューションパートナーとして、お客様満足度No.1を目指し、みなさまからのご信頼とご期待にお応えしてまいります。なお一層のご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

2015年5月
代表取締役社長 根元 浩幸