株主・投資家のみなさまへ [33期 期末]

株主・投資家のみなさまには日頃から格別のご支援をいただき、心より御礼申し上げます。

当期の経営方針

クレスコグループは、事業機会を着実に取り込み、持続的な成長と企業価値の向上を果たすため、2016年4月に5ヶ年のビジョン『CRESCO Ambition 2020』をスタートしました。当期は最終年度にあたり、業績目標の達成、重点施策の具現化、企業価値の向上を目指し、事業を展開しました。

 

当期は経営方針に、「『CRESCO Ambition 2020』に沿った経営」「新規顧客の獲得および事業ポートフォリオの最適化による受注の確保」「先端技術を活用した高付加価値ビジネスの創出による利益の拡大」「働き方改革への継続的な挑戦による生産性および社員満足度の向上」「アライアンスの推進による成長力の加速」を掲げ、12項目の対処すべき課題に取り組み、事業を推進しました。

当期の課題

  • 新規ビジネスの組成と新技術の研究・開発
  • 新規顧客の獲得およびお客様とのリレーションシップの強化
  • 鉄板品質の提供
  • 生産性の追求
  • 開発に従事する人材の確保
  • 人材の採用と育成
  • 働き方改革の推進
  • 健康経営の推進
  • ダイバーシティへの取り組み
  • M&A・アライアンスの推進とグループ企業に対する管理の強化
  • コーポレートガバナンスの推進
  • 事業ポートフォリオの最適化と柔軟な組織経営

当期の経営環境と業績

当期の経営環境は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が大きく影響した1年でした。対面営業活動の制限や受注したプロジェクトの中止・中断・延期が発生したほか、受注単価の引き下げ要請、テレワーク体制への移行期における一時的な生産性の低下などが、業績の重しとなりました。一方で、景気浮揚策として世界的に大規模な財政出動が行われた影響により、前年度末と比べて株価が持ち直した結果、当社が保有する金融商品の時価が全体的に上昇するというプラスの側面もありました。
クレスコグループでは、新たに「株式会社エニシアス」を連結子会社とし、今後、さらなる需要が見込まれるクラウド関連事業の拡大を図りました。また、変化に即した顧客ポートフォリオおよび事業体制の見直しをはじめ、既存顧客を中心とした受注量の確保、人工知能(AI)・クラウドなどの先端技術を取り込んだ新規事業・サービスの開発に注力しました。加えて、在宅勤務制度の構築、社内デジタル変革の推進(テレワーク体制の整備、インターネットを使ったコミュニケーションの仕組みの活用、デジタルを活用したマーケティングの強化)など、攻めの施策を講じました。その結果、最終利益は、7期連続の最高益となりました。

来期の見通しと方針

来期の経営環境の見通しは、ワクチン接種の進捗に左右されることは否めませんが、さまざまな経済活動の制約は、徐々に薄らいでくると考えています。また、順調な景気回復が続く中国や大規模な経済対策が支えとなるアメリカをはじめ、世界の経済活動の回復を背景に景気の改善は継続し、業種・業態での濃淡はあるものの、実体経済は当初の想定よりも前倒しで回復し、企業業績は改善に向かう見通しです。
来期からは、新ビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」と「中期経営計画2023」に沿った経営を進め、クレスコグループ全体の事業ポートフォリオの最適化と環境変化に応じた柔軟な組織経営に努め、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

10ヶ年の新経営ビジョン

IT技術の急速な進展に加え、新型コロナウイルス禍がもたらしたニューノーマルへの対応ニーズが増大したことにより、システム開発がスピード化し、IT投資のトレンドが受託開発型「作る」からサービス提供型「使う」へ変化が加速しています。お客様の姿勢も、企業規模の大小を問わず、新たな事業価値の創出や競争力強化、技術革新を実現する「デジタル変革(DX)」に大きく軸足が移ってきています。
クレスコグループは、このような変化の著しい時代に、自らの変革を社会の成長・発展に繋げていく決意のもと、2021年度より、新たに2030年までの10年を見据え、創業の原点でもある人間中心主義に立脚した経営ビジョン『CRESCO Group Ambition 2030』をスタートしました。

 

中核事業であるITサービスや新たな価値を提供するデジタルソリューションを通じ、社会へ貢献するとともに、自らも主体的に価値創出に取り組むことで、名実ともに業界の先進的企業となるべく、邁進いたします。

 

2021年5月
代表取締役会長 取締役会議長 岩﨑 俊雄
代表取締役 社長執行役員 根元 浩幸