株主・投資家のみなさまへ [27期 中間]

株主のみなさまには日頃から格別のご支援をいただきまして、お礼申し上げます。

当期の基本方針

次世代クレスコの推進と収益力向上

信頼と成長

クレスコグループは2011年4月から5ヶ年計画で、次のステージへの挑戦と成長をテーマとした「次世代クレスコ」を経営の中核に据えて、事業を展開しています。

 

企業価値を向上させるためには「収益性の向上」が先決と考え、営業体制の強化をはじめ、品質・技術力の向上や原価管理を含めたコストコントロールに、特に注力しています。

 

当期は「次世代クレスコ」の4年目として、仕上げの段階を迎えました。ここで、いま一度原点に戻り、「信頼と成長」を重点テーマに掲げて、お客様や株主・投資家様を含めたステークホルダーのみなさまのご期待にしっかりとお応えできるように、信頼の獲得と社員・組織の成長を目指しています。

次世代クレスコ

  1. 中堅IT企業トップリーグ入り
  2. 現事業での卓越性
  3. オリジナル製品およびサービスの開拓
  4. ユニークな子会社群による複合IT企業
  5. 営業拠点の広域化
  6. 海外進出
  7. 技術研究所設立
  8. 女性が活躍できる職場
  9. 人材育成のモデル企業
  10. クレスコブランドの浸透

当中間期の経営環境と業績

消費税増税後の4月以降、駆け込み需要の反動がみられましたが、景況感は高水準を維持しています。企業のIT投資は、受注ソフトウェアやシステムインテグレーション、ソフトウェアプロダクツをはじめ、概ね増加傾向です。投資目的も「売上拡大」や「顧客サービスの質的向上」とするビジネス指向が定着したようで、第3プラットフォームといわれる「クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術」をベースとしたニーズが増加しました。

 

当中間期の連結業績は、売上高119億99百万円、営業利益9億69百万円、経常利益10億80百万円、純利益7億73百万円の増収増益になりました。前年同期比で、売上高15億69百万円の増収、営業利益3億93百万円の増益、経常利益3億72百万円の増益、純利益3億34百万円の増益です。

重点施策

当期は「“技術と品質のクレスコ”の推進と“技術研究所”の強化」「組込み関連事業の再構築と新ビジネスモデルの創出」「企業間連携強化による収益性の改善と企業価値の増大」「開発体制の整備と強化」「クラウド関連ソリューションの拡販」の5つを重点施策としています。

 

まず、「“技術と品質のクレスコ”の推進と“技術研究所”の強化」として、「技術研究所」の予算を倍増しました。お客様との共同研究を含め、積極的な投資を実施しています。研究の成果はソリューション化して、新たな事業展開の推進へ繋げていきます。

 

次に、「組込み関連事業の再構築と新ビジネスモデルの創出」として、Bluetooth、RFID、NFCといった近距離無線通信技術を取入れたソリューションの開発を、クレスコグループとして進めています。また、コンサルティングから開発テストまでの幅広い需要が見込まれている機能安全関連は、引き続き拡大を狙っています。

 

企業間連携強化による収益性の改善と企業価値の増大」として、経営の安定化と継続的な成長を実現できるよう、クレスコグループ間で協業して、新しいソリューションの開発やクロス営業の強化を図っています。同時に、高度なスキルを持つ人材の育成や確保にも注力しています。

 

開発体制の整備と強化」として、「北海道開発センター」や子会社の「クレスコ九州」「クレスコ北陸」を活用したニアショア開発(地方分散開発体制)や、海外子会社の「クレスコ上海(※)」を活用したオフショア開発(海外開発体制)を推進しています。なお、ベトナムへの進出は検討中です。

 

最後に、「クラウド関連ソリューションの拡販」として、「インテリジェントフォルダ」「クレアージュ」「モビック」などの第3プラットフォームを取入れたソリューションの拡販に取組んでいます。

※ 正式名称「科礼斯軟件(上海)有限公司」

当期の取組み

コア技術の「アプリケーション開発技術」「IT基盤システム構築技術」「組込み技術」で屋台骨を支えながら、新しいビジネスを創出していくというのが基本構想です。その構想のもとで、収益性向上、人材育成、組織力強化に取組んでいます。特に、受託開発が中心のビジネス系「ソフトウェア開発」と「組込み開発」は、技術および品質面の更なる強化を図り、また、先進のテクノロジーを駆使して、事業機会を創出して企業の成長を促す、顧客支援のソリューションサービスを充実させます。

今後の見通し

各種経済動向調査を見ると、消費税増税後の日本の経済は、経済対策に伴う官公庁需要の下支えや民間需要の持ち直しにより、再び回復傾向になり、企業心理や先行き景況感にも明るさが出ています。超円安、労働力人口の減少、アジア情勢不安、原油価格高騰などの懸念は多々ありますが、内需、外需とも概ね良好ですので、景気拡大は当面継続するものと考えています。また、2014年度のソフトウェア投資額は、日銀短観を見ると、企業規模に濃淡はあるものの増加傾向です。

 

このような状況から、今後の国内企業のIT投資は、安倍政権による新成長戦略や企業業績の好転により、更に活性化するでしょう。特に、スマートフォンやタブレットPC等のモバイル端末やクラウド環境を利活用したシステム開発、システム基盤の統合・再構築、ビッグデータの活用、近距離無線通信など、第3プラットフォームに関連する市場で更なる成長が見込まれます。

 

クレスコグループがご提供するサービスは、お客様の経営課題の解決と事業戦略の実現を支える、重要かつ不可欠な道具(ツール)になると確信しています。

今後も企業の「メインITソリューション・パートナー」として、ビジネスの変革に貢献してまいります。株主のみなさまには、引き続きご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

2014年11月
代表取締役社長 根元 浩幸